本旅行記は、旅行会社が主催するミステリーツアーの内容が含まれたものとなります。一部の旅行記やブログでは、ツアーの性質上、あえて内容を伏せるポリシーとされている方もいらっしゃいます。しかし、本旅行記では基本的には内容を伏せずに公開させていただきます。
その理由を簡単に説明しておきます。このツアーに参加する前に、このミステリーツアーに関してネット上を検索してみたのですが、毎年トレンドとなっている観光地を採用するなど、旅行会社の方でも毎年同じ内容にならないように工夫されていることが分かりました。
よって、今年の内容は昨年と異なる可能性が高いと考えたほか、本サイトのコンセプトを踏まえ、列車・バス・船を使った旅の魅力を伝え、より多くの情報を提供するため、旅行記に綴ることにしました。
以降の旅行記をご覧いただける場合は、ご了承の上、楽しんでいただければと思います。
いよいよやってきたゴールデンウィーク♪
嬉しいゴールデンウィーク、旅の計画を立てるのは楽しいが、一方で最も苦痛なシーズンでもある。ゴールデンウィークといえば、超繁忙期。つまり、旅行代金が高くなるのが一般的。さらに、貧乏旅行の見方である青春18きっぷもない。
昨年のゴールデンウィークも頭をひねった。苦肉の策として、JALの「おともdeマイル」を使って、かろうじて空席のあった伊丹〜花巻便を確保して、岩手旅行を楽しんだ。しかし、今年の4月29日〜5月5日は「おともdeマイル」の除外日になっているため、この手は使えなかった。
こうして悩ましい日々を送っている時に、ふと見つけたきっぷ。それが新日本海フェリーの「エコノミーきっぷ」だ。新日本海フェリーの関連旅行会社「ヴィーナストラベル」が企画販売している個人向け企画商品だ。
連絡バス(新大阪〜舞鶴)+2等フェリー運賃(舞鶴〜小樽)がセットで片道9200円(往復17400円)。ヴィーナストラベルでの事前購入や通常より厳しいキャンセル規定などの制限があるとはいえ、正規運賃がフェリー9000円、バス代2500〜3000円であることを考えれば、格安と言える。さらに、ゴールデンウィークの利用制限もなしだ。
往復共に同じフェリーというのも面白くないので、『新日本海フェリー&太平洋フェリーで行く札幌旅行記』の時と同じように、復路は太平洋フェリーに決定した。
そうとなれば、後は予約だ。往路の新日本海フェリーは、会社帰りに梅田のヴィーナストラベルに立ち寄り、無事発券してもらう。プラン用の特別枠があるわけでなく、一般用の席から割り当てているようだ。そして、復路の太平洋フェリーはインターネットで残り少ないB寝台(苫小牧→名古屋/片道11200円)を予約した。
往復のアクセスが決定したので、次は北海道内の行程だ。札幌近郊の観光地はもうほとんど行き尽くしてしまい、ネタが切れ気味。そうなると、足を延ばすしかない。
北海道は言うまでもなくとっても広い。広いということは、移動するのに交通費がかかるのだ。恒例となっている夏休みの北海道旅行では、1週間有効の「北海道フリーパス」で道内の特急を乗り回しているが、正規運賃は決して安くない。一例を挙げると、札幌から釧路ならば片道で9000円。往復すれば2万円弱だから、舞鶴〜小樽を往復できてしまう。旭山動物園のある旭川でさえ、札幌から往復1万円弱もかかる。
「今回も北海道フリーパスを使えばいいじゃないか!」という話になるが、休みの関係で現地滞在は3日間程度、さらにフリーパスも決して安くはなく25500円。またまた悩ましい事態に陥ってしまったのだ。
ある朝、新聞の広告を見ている時に解決策を思いついてしまった。ヒントを与えてくれたのは、「クラブツーリズム」のバスツアーの広告。こんなに色々回って、おまけに豪華な食事、そしてお土産まで付いているのに、こんな値段!?というツアーが並んでいる。新聞に入っていた広告には、関西発のツアーしか並んでいないのだが、「きっと、札幌発の格安バスツアーもあるんじゃない?」とひらめいてしまった。
こんなときに便利なのは、やっぱりインターネット。『クラブツーリズム』では、全国各地発のバスツアーが掲載され、おまけにインターネットで予約できちゃうのだ。
そこで見つけたのが、道東方面への1泊2日のミステリーツアー。お値段も格安の13800円。バス代+宿泊(もちろん2食付)で13800円。札幌〜釧路往復よりも圧倒的な安さだ。一切の迷いのなく申し込んだまでは良かったが、最少催行人数を満たさないために、ツアー中止に…(T_T)
仕方なく、気を取り直して申し込んだのは、既に催行が決定していた「GW春特選ミステリーツアー」(日帰り/6980円)。「魅力のポイント」がいくつか記載されており、おおよそどの方面に行くのかが見て取れたので、これに決定して申し込みを済ませた。
往復のアクセス、道内のアクセスは決定したので、残りはホテルだ。
実は、本州とは異なり、北海道のゴールデンウィークはオフシーズンなのだ。そのため、札幌市内のホテルも夏では考えられない料金で宿泊できてしまう。
そこで、見つけてきたのは「チサンホテル札幌」。札幌駅まで徒歩10分以内の好立地。1泊目はセミダブル1泊4300円/室を「じゃらん」経由で予約。素泊まりとはいえ、1人あたり2150円と格安。2〜3泊目は同じプランがなく、セミダブル1泊7600円/室を予約。しかし、1泊につき3000円のJR TOWERチケットが付いている。今回は2泊するので6000円。実質ベースでは1泊4600円(1人あたり2300円)。ちなみに、チケットは札幌駅ビル内のかなりの数の店舗で買い物や飲食に利用できるため、使い勝手もよい。
こうして、すべての旅の準備が整い、旅行当日となった。
出発当日の16時頃、メール中心で使っている滅多にならない携帯電話のベルが鳴り響いた。
「いったい誰だ?」と思いながら、電話を取ると、相手は新日本海フェリーの女性だった。海上荒天のため、僕たちが乗船するフェリーの到着が1〜2時間遅れているらしい。その影響で出航時刻も遅れるということだった。
新大阪からの連絡バスも出発時刻が変更になるのかと聞いてみると、バスは予定どおりに出発するとのこと。幸先は悪いが、遅れのみで欠航というわけでなくて良かったと胸をなでおろす。
新大阪(18:30)→舞鶴FT(20:30) 【バス】新日本海フェリー 直行バス
17時頃に家を出て、舞鶴港への直行バスが出る新大阪へ向かう。
集合時刻は18:10だが、少し早く到着した。時間があったので、集合場所の前にあるハートイン(コンビニ)で夕食用にコンビニ弁当を購入する。
新大阪駅1Fの広いスペースが集合場所
垂れ幕の案内がかかっている
集合時刻になると、運転手さんがやってくる。バスが停車している団体バス乗り場を指差し、青いバスに乗るように案内を受ける。
バスは、定期路線バスではなく、新日本海フェリーがチャーターするツアーバスだ。車両も観光バスタイプなので、ゆったりしている。定刻の18:30過ぎ、バスは出発する。ゴールデンウィークにも関わらず、お客さんは10人前後といった感じだ。
お腹が減っていたので、出発早々、夕食タイム。ハートインの弁当は値段の割りに、おいしくてボリュームがある。
ハートインで買ったボリュームたっぷり399円弁当
食後は、お腹もいっぱいになって、夢の世界へ・・・。トイレ休憩は「お客さんから要望があれば…」という運転手さんの出発時の案内があったが、要望が無かったため、ノンストップで舞鶴港へ到着(20:30頃着)。
新日本海フェリー 舞鶴ターミナル
舞鶴港に到着した直行バス
まずは、乗船手続きをするために、1Fカウンターへ。しばらく来ていない内に、カウンターがリニューアルされていることにビックリ。
ここ最近の夏休み恒例の北海道旅行は、重油高騰によるフェリー運賃の値上げで、飛行機にシフトしていた。学生時代からお世話になり、ほぼ毎年利用していた舞鶴ターミナルも3年ぶりなのだ。2F待合室もテレビが新しくなっていたり、冷暖房が入っていたりと、少しずつリニューアルされた形跡があった。
いつもなら、折り返し小樽港行きとなる船が20:30頃に入ってくるのだが、海上荒天のために、22:30頃に変更となっている。ちなみに、出航時刻は未定のようだ。
出航時刻は未定
ターミナルで待っているのも退屈なので、東舞鶴駅方面にあるローソンまで重い荷物を持って、お出かけする。ターミナル内のコインロッカーに預けてもいいとはいえ、なんだかもったいないので…。
ローソンまでは歩いて20分程度で到着。たいして目ぼしいものもなく、デザートをちょっとだけ買って、再びフェリーターミナルへ歩いて戻る。
ローソンまでの道は、ちょっと薄暗くて気持ち悪い
ターミナルから一番近いローソン
定刻から約2時間遅れの22:25頃、ようやく小樽から「はまなす」が入ってきた。「はまなす」から下りてきた人の一部は、僕たちが乗ってきたバスに乗りこんでいく。それと入れ替えに、清掃部隊が船に乗り込んでいく。
そぅ、このバスは下船客用に用意された新大阪行きの直行バスになのだ。新大阪に到着する頃には、終電は既に出ているんじゃないだろうか・・・?
約2時間遅れで小樽から到着した「はまなす」
もうやることがなくなったので、2F待合室でボッーとして過ごす。そして、当初0:30乗船開始とアナウンスされていたが、若干早くなり、0:20にようやく乗船開始となった。
今回は「エコノミーきっぷ」を利用しているので、雑魚寝の2等席。「若かれし20代とは違うんだから…」と心の中で思うものの、やはりケチ癖は抜けない。2等は定員制の自由席なので、いいポジションを確保したい場合は、早めに乗船の列に並んでおくのがポイントだ。
今回もケチケチの2等で雑魚寝♪
2等席は、基本的に1室12名。枕と毛布が用意されている。全室が開放されているわけではなく、乗船客数に応じて、開放する部屋数を決めているようだ。僕たちの部屋には、レゲエ風おじさん夫婦と一人旅の男性、僕たち夫婦を合わせて5名なので、ゆったりしている。
枕と毛布が並ぶ2等席
舞鶴港(30日 1:20)→小樽港(30日 21:35) 【フェリー】新日本海フェリー(はまなす)
定刻よりも50分遅れの1:20、ようやく車と荷物が積み終わり、舞鶴フェリーターミナルを離れる。
船内放送では、出航遅れと海上荒天のため、小樽港到着は定刻よりも90分遅れの22:30頃の予定を告げている。22:30であれば、なんとか札幌のホテルへは着けるだろう…。
舞鶴港を離れる「はまなす」
お風呂は出発前に自宅で入ってきたので省略。プロムナードで奥さんと宴会だ。ここで、僕はお酒、奥さんはおやつを食べるのが、北海道旅行の定番。
北海道旅行のはじまりはここから(プロムナード)
自販機のアルコール販売は夜間のため中止されており、売店は大行列。行列に並んで、北海道限定の「サッポロクラッシック」をゲット。これを飲むと、ますます北海道への上陸に向けて、期待が膨らむのだ。
船内売店が買える「サッポロクラッシック」
自販機で買った「たこ焼き」(400円)
出航が遅かったこともあり、風呂や売店は通常より長く2時まで営業した後、消灯となった。揺れもかなりひどくなってきたので、消灯に合わせて、僕たちも部屋に引き上げて眠りについた。