北海道フリーきっぷで巡る北海道旅行記(2009年夏)

道内夜行列車が全廃されてしまったJR北海道。今回は夜行列車ではなく、ビジネスホテルを中心に活用して、釧路・札幌・稚内・摩周・知床・帯広を北海道フリーきっぷを使って夫婦二人でかけめぐった。臨機応変に予定を組み替えたり、様々なハプニングが起こる、7泊8日の北海道旅行記。
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5日目 (2009年07月29日)
「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号」出発!

帯広駅前(8:10)→しほろ温泉プラザ緑風 【観光バス】 「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号」

7時半過ぎに、ホテルをチェックアウト。今日の天気もなんだかいまいち。5日連続いまいちな天気だと、もう開き直るしかない!

「ホテル みのや」の玄関

「ホテル みのや」の玄関

ホテルの目の前のローソンで朝食を調達しようと思いきや、昨夜に引き続き、中学生に食い荒らされてしまった模様。そんなわけで、帯広駅の中にある売店まで足を延ばし、おにぎりとパンを購入。

そして、駅前のベンチで朝ごはん。筋子のおにぎりが置いてあるところが、やっぱり北海道!

筋子のおにぎりがとっても美味♪

筋子のおにぎりがとっても美味♪

今日の予定は?といえば、初日にJR札幌駅構内の観光案内所が偶然見つけたパンフレットで予約をした、十勝観光連盟主催「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号(北とかち周遊観光バスツアー)」での観光だ。

集合場所は、帯広駅前に8:10。8時前には、パンフレットと同じ黄色の目立つ大型観光バスが到着。ガイドさんに名前を告げ、早速乗り込む。

帯広駅前に停車している目立つ黄色のバスに乗車

帯広駅前に停車している目立つ黄色のバスに乗車

広めのシートピッチで楽々バスツアー

広めのシートピッチで楽々バスツアー

ほぼ丸一日、北とかちをぐるっとバスで連れて行ってくれて、さらに昼食とミニプレゼント付きでナント1人3000円。ガイドさんに料金を支払い、参加バッジを受け取る。

参加バッジ

参加バッジ

衝撃の事実、幻の橋「タウシュベツ橋梁」

シートピッチも広く、参加者も十数人程度。ゆったりとしたバスツアーになりそうだ。

予定どおり、帯広駅を出発。次の乗車ポイント「十勝川温泉」から乗車するお客さんはいないため、通過。

バスガイドさんは、とても流暢で上品な…という感じではなく、とっても親しみのあるトークを繰り広げるガイドさん。正統派ガイドさんという感じではないが、説明も分かりやすく、なかなかいい感じ。最近、仕事をしていても、「人の前で話すのは難しいなぁ」と思うことも多く、なかなか勉強になる。

そんなガイドさんから一言衝撃的な断りが…。

ガイドさん:「皆さんにお断りしておかないといけないのですが、本日はタウシュベツ橋梁は見れません」
心の叫び:「えっ〜」

タウシュベツ橋梁とは、今は廃線となった旧士幌線のアーチ橋で、とても味わいのある橋なのだ。これもまた急に決めた旅で事前リサーチ不足だったのだが、夏期は川の水位が上昇するため、橋が水の中に沈む。まさしく、「幻の橋」といわれる所以。

「幻の橋」というフレコミは知っていたが、この時はじめてその意味を知ったのだった…。このバスツアーの目的の半分がこれだったのに…。今回の旅、ネタが多すぎ…。

そして、予定より早めに「しほろ温泉 プラザ緑風」に到着。ここから合流するお客さんがいるのだが、予定より早く到着してしまったため、ちょっ長めの待ちあわせが発生。

道の駅「ピア21しほろ」

しほろ温泉プラザ緑風→ピア21しほろ 【観光バス】 「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号」

お母さんと女の子2人が合流して、いよいよ一つ目の観光スポット「道の駅 ピア21しほろ」へ。観光スポットといっても、単なる道の駅。特に見るものはなく、売店とフードコートぐらい。ちょっと時間をもてあまし気味で退屈な感じ。

この道の駅のウリは、地元限定販売の生産者還元用ポテトチップス(100円)。カルビーのポテチと比べると、ちょっと安め。ちなみに、このバスツアーのミニプレゼントとして、このポテチを1人1袋もらえるのだ。

「道の駅 ピア21しほろ」

「道の駅 ピア21しほろ」

道の駅の前にはジャガイモ畑が広がる

道の駅の前にはジャガイモ畑が広がる

バスツアーのプチプレゼント「生産者還元用ポテトチップス」

バスツアーのプチプレゼント「生産者還元用ポテトチップス」

一面霧だらけの「ナイタイ高原牧場」

ピア21しほろ→ナイタイ高原牧場 【観光バス】 「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号」

次の目的地はナイタイ高原牧場だが、その途中の道でパスは一旦停車。ネスカフェのCMで登場したという「ツリーハウス」。

唐沢寿明がツリーの上でコーヒーを飲む写真入りの看板があり、うっすらと見た記憶が…。残念ながら、ツリーハウスは、少し離れたところから見るだけで、上に登ることはできない。

ネスカフェのCMで登場した「ツリーハウス」

ネスカフェのCMで登場した「ツリーハウス」

この看板の写真にうっすらと記憶があるような…

この看板の写真にうっすらと記憶があるような…

高原というだけあって、バスの行く道は少しずつ標高が高くなっていく。といっても、林の中の山道を進むわけでなく、360度に広がる草原の丘を登っていくような感じ。

そうすると…、どんどん視界が白くなってくる。んっ、何も見えなくなった…。「ナイタイ高原牧場」ならぬ、真っ白で何も見えない「ナキタイ高原牧場」だ(T_T)

こんな広大な風景も…

こんな広大な風景も…

標高が高くなると、こんな風になってしまった

標高が高くなると、こんな風になってしまった

霧しか見えない高原で、とりあえずは記念撮影。そして、景色が見れない心の空白を埋めるため、レストハウスでバスガイドさんオススメの「きなこソフト」(380円)を1つ買って、奥さんと二人で食べる。個人的には、きなこが乗ってなくてもいいかな…。

とりあえず看板だけでも記念撮影

とりあえず看板だけでも記念撮影

売店とカフェがあるレストハウス

売店とカフェがあるレストハウス

バスガイドさんオススメの「きなこソフト」(380円)

バスガイドさんオススメの「きなこソフト」(380円)

「糠平館観光ホテル」で美味しい昼食

ナイタイ高原牧場→糠平館観光ホテル 【観光バス】 「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号」

高原を出発し、標高が低くなると、霧は消えていった。晴れていれば、きっと眺めはいいんだろうな〜。

ガイドさんの話によると、乳牛は、4回ぐらい子供を産み、牛乳を取るだけ取られたあと、ミンチにされるんだとか。なんだか、かわいそうな一生。

晴れていれば、絶景が広がるはず…

晴れていれば、絶景が広がるはず…

なんだか考え込んでしまう乳牛の一生

なんだか考え込んでしまう乳牛の一生

バスは40分ほど走り、いよいよお楽しみの昼食。昼食会場は糠平湖畔にある「糠平館観光ホテル」。このツアー自体が格安なのに昼食付きであることに加えて、経験的に定期観光バスに付いている昼食はガッカリすることが多いので、期待せずにレストランへ。

糠平館観光ホテル

糠平館観光ホテル

建物の外観はそれほど新しい感じではない

建物の外観はそれほど新しい感じではない

やっぱりという感じでお弁当っぽい感じで並んでいる。フタを開けると、コロッケ・刺身・魚・山菜などなど、ボリューム満点。

おまけに、食べてみてビックリ。もともとおいしいコロッケが温かいのだ。他のお客さんも「コロッケが温かいねぇ〜」と満足気。ご飯とみそ汁も後から持ってきてくれるし、どの料理もレトルト風ではなく、手作りな感じてでとっても美味しかった。

このホテルの姿勢はもちろん、観光バスを企画した観光連盟もきちんと企画しているなと実感。ホテルのロビーの感じもよく、一度試しに泊まってみたいなと思えるホテルだった。

コロッケが温かい手作り感のある昼食

コロッケが温かい手作り感のある昼食

ほっこり感を感じるロビー

ほっこり感を感じるロビー

やっぱり幻の橋だった「タウシュベツ橋梁」

糠平館観光ホテル→タウシュベツ展望台 【観光バス】 「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号」

昼食で満足した後は、幻の橋「タウシュベツ橋梁」へ。

バスは、北海道らしい一直線道路の脇に急に停車。ここから、熊がひょっこり顔を出しそうな林を3分も歩けば、「タウシュベツ展望台」。途中には、旧士幌線の跡もある。

こんなところでバスを降りる

こんなところでバスを降りる

遊歩道をあるけば、すぐに「タウシュベツ展望台」

遊歩道をあるけば、すぐに「タウシュベツ展望台」

そこから見えたのは、やっぱり湖だけ…。それを言い訳するかのように、写真入りで「水面下にこの様な状態でタウシュベツ川橋梁があります」と書かれた看板が…。

ガイドさんの話によると、5月頃には橋が見えるのだが、10月頃にかけて、どんどん水位が上がり、橋は水面下に沈んでいくのだとか…。先週あたりは橋の上部がうっすらと見えていたらしい。このバスツアーが今日で終わりなのも、タウシュベツ橋梁の見える時期を設定しているのが理由らしい。

「タウシュベツ橋梁」の影も形もなかった

「タウシュベツ橋梁」の影も形もなかった

こんな感じで沈んでいるらしい…

こんな感じで沈んでいるらしい…

静寂に包まれた神秘的な湖「然別湖」

タウシュベツ展望台→然別湖 【観光バス】 「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号」

十勝川温泉を通過したり、タウシュベツ展望台の時間を短縮したこともあり、予定より1時間20分早く、12:50にタウシュベツ展望台を出発。

展望台を出発して、約50分ほどで然別湖に到着。

然別湖

然別湖

ホテル2軒とお土産物屋さんがあるだけのこじんまりとした観光スポット。天気もいまいちなので、景観も微妙なところ。しかし、人も少なく、とっても静か。まさしく隠れ家的な湖だ。湖畔に座って、奥さんとほっこりタイム。同じくバスツアーの参加者もみんな湖畔のベンチでほっこりしていた。

静寂につつまれた神秘的な湖

静寂につつまれた神秘的な湖

今回は乗船しなかったが、遊覧船もある

今回は乗船しなかったが、遊覧船もある

湖畔には大きなホテルが2軒ほどある

湖畔には大きなホテルが2軒ほどある

しほろ温泉の足湯で体もポカポカ♪

然別湖→しほろ温泉プラザ緑風 【観光バス】 「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号」
しほろ温泉プラザ緑風→帯広駅(17:05) 【観光バス】 「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号」

いよいよ、最後の観光地へ。バスで1時間ほど揺られてついた場所は、行きにも立ち寄った「しほろ温泉プラザ緑風」。

ここまで予定よりも前倒しで進んできたので、1時間弱の自由時間がある。「しほろ温泉プラザ緑風」には日帰り入浴施設もあり、希望者は実費でお風呂も楽しめる。バスガイドさんは、天候や状況などによって、時間を調整して、ここでの入浴時間を確保したり、工夫をしているようだった。

僕たち夫婦は、真っ昼間から風呂に入る気にはなれなかったので、施設の横に併設されている足湯でほっこりタイム。足を付けるだけで、体がホクホクと温まる。

道の駅「しほろ温泉」の足湯

道の駅「しほろ温泉」の足湯

湯温がけっこう熱くて、体はポッカポッカ

湯温がけっこう熱くて、体はポッカポッカ

すべての観光を終え、出発地点である帯広駅前で解散。予定よりも45分早く、17:05に到着。

1日まるごとバスで観光に連れて行ってもらって、おいしい昼食もついて、さらにお土産つき。これで3000円とは、とってもお得。主催が「十勝観光連盟」ということで、おそらく何らかの補助(もしかすると、今話題の税金も?)が入っていると思うが、国内旅行の活性化には十分なコンテンツだ。

しかしながら、やっぱり宣伝がいまいち感がある。実際に、僕が情報を入手したのも、北海道に到着してからだ。もし、税金を使っているならばなおさらだが、いかに良質なコンテンツを効率的に広報して、観光客を呼び寄せていくのか、これを是非とも検討して欲しいところだ。

再び帯広駅へ戻ってきた

再び帯広駅へ戻ってきた

「六花亭本店」限定のサクサクパイを賞味

今宵の宿のある釧路へ向かう特急列車の発車時刻までは約1時間程度ある。そこで、時間潰しを兼ねて訪れたのが、帯広駅から歩いて10分弱のところにある「六花亭本店」。マルセイバターサンドで有名な六花亭の本店がこの地にあるのだ。

そして、本店限定で販売されているのが、「サクサクパイ」(140円)。サクサクのパイコルネの中に、カスタードグリームが入っている。賞味期限が短いためか、それとも、サクサク感維持のためか、本店限定の逸品。

店の片隅には、立席の飲食コーナーがあり、コーヒーも無料で飲めるので、ここでカフェタイム。2000年に奥さんと初めて北海道旅行に訪れた時に食べて以来なので、9年ぶり。

その当時は、とってもおいしいと感じたのだが、今回の感想は「う〜ん、こんなものか…」。ぶっちゃけ、家の近所にもあるシュークリームチェーン店「ビアードパパ」のコルネとあんまり変わらないかもしれない。口が肥えちゃったのかな?

帯広駅近くの「六花亭本店」

帯広駅近くの「六花亭本店」

本店限定の「サクサクパイ」(140円)

本店限定の「サクサクパイ」(140円)

この旅、二度目の釧路

帯広(18:15)→釧路(19:45) 【特急】スーパーおおぞら9号

帯広駅に戻り、この旅の記念品ということで、売店で奥さんにキティちゃんの幸福駅バージョンキーホルダーをプレゼント。早速、奥さんの携帯電話にキティちゃんが仲間入りした。

帯広18:15発の「特急 スーパーおおぞら9号」に乗車し、釧路を目指す。自由席だったが、それほど混んでおらず、余裕で座席を確保。

そして、釧路に19:45到着。この旅では、二度目の釧路だ。

帯広駅に到着した「特急 スーパーおおぞら9号」

帯広駅に到着した「特急 スーパーおおぞら9号」

今宵の宿は、釧路駅前にある「釧路駅前ホテル オーシャン」。1泊セミダブル朝食付 6000円/室で予約。今回はじゃらんポイントを使ったので、実質5400円。2日目に宿泊した「釧路ロイヤルイン」とは、道路をはさんだ向かいにある。

「釧路駅前ホテル オーシャン」の玄関

「釧路駅前ホテル オーシャン」の玄関

チェックインした際、部屋に空きがあるということで、最上階のダブルの部屋に変更してもらえた。リーズナブルで駅から近く、ブラウン管テレビだが、冷蔵庫やケトルなどの備品も充実しており、なかなかよい。「釧路ロイヤルイン」ほどのクオリティはないものの、値段が安く、コストを考えれば、十分だ。

フカフカのダブルベッド

フカフカのダブルベッド

冷蔵庫やケトルなどの備品もgood

冷蔵庫やケトルなどの備品もgood

ユニットバスに「多量の湯をはるな!」との注意書き

ユニットバスに「多量の湯をはるな!」との注意書き

「くしろ霧のビール園」でジンギスカン定食

時間も遅く、お腹がぐぅ〜。

釧路の夜は早く、開いているお店はだいたい居酒屋ばかり。そんなわけで、雨足が強くなるなか、確実に空いていそうな「フィシャーマンズワーフMoo」まで歩く。2日目に花・花のコンサートを見た場所だ。

選んだお店は、Mooの中にある「くしろ霧のビール園」。ジンギスカン食べ放題もあったが、それほどお腹が減っていなかったので、「ジンギスカン定食」(1000円)を注文。そして、ビールも付けてみる。

ところで、ジンギスカン定食のお味は、普通といったところ。お肉は厚めだが、ちょっと臭みが強め。付け合わせは、ポテトとコーンでちょっと野菜不足を感じた。

Mooの中にある「くしろ霧のビール園」

Mooの中にある「くしろ霧のビール園」

ボリュームがある「ジンギカスン定食」(1000円)

ボリュームがある「ジンギカスン定食」(1000円)

お客さんは、僕たち夫婦以外に2組程度。ガラガラの店内、窓際の席からイルミネーションがキレイな幣舞橋をみながらの夕食は、ほっこりする♪

ガラガラの店内

ガラガラの店内

雨が止んだので、食後はぶらぶら街歩き。コンビニでお菓子とビールを買って、ホテルへ戻り、部屋をプチ宴会した後、眠りについた。

ちなみに、明日もやっぱり天気はいまいちらしい…。

404 404
今宵の宿情報

釧路駅前ホテル オーシャン

(北海道 釧路市)

今回泊まった部屋:  ダブル (朝食付)
今回の宿泊費(1人あたり):  3000〜3499円 
・Trips管理人 評価: 2.5  (管理人提供宿泊レポート)



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