北海道フリーきっぷで巡る北海道旅行記(2009年夏)

道内夜行列車が全廃されてしまったJR北海道。今回は夜行列車ではなく、ビジネスホテルを中心に活用して、釧路・札幌・稚内・摩周・知床・帯広を北海道フリーきっぷを使って夫婦二人でかけめぐった。臨機応変に予定を組み替えたり、様々なハプニングが起こる、7泊8日の北海道旅行記。
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新日本海フェリー&太平洋フェリーで行く札幌旅行記

  
1日目 (2009年07月25日)
[プロローグ] 今年はビジネスホテル渡り歩き!?

今年も夏がやってきた。やっぱり、夏といえば、北海道が「早くこい〜」と呼びかけてくるのだ。

毎年お世話になっている「北海道フリーパス」。JR北海道の特急・急行自由席が乗り放題、指定席は6回まで利用できる便利なフリーパス。毎年改悪を繰り返し、今年はとうとうグリーン車用がなくなり、普通車用のみになってしまった。おまけに、少し値上げしたようで、1人25500円(T_T)

改悪はさらに重なり、昨年まで運行していた「特急 まりも」の引退を以って、JR北海道内の夜行列車は全廃(かろうじて、急行「はまなす」は残っているけど…)。こんな改悪されたキップを使いたくないところだが、やっぱり北海道旅行の強い見方。結局、今年も北海道フリーキップを片手に旅に出ることに…。なんだか負けた気分。

というわけで、今年は夜行列車の代わりに、ビジネスホテルをネットで予約。そして、往復のアクセスは、原油高騰のあおりですっかり高くなってしまったフェリーは今年も回避し、JALの「おとも de マイル」を利用。伊丹〜新千歳空港のベスト便を二人で往復「10000マイル+25000円」で予約。

こうして、今年も北海道へ旅立つ日を迎えた。

飛行機で大阪から北海道へ

伊丹空港(8:35)→新千歳空港(10:20) 【飛行機】JAL 2001便

早朝5時過ぎに起床、そして6時過ぎには家を出る。コンビニでパンとおにぎりを買い、空港リムジンバスで伊丹空港へ。

今回は土曜日朝のベスト便を予約できたものの、事前座席指定枠は満席だった。さらに、「おとも de マイル」は事前Webチェックインができないので、空港のチェックイン端末での手続き&座席指定となる。。

奥さんと隣り合わせの席を取りたかったが、すでに席が埋まり、残念ながら、離れ離れの席に…。

おなじみの伊丹空港

おなじみの伊丹空港

伊丹空港8:35発のJAL2001便に搭乗。ほぼ満席のようだ。機体は大きなボーイング777-300。奥さんと席がバラバラになってしまったので、睡眠をとったり、機内誌を読んだりしているうちに、あっという間に新千歳空港へ到着(10:20着)。

今回搭乗したJAL2001便

今回搭乗したJAL2001便

特急を迎えに、札幌駅へ

新千歳空港(10:34)→札幌(11:10) 【快速】エアポート105号

JRで新千歳から南千歳へ出て、特急「スーパーおおぞら」で釧路を目指す予定だったが、待ち合わせ時間が1時間以上ある。

それじゃあ、「特急を迎えにいくか!」ということで、特急「スーパーおおぞら」の始発駅である「札幌駅」を目指す。札幌行きの快速「エアポート」に乗るべく、飛行機を降りるやいなや、猛ダッシュで駅の改札口へ。

「北海道フリーきっぷ」を自動改札に通し、新千歳空港10:34発の快速「エアポート105号」に間一髪飛び乗る。ギリギリセーフ。自由席だったが、先頭車へ移動すると、席が空いていた。車窓の北海道らしさ(といっても、牧歌的風景でなく、北海道特有の街並み)を満喫しているうちに、札幌到着(11:10着)。

この風景をカメラに収めると北海道旅の実感が湧いてくる

この風景をカメラに収めると北海道旅の実感が湧いてくる

旅の行く末を変えてしまう「さっぽろ観光案内所」

札幌でのフリータイムは40分弱。まずは、みどりの窓口へ行って、「南千歳→釧路」の特急(指定)席券を「札幌→釧路」に変更してもらう。

「北海道フリーきっぷ」は、自由席は何度でも乗り放題だが、指定席は6回まで。昨年までは、きっぷに「指定席発行」スタンプを押印してもらうシステムだったが、今年からは指定席発券情報がフリーきっぷの磁気に記録されるらしく、指定席券発券の度に、フリーきっぷをマルスに入れる。そして、出てきたフリーきっぷには、1回分の指定席券を発券してもらう度に赤色の★印が印字されていく仕組みだ。

次に向かったのは、西口改札口前にある観光案内所。札幌のみならず、北海道内のあらゆる観光パンフレットを自由にもらうことができる。割引券が置いてあったり、事前に入手できないような情報に出会うこともある。ここで大量のバンフレットや割引券を仕入れる。
※実は、今回の旅もこ観光案内所に寄ったことで予定が変わってしまうのだ!

そして最後に少しだけ時間が余ったので、北口前にあるサンクスでお昼ご飯を調達。

特急「スーパーおおぞら」で札幌から釧路へ

札幌(11:51)→釧路(15:42) 【特急】スーパーおおぞら5号 ※指定席

札幌11:51発の特急「スーパーおおぞら5号」に乗車。北海道を一路東へ、釧路を目指す。

特急「スーパーおおぞら5号」

特急「スーパーおおぞら5号」

お腹が減ったので、出発する前に、サンクスで調達しておいたお昼ごはんを食べ始める。お弁当はちょっと匂いがぽわ〜ん〜。

僕が選んだ「牛カツ重」(520円)

僕が選んだ「牛カツ重」(520円)

奥さんは大好物のパン

奥さんは大好物のパン

札幌から釧路までは4時間弱。ここ数年は、フリーきっぷのグリーン車用を利用していたので、指定席の旅はちょっとつらい。特に、昨年までは長距離移動は夜行寝台列車だっただけに、昼間の長時間移動は予想以上に疲れる。

急遽予定変更!明日の宿はなくなってしまった!

こんな長い移動なので、奥さんはぐーすか〜、熟睡中。ここから奥さんに悲劇が訪れるのだ。

僕はあまりにも暇だったので、明日の天気予報を携帯で確認。あいにく今年は梅雨明けしていない。北海道は梅雨が基本的にはないものの、梅雨明け直前で梅雨前線が北上した状態で停滞すると、少なからず梅雨っぽい空になる。

明日の釧路地方の天気は「雨」。当初の予定ならば、摩周湖でサイクリング。なのに、雨だなんて…。そこで、勢いにまかせて明日以降の宿をまるごと携帯でキャンセル!してしまった・・・。

後は天気にまかせて、次の日の宿を携帯で予約すればいいや!と・・・。

お昼寝から目覚めた奥さんに報告。そうすると、「えっ?えっ?えー!」とナイスリアクション。驚いて、「開いた口が塞がらない」なんて言葉もあるが、目の当たりにその言葉どおりのリアクションは生まれてはじめて見た(^o^)

「大丈夫、大丈夫!」となだめる僕、そして、「泊まるとこがない〜」と不安気な奥さん。

この旅に備えて、2週間程度毎日計画を練ってきたわけだが、旅のはじまり数時間で、早速綿密な計画が崩壊していく。とはいえ、入念に計画してるからこそ、頭にデータが叩き込まれているので、臨機応変に計画を変えれるわけなのだが…。だから、きっと大丈夫(だと思う)。

帯広からぐっと乗客が減り、釧路到着(15:42着)。

雨がポツポツ降る釧路駅

雨がポツポツ降る釧路駅

今宵の宿「釧路ロイヤルイン」にチェックイン

1年ぶりにやってきた釧路。前回は晴れていたけど、今回は雨がポツポツと降る始末。

とりあえず荷物を預けるために、今宵のホテル「釧路ロイヤルイン」へ。駅前すぐ、改札口から歩いて1分ちょっと。今回は「楽天トラベル」を通じて、1泊朝食付ダブル7300円/室で予約。

釧路駅すぐの「釧路ロイヤルイン」

釧路駅すぐの「釧路ロイヤルイン」

まずは、フロントでチェックイン。フロントの女性はとてもいい感じで気持ちよくチェックインする。部屋のカードキーを受け取った後、精算はフロント横の自動精算機で行う。明日は釧路湿原マラソンがあるようで、なんだかスポーティーな格好の人が多い。そういえば、去年もちょうど今の時期に訪れて、マラソン会場行きの送迎バスを何台も見た記憶がよみがえる。

部屋はとっても清潔感があり、窓からは釧路駅が見える。マラソン大会の混雑のせいか、禁煙ルームは満室で、今回は喫煙ルーム。しかしながら、空気清浄機も完備されており、部屋のにおいは全く気にならない。リセッシュが置いてあるのもうれしいところ。

清潔感いっぱいの室内

清潔感いっぱいの室内

空気清浄機も完備している

空気清浄機も完備している

近所のローソンの割引券も付いている

近所のローソンの割引券も付いている

どんどん予定が変わるミステリーツアー!

部屋で少し休憩して落ち着いたので、まずは明日の宿探し。明日は全道的に雨のようなので、屋内系観光スポットも多い札幌市内をブラブラするのも悪くない。ということで、携帯を駆使して、「じゃらん」で格安ホテルを発見。それもビジネスホテルではなく、シティホテル。ナント「札幌プリンスホテルタワー」のツイン1室が7000円/室。迷わず予約完了!

さらに、どんどん当初の予定は変更されていく。札幌の観光案内所で見つけたパンフレット「来た・トカチ 大パノラマ★ピリカ号」。帯広駅を出発し、北十勝地方の観光地をぐるっとまわって、昼食付で3000円。バスや列車で回りにくい地域だけでなく、今話題のタウシュベツ展望台も周るとってもお得なバスツアー。

このバスツアーはなんだかヘンテコで毎週水曜日の運行。さらに、5月13日から運行されてきたが、今シーズンは次の水曜日(29日)で最終なのだ、こうなれば予約するしかない!

ということで、十勝地区バス協会へ電話で予約。こんなおいしい観光ツアーなので「もしや満席?」と思いきや、無事予約できた。

こうして、当初の旅行計画書はどんどん原型がなくなりつつあるのだった・・・。

クーちゃんは旅立ってしまった「幣舞橋」へ

とりあえず明日の宿は決まり、ホームレスになることはなくなったので、釧路市内散策へ出発。これまで幾度も釧路を訪れているものの、一度もゆっくり散策したことはない。ましてや、釧路市内に宿泊したことも一度もない。いつも夜行列車の発車時刻に追われ、急いでご飯を食べるか、銭湯を探すかのどちらかだ。それだけに今回はゆっくりと散策することにする。

まずは、幣舞橋にあるフッシャーマンズワーフ「Moo(ムー)」へ。ホテルからゆっくり歩いて、15〜20分ぐらいだ。一時期、ラッコのクーちゃんで話題を集めた幣舞橋だけど、クーちゃんは何処かへ旅立ってしまったそうな。

フッシャーマンズワーフ「Moo(ムー)」

フッシャーマンズワーフ「Moo(ムー)」

クーちゃんは旅立ってしまった釧路川

クーちゃんは旅立ってしまった釧路川

釧路名物といえば、「幣舞橋」

釧路名物といえば、「幣舞橋」

いつも時間切れでバタバタと立ち去る幣舞橋。今回はゆっくりできると思いきや、雨空の釧路は夏とは思えない寒さ。耐え切れなくなったので、一度ホテルまで上着を取りに帰る。

昭和的食堂「つるや」で夕ご飯

一度止んでいた雨がポツポツ降り始める。雨の釧路といえど、ガッカリすること無かれ。今日は運よく、「くしろ霧フェスティバル」の開催日なのだ。そして、ナント「花・花」の無料ライブの開催も予定されている。

というわけで、ライブに備えて、腹ごしらえ。しかしながら、駅の食堂はすでに閉店。釧路のお店は夜が早い。そこで、ホテルのフロントに置いてあったグルメマップに載っていた「女性にはオススメできないけど、安く食べれる食堂」がフレコミの「つるや」を挑戦してみる。

ホテルから歩いて30秒もかからないところにある「つるや」。何とも入りにくい雰囲気の入り口のドアを開けると、ほどほどの愛想のおじ(い)さんが出迎えてくれる。お世辞にもキレイとはいえない店内。新聞や雑誌が読み放題、昔ながらの「ザ・昭和の食堂」といった雰囲気。

昭和の時代のザ・食堂な「お食事 つるや」

昭和の時代のザ・食堂な「お食事 つるや」

メニューを見て、ビックリ。やたらとリーズナブルな価格。僕は「イカ刺し定食」(550円)、奥さんは「カレイのフライ定食」(450円)を注文。

またまた出てきて、ビックリ。リーズナブルな値段の割りに、たっぷりの品数。メインのおかず以外に、たっぷりのごはん・味噌汁・白菜のカツオのおひたし・漬物・なぜか冷めたカレーが並ぶ。お味の方は極めて普通。味噌汁は健康的なかなりの薄味。ちょっとだけ出てくるカレーがなぜか冷めているのも面白い。まるで、実家にいたときを思い出す、前日の残りがちょっと出てくる感じ?

お店に入った時は僕達夫婦だけだったけど、食べている間に1人でやってくるお客さんがちらほら。いかにも、お金がなさそうな学生。リーズナブルな値段、栄養バランスの取れた食事は、まさしく学生向けの食堂なのかもしれない。

奥さんが注文した「カレイのフライ定食」(450円)

奥さんが注文した「カレイのフライ定食」(450円)

僕が注文した「イカ刺し定食」(550円)

僕が注文した「イカ刺し定食」(550円)

屋台の1パック500円のザンギをナメてました・・・

「つるや」を後にして、再び幣舞橋へ向かって歩く。雨あしがさらに強くなっている。

まるでネタのような昭和的ムードの「つるや」はボリューム満点のように思えたものの、意外とヘルシーだったのか、旅でガッツリ食べるモードになっている胃袋にはちょっと不満気味。

そんなわけで、「くしろ霧フェスティバル」の会場に出ている縁日の屋台で、ザンギ(北海道では鳥のから揚げのことを指す)を購入。1パック500円。概して、屋台のモノというのは量の割りに値段が高い、はっきりいえば、ボッタクリ!なのが定説。

「北海道の屋台をナメてました・・・すみません・・・」。

一口ならぬ二口大以上ありそうなでっかいサンギが5つ。透明のパックもはちきれんばかり。ボッタクリどころか、これで採算が合うのか疑問を感じるほど。奥さんに2つ食べてもらい、僕が3つ食べ終わった頃にはすっかり胸焼け状態。「もう二度と鳥はいらん!」と強く心に誓う気持ち悪さだった。

雨あしが強く、傘をさしながら必死で食べたので、カメラにおさめられなかったのが残念だ。

釧路名物といえば、「霧の幣舞橋」

釧路といえば、霧の幣舞橋。これまで幾度か幣舞橋を訪れているものの、比較的天候にめぐまれていることも多く、霧の幣舞橋にお目にかかることは少なかった。

しかし、今日は雨のせいか、まさに幣舞橋。雨は嬉しくないものの、霧の中にライトアップされた橋がぼやっ〜と浮かぶ姿はとっても幻想的!

ライトアップされた「霧の幣舞橋」

ライトアップされた「霧の幣舞橋」

街並みもぼやっ〜と浮かび上がるようだ

街並みもぼやっ〜と浮かび上がるようだ

ここでまったりするだけでも落ち着く

ここでまったりするだけでも落ち着く

コテコテの関西弁を話す「花・花」のライブ

いよいよ、20時からは「花・花」のコンサートライブ。雨のせいもあり、約30分遅れで「花・花」が登場。しばらく見ないなぁ〜と思っていたら、6年間ほど活動を休止していて、今年再開したばかりだとか…。

「花・花」はてっきり沖縄出身とおもいきや、バリバリの関西人(きっとキロロとごっちゃになっていたんだな)。今日も関西から釧路行の直行便でやってきたようだ。コテコテの関西弁を遠く離れた北海道で聞くのはめちゃくちゃ新鮮。だけど、なんだかキレイな歌声の「花・花」がコテコテ関西弁を話すのはちょっと幻滅…。

知らない曲のほか、有名どころの「あ〜よかった」など数曲。一人の方がノドをやれていたせいなのか、それとも、休止期間がたたっているのか、なんだかCDで聞いていたよりはいまいちな感じが…。それとも、CDではかなり修正されていたのか!?

とはいえ、生歌にちょっと感動。おまけに、「花・花」が歌いだすと、雨が止み、傘いらずに・・・。彼女達の晴れ女パワーなのかな?

霧のレーザーショー

「花・花」のライブが終わると、人工のスモークがモクモクと湧いてきて、レザーショーのはじまり。まるでハウステンボスのレザーショーっぽい感じ。人工のスモークと本物の霧があいまって、とってもキレイだった。

霧のレーザーショー

霧のレーザーショー

ショーの余韻を味わいながら、霧で幻想的な釧路川沿いを散歩し、セイコマートで100円のソフトクリームを1つ買って、二人で食べる。

ホテルへ戻る途中にあった温度計は17.4度。さすがは北海道。今日一日、天気はいまいちだったけど、色々なイベントやネタが満載な一日で楽しかった。

ホテルへ戻る途中の温度計は17.4度だった

ホテルへ戻る途中の温度計は17.4度だった

今宵の宿情報

釧路ロイヤルイン

(085-0018 北海道釧路市黒金町14丁目9?2)

朝食評価は☆4.8♪地元の美味しいお魚と北海道米が絶品!焼きたてパンの種類も充実の10種類以上。10階展望レストランでお楽しみください。全室無料Wi-Fi完備 視聴タイトル300以上のVODも最新式!


今回泊まった部屋:  ダブル (朝食付)
今回の宿泊費(1人あたり):  3500〜3999円 
じゃらん 評価: 4.5  (103件の口コミ)
楽天トラベル  評価: 4.4  (4109件の口コミ)
・Trips管理人 評価: 4.0  (管理人提供宿泊レポート)

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