定刻5:50に釧路へ到着。今日の天気も良好のようだ。昨夜は上段ベットだったが、空調がちょっと効きすぎているようで、寒くて幾度か目が覚めた。
釧路駅
まずは、腹ごしらえ。北海道定番のコンビニ「セイコーマート」を求めて、街中を歩いてみる。駅から10分ほど歩いた繁華街にオレンジ色に白地のハトマークを発見。朝食は奥さんがお気に入りのクリームドーナツ(88円)とツナパン(138円)。釧路駅に戻り、駅前のベンチに座って、朝食タイム♪
さすがは北海道。大阪のような汗ばむ気候とは対照的に、心地よい冷たい風が吹き抜けて行く。むしろ、寒いぐらいだ…。
セイコマートで買ったパン
釧路(7:35)→標津ターミナル(10:05) 【バス】阿寒バス
標津ターミナル(10:30)→野付半島ネイチャーセンター(10:55) 【バス】阿寒バス「トドワラ号」
今日の目的地は、トドワラ。まずは、釧路駅の横にあるバスターミナルで、「野付半島散策トドワラ号往復割引きっぷ」を購入する。この切符の値段は、5600円。少し高く感じるが、釧路〜標津ターミナル間の路線バス往復乗車券(往復5510円)に加えて、標津ターミナル→トドワラの「トドワラ号」(路線バス)乗車券、トドワラ→尾岱沼の遊覧船片道乗船券、尾岱沼→標津ターミナルの路線バス乗車券がセットになっており、とってもオトク。
割引きっぷは、標津ターミナル→トドワラの「トドワラ号」が運行される期間限定(今年は7/21〜8/19)の販売となっている。ずっと以前からいってみたかったトドワラだが、昨年と一昨年は8月下旬に北海道を訪れたので、期間外だった。今年ようやく念願が叶ったわけだ。
釧路駅バスターミナル
「トドワラ号往復割引きっぷ」と案内の紙
釧路駅7:35発 羅臼行の路線バスに乗り込む。ツアコンやガイドさんはおらず、切符を購入した際にもらった案内の紙に指示されたとおり、各自で行程をこなす。
バスに乗車しているのは、10人程度。その半分以上は、同じ切符を手にしている。さらに、僕たち夫婦以外はほぼ全員一人旅のようだ。釧路から2時間半のバス旅は熟睡。ちなみに、トイレの付いている観光バスタイプだった。
そして、標津バスセンターで下車。さすがに2時間半乗り続けたせいか、お尻が痛い。
バス車内のトイレ
観光バスタイプ(標津ターミナルにて)
ここから10:30発の「トドワラ号」に乗り換える。待ち合わせ時間が25分ほどあったので、付近をブラブラしてみるが、これといって何もない。あるモノといえば、海、そして標津線跡。国鉄時代は、この地まで鉄道が走っていたのだ。その当時、北海道には現在よりも数多くの路線があったらしい。北海道の鉄道の旅はもっとアクティブなものになっていただろう…。
標津バスターミナル
「トドワラ号」は都会でよく見かけるノンステップ車
釧路を出発した時は晴天だった天気が標津ターミナルに着く頃にはどんより曇りになっていた。旅の気分は天候に左右されるもの。快晴ならばすがすがしい気分、そして曇りなら憂鬱な気分になるもの(T_T)
しかし、そんな心配をよそに野付半島に差し掛かる頃には、再び晴天に…。細く長く伸びた野付半島。道の両脇は海と湖(池?)に挟まれ、まるで海の道を走っているようだった。そして、野付半島ネイチャーセンターに到着(10:55着)。
野付半島ネイチャーセンター
野付半島ネイチャーセンター→トドワラ 【徒歩】
バスを降り、目の前の堤防を登ると、一面に広がるオホーツク海。そして、冷たくひんやりとした海風。水色がかった透明感に満ち溢れた、すばらしい景色。そして、利尻や礼文など道北の海でも感じる、道北から道東にかけての特有の海の雰囲気を感じる。しばしの間、堤防に座って、風を楽しむ。
一面真っ青なオホーツク海
海を堪能した後は、ネイチャーセンターへ。1階はレストランとおみやげ物屋さん、2階はトドワラの花や鳥を紹介したミニミニ自然博物館になっている。お昼時にはちょっと早かったので、レストランでは昼食を取らず、トドワラ見学へ向かうことにした。
「トドワラ」とは、長年の月日で出来上がった砂嘴の上に群生したトドマツが海面の上昇等で沈み、枯れてしまった群生を指すようだ。実際のところ、トドワラはバスを降りたネイチャーセンターから原生花園の散策道を30分ほど歩かなければならない。
途中の草花を楽しみながら、散策道をゆっくりと歩く♪
散策道の入り口
こんな散策道がずっと続く
景色はさいこー♪
歩くのが面倒な人には馬車も…(500円)
こんな草花を見るのも楽しみの一つ
30分ほど歩いて、ようやくトドワラ群生地へ到着。
しかし…、なんかしょぼい。確かに枯れ木がゴロゴロしているのだが、「う〜ん、枯れ木か…」といった感じ。聞いたところによると、以前よりトドワラの枯れ木が少なくなってしまっているのだとか…。標津ターミナルからネイチャーセンターまで来るバスの車窓で見た「ナラワラ」(ナラの木なのだろうか?)の方が圧巻するものがあった。
「トドワラ」を簡単に一言でいうならば、「槍ヶ岳の噴火で枯れ木になってしまった上高地の大正池」の海バージョンって感じかな?
トドワラの入り口
枯れた木がゴロゴロと…
枯れた木自体が朽ちてしまってあまりない!?
肝心のトドワラの枯れ木は微妙だったものの、景色がいいことに違いはない。ここでゆっくりするはずだったのだが、今回の観光コースでは、次の行程として遊覧船に乗船することになっている。しかし、どこをどうみても乗り場が見当たらない。
そして、視線をずっーと遠くの方へ移した時、1隻の船が停泊しているのを発見。遊覧船乗り場はトドワラからさらに先へ進む必要があるのだ。ネイチャーセンターの前の堤防で海をゆっくり見すぎたせいで時間がない。早足で遊覧船乗り場を目指す。
木道の先が遊覧船の船着場
トドワラ船着場(12:20)→尾岱沼港(12:55) 【高速船】別海町観光船「パワードリーム」
遊覧船の出航時刻12:20の5分前にギリギリ滑り込みセーフ。これを逃してしまう、野付半島ネイチャーセンターに戻ってもバスはもう無く、冷や冷やモノだった…。
ようやくたどり着いた船着場は、トドワラから海の上に浮かべられた木道の先にちょこっと船が停泊しているだけ。トドワラからも10分弱歩く必要があるが、今まで乗り遅れた人はいないのか、ちょっと不思議???
ギリギリ船着場へ到着!
少し遅れてきた乗客を乗せて出航した遊覧船「パワードリーム号」。ノンビリとした遊覧船というよりは、クルーザータイプの高速船。ビュンビュンと速度を上げ、颯爽と野付湾を走り抜ける。風が冷たく、半袖でデッキ(外)に出ていると、かなり肌寒い。
野付湾を航行する「パワードリーム号」
遊覧船というよりは、高速船
景色だけでも十分満足だったが、ここで船内放送が流れる。ナント、野生のアザラシが近くにいるのだとか…。
あわてて、周りを見渡すと、少し遠くではあるが、肉眼で十分確認できる距離に、愛らしいアザラシが頭をポックリだす姿が…。船は一旦停止、そしてアザラシウォッチングタイム。周りを見渡していると、あちこちで頭を出しては潜っていくアザラシの姿を確認することができた。
どうやら、この遊覧船のウリは「アザラシが見れるかも?」というフレコミだったらしい。何も考えず、割引きっぷの観光コースに組まれていて乗船したわけだが、思わぬ旅のお土産だった。30分ちょっとの遊覧を終えて、尾岱沼港へ到着(12:55着)。
頭を出すアザラシ(とっても小さいけど…)
尾岱沼港へ到着した「パワードリーム」
がらーんとした尾岱沼港
お腹もちょうど減ってきて、乗り換えのバスの時刻まで30分ちょっとあるので、コンビニ探し。道東の僻地、さすがのセイコーマートも見当たらない。釧路に到着する夕方までご飯はお預けか?とピンチを感じた時、港のすぐ近くに、「SHOP おおすみ」を発見。
「SHOP おおすみ」はコンビニのような、昔ながらの田舎の雑貨屋さんのような、その中間といったお店。お弁当はなかったが、パンがあったので、ゲット。これでかろうじて、飢えをしのぐことができた。
救世主に見えた「SHOP おおすみ」
尾岱沼(13:20)→標津バスターミナル(13:40) 【バス】阿寒バス
標津バスターミナル(13:40)→釧路(16:20) 【バス】阿寒バス
今日のメインイベントを終え、後はひたすら釧路へバスで向かうのみ。尾岱沼港から徒歩1分のバス停まで歩き、13:20発の標津バスターミナル行のバスに乗車。標津バスターミナルから野付半島ネイチャーセンターまで乗車したバス(運転手さん)と同じだった。乗車時間は20分程度だが、おまりにもお腹が減っていたので、ガラガラの車内の最後部座席でコンビニパンの昼食タイム♪
十勝小豆の味わい豆パン
つぶつぶチョコメロンパン
標津バスターミナルで乗り換え時間はほとんどなく、釧路行(13:40発)のバスに乗り込む。往路と同じく、観光バスタイプでトイレ付き。運転手さんは女性だった。1時間40分の長時間のバス旅は、またまたひたすら熟睡だった…。
釧路駅に到着したバス
今晩の宿は…、やはり夜行列車「まりも」。というわけで、お風呂に入らなければならない。2年前の『「北海道フリーパス」で巡るグリーン車旅行記』(こちらを参照)で苦労して見つけた、「栄湯」へ向かう。
釧路駅の改札を出て、地下通路で北側へ回り、徒歩10分弱の場所にある「栄湯」。一般的な銭湯で、お値段は390円。シャンプーやボディソープは付いていないが、脱衣所にはカギ付ロッカーもあり、少し大きめの旅行カバンも入るサイズなので、安心。
お風呂も清潔感があり、小さいものの露天風呂もある街中の銭湯。ほぼ100%が地元の人なので、ちょっと居づらいような雰囲気もあるが、なかなか使い勝手がよい。しかし、長風呂の奥さんと行くと、小上がりがあるスーパー銭湯と違って、待つところが無いのが少し難。
釧路(18:30)→厚岸(19:21) 【普通】
厚岸(22:37)→釧路(23:18) 【普通】
朝、昼とコンビニパンだったので、夕食はちょっとリッチに♪ということで、厚岸にある道の駅「コンキリエ」へ目指すことにする。こういうときに気軽に移動できるのが、「北海道フリーパス」のいいところ。
釧路(18:30)発の花咲線普通列車で厚岸を目指す。薄暗くなったローカル線を1両のディーゼルカーがコトコトと進む雰囲気は旅愁いっぱいだ。厚岸へは50分ほどで到着(19:21着)。
厚岸味覚ターミナル「コンキリエ」は、厚岸駅から10分ほど歩いたところにある道の駅。その2階にある「炭焼き 炙屋」は、厚岸名物のカキを初めとして、海産物を炭火で焼いて食べれるグルメスポット。駅からコンキリエまで、少し薄暗い道をテクテクと歩いていく。
釧路から厚岸まで乗ってきた列車
厚岸駅のホーム
コンキリエは小高い丘の上にある
厚岸味覚ターミナル「コンキリエ」
「炭焼き 炙屋」のシステムだが、店の入り口の海産物販売コーナーで自分の好きなモノを自由に選ぶ。そして、炭火焼コーナーで自由に焼いて食べるシステムだ。席料300円がかかるが、炭火代やカキの殻を開けるのに使う軍手やトレイ代を考えると、妥当といったところ。
海産物販売コーナーのラストオーダーは20時なので、ちょっと急いで選ぶ。ちなみに、炭火焼コーナーは21時までだ。
今回選んだメニューは、殻カキ(140円)×2個、サンマ(380円)、姫たら(100円)×2本、サーモン串(250円)、チーズソーセージ(180円)、フランクソーセージ(210円)、うどん(100円)、いも団子(60円)×2個、海鮮串(250円)、イカゲソ(60円)、ホタテ(250円)で、合計3300円。
他にも、ごはん(200円ぐらい)とサッポロクラッシック(580円)も注文したが、何にせよ、大阪と食べる海鮮と違って、めちゃくちゃ新鮮で臭みがない。そして、大きい。ここで食べると、大阪の居酒屋で食べるのがバガバカしくなる。
何よりも、おいしかったので殻カキ。たっぷりの汁と一緒に食べるカキはサイコーの味だった。しかし、残念なことながら、カキが大好物だったのにカキアレルギーになってしまった奥さんは、今回は辞退。厚岸のカキではおかしくなったことはなかったのだが、他の地域で食べたカキではヒット率が8割以上。まだまだ旅は続くので、今回は涙を飲んでガマン…。
僕たちのほかには、2組程度しか客入りはなく、ゆったりとすごすことができた。
ゆったりとした店内
カキ、いも団子、フランク、姫たら、サンマ…
ホッケに焼きうどんもおいしい!
21時の閉館にせかされるように、コンキリエを出ると、目の前には厚岸の夜景が広がっていた。
厚岸の夜景
例年ならば、この道の駅のトイレで歯を磨き、ゆっくりしていくところだが、最近物騒な事件も多い。薄暗い道の駅を早めに去り、駅のトイレで歯磨きをすることにした。
厚岸駅
駅から徒歩すぐにあるセイコーマートで買い物をしたり、待合室で時間をつぶした後、厚岸22:37発の快速「ノサップ号」で釧路へ戻る。車内の乗客は、僕たち夫婦の他に2〜3人程度。真っ暗闇の中、でっかい北海道の大自然を走り抜ける一両の小さなディーゼルカー。まるで日本ではないかのような錯覚さえ感じた。
釧路(23:30)→札幌(翌朝6:20) 【特急】まりも
釧路で23:30発の寝台特急「まりも」に乗り換える。この旅2度目の「まりも」。もちろん、B寝台だ。ちなみに、今回の旅では、あと2回お世話になる予定だ。朝早くから動いていたせいか、かなり眠かったので、乗車早々眠りについた。