夜行高速バスで行く呉・音戸弾丸旅行記

★★★新着公開(2015/5/28掲載)★★★
仕事で何かとストレスの溜まる日々。ストレス解消には、やはり旅が特効薬だ。娘は無事に1歳ちょっとになったものの、まだまだ落ち着かない日々が続く。そんな中、奥さんに何とか24時間の時間をもらい、夜行高速バスで広島の呉を訪れた、夜行バス車中泊の弾丸旅行記。

  
2日目 (2015年02月07日)
駅前の「ジョイフル」でモーニング♪

車内放送で目覚める。広島県内最初のバス停「西条駅」に定刻5:50に到着。意外に大半の乗客がここで下車する。その後、ほとんどのバス停は通過し、終着の呉駅には定刻7:19よりも早く7時過ぎに到着する。

呉駅に到着した「呉ドリーム大阪1号」

呉駅に到着した「呉ドリーム大阪1号」

まずは、身支度をするためにトイレへ。駅のトイレに行ったが、あまりキレイではないので、別のトイレを探す。ちなみ、関西圏では最近なくなったが、ここのトイレはトイレットペーハーが備え付けられていない。

少しウロウロしたのち、駅の南側にある複合商業施設「レクレ」のトイレを拝借して、コンタクトを付けたり、身支度をする。観光案内所もこの建物にあるが、あいにく朝が早く、まだオープンしていなかった。ちなみに、この時に偶然発見したのだが、このレクレの中には「大和温泉物語」というスーパー銭湯があるようで、夜行明けや夜行に乗る前にも重宝するだろう。ただ、今回は時間がないので、パス。

呉駅

呉駅

次に、朝食スポット探しだ。駅の中にロッテリアがあったが、朝からファーストフードもなんだか落ち着かない。北口のロータリーから大通りまで出てみると、ファミレスの「ジョイフル」を発見。最近、こういうファミレスでモーニングをやっていることが多いので、店の前に行ってみると、迷わず入る。

店内は喫煙席と禁煙席に分かれており、禁煙席エリアの窓側の広い4人掛けソファを陣取る。安いメニューは、300〜400円台からあるが、ここはちょっと奮発して、モーニングメニューで一番高い「サーモン丼と豚汁の朝定食」(税込639円)を注文。

その名のとおり、サーモン丼と豚汁がセットになっており、ドリンクバーも付いている。朝からちょっと贅沢だなと思ったけど、たまにはこんな優雅な朝があってもよいだろう。通学や通勤の人たちが多くなる呉の街並みを見ながら、料理が運ばれてくるのを待つ。

期待の料理は?というと、サーモン丼のサーモンはかなりしょぼかった。一方、豚汁はとっても美味だけど、レトルト感あふれる味だ。まぁ、しょせんはファミレスだし、この価格ならば、十分といえよう。食後はドリンクバーのコーヒーを飲みながら、駅でもらってきたパンフレットやスマホで、これからの旅のプランを練る。

ところで、このジョイフルだが、分煙はしているものの、喫煙エリアは完全密封されているわけでもなく、たいした仕切り壁もない。禁煙席にも多少の煙がなだれ込んでいるようで、少し服に臭いがついたのが残念だ。ちなみに、このジョイフルだけでなく、カフェの中でも比較的古い店は同じような店がある。一方、最近のカフェは喫煙席を空気清浄器や換気装置で完全に分離しているところもあるのだが・・・。

バスで「音戸大橋」を目指して・・・

呉(8:35)→音戸大橋上(9:02) 【バス】広電バス

これから向かう先は、旅に出ると決めた時から決めていた。その行先とは「音戸の瀬戸」。本土と倉橋島を結ぶ、風光明媚な小さな海峡だ。この海峡には、ループ状の上り坂がある橋がかかっており、その橋と海の組み合わせが独特の雰囲気を醸し出している。

そんな「音戸の瀬戸」を初めてしったのは、おそらく小学生か中学生の時だっただろうか。ガイドブック(国民宿舎ガイドだったかもしれない・・・?)で、その写真を見た時に「いつか訪れてみたい!」と思ったのだ。あれから20〜30年以上の時を経て、ようやくその日を迎えたのだ。

音戸の瀬戸へのアクセスは、呉駅からバスだ。バスの路線にも色々あり、音戸の瀬戸へ向かうには、大きく分けて3つの選択肢がある。一つ目は、本土側の橋の入り口まで山を登っていく見晴町行き。二つ目は、本土側の海岸沿いを走り、阿賀駅へ向かう路線。三つ目は、本土から音戸大橋を渡って倉橋島へ向かう路線だ。

今回、往路に選んだのは、一つ目の見晴町行きの路線だ。ひとまず、山の上(言い方を変えると橋の上)から眺めてみようという作戦だ。呉駅8:35発の見晴町行きの広電バスに乗る。

ICOCAをタッチして、一番後ろの席を陣取る。最近は、どこでもICOCAを始めとする交通系のICカードが使えるので、小銭を準備しなくていいのが便利だ。

適当に降りてみたバス停「音戸大橋上」

大型船のドックが見渡せる「歴史の見える丘」や潜水艦が見れる「アレイからすこじま」など、とっても景色の良い海沿いの道を走る。天気もよく、久しぶりの旅にワクワクしてくる。

歴史の見える丘

歴史の見える丘

アレイからすこじま(潜水艦がちょっとだけ頭を出してる)

アレイからすこじま(潜水艦がちょっとだけ頭を出してる)

バスは、引き続き、大きな工場や海を車窓に進んでいく。そして、目の前に大きな赤い橋(第二音戸大橋と音戸大橋)が見えてくると、バスは左折して、登り坂をどんどん登っていく。

さて、ここで問題。終点の見晴町までいくのか、それとも、その手前の音戸大橋上で下車するか・・・。ネットで軽く調べたが、音戸大橋へのバスでのアクセス情報はあまりなかった。そのため、終点までいっていいのか、それとも、いかにもそれっぽい名前の音戸大橋上バス停で降りるべきなのか・・・。

そんな迷いもあったが、「音戸大橋上」のアナウンスと共に、降車ボタンを勢いで押してみた。こんな冒険ができるのも、一人旅ならでは・・・。

音戸大橋が見えない「展望広場」

勢いで降車した「音戸大橋上」バス停だが、降りたところには橋もなく、というよりも、橋すら見えない。そして、バス停の向かい側にあるのは、なんだか小奇麗な建物が1軒だけ。建物の看板を見てみると、「音戸テラス汐音」という日帰り温泉施設。営業は10時からのようで、ひっそりとしている。

ここからどっちへ向かえばいいのか、さっぱり分からないが、とりあえず適当に歩いてみる。数分も歩かないうちに見えてきた建物。いかにも公共施設っぽい雰囲気だなと思っていると、やっぱり大当たりのようで、老人福祉センター「みはらし荘」だった。

老人福祉センター「みはらし荘」

老人福祉センター「みはらし荘」

みはらし荘の横には、ちょっとした公園というか広場がある。案内版によれば、「展望広場」だそうだ。ここから音戸大橋が一望できると思いきや、橋の姿は見えない。案内板の地図によれば、バス停から橋とは正反対の場所に来てしまったようだ。

展望広場からの眺め

展望広場からの眺め

時折、犬の散歩で歩いている年寄りの方をみかける程度で、人の姿がほとんどない。瀬戸内の海を眺めながら、ベンチでほっこりとした時間をすごす。

「音戸大橋」は一体どこに?

20〜30分ほど、まったりしただろうか、ぼちぼち肝心の橋を見に行くため、重い腰を上げることにする。

ひとまず、来た道を引き返し、「音戸大橋上」のバス停まで戻る。そして、すぐにT字路にぶつかり、音戸大橋は左折との看板が出ているので、素直に従う。そして、すぐに歩道がなくなり、車道を歩くにはとってもキケンな感じになってしまった。

「さて、どうしよう?」と悩んでいると、案内図を発見。どうやら、車道のすぐ脇に、遊歩道があるようで、そちらを歩くことにするが、入口がちょっと分かりにくく、ちょっと迷ったが、無事遊歩道に突入!

車道のすぐ脇の遊歩道は安全♪

車道のすぐ脇の遊歩道は安全♪

そのまま歩きやすい遊歩道を進むと、右手に橋が見えてくる。「これが音戸大橋か!?」と思いきや、地図で確認すると、音戸大橋のすぐ横に架かる「第二音戸大橋」だった。

歩きやすい遊歩道を進む

歩きやすい遊歩道を進む

「第二音戸大橋」

「第二音戸大橋」

念願の「音戸大橋」

遊歩道が途切れると、目の前に駐車場やレストラン、そして、肝心の「音戸大橋」が開けてくる。昔、ガイドブックで見た写真のとおり、橋までのらせん状のアプローチと赤い橋桁の組み合わせがとても良い。今回は季節はずれだが、つつじの時期はとってもキレイらしい。

ようやくたどりついた「音戸大橋」を眺めながら、しばしの間、ほっこりする。

らせんループと赤い橋桁がきれいな「音戸大橋」

らせんループと赤い橋桁がきれいな「音戸大橋」

渡ることができなかった「音戸大橋」

さて、念願の音戸大橋にたどりついたわけだが、やはり橋となれば、渡ってみたいと思うのが当たり前。

しかし、いざ橋を眺めてみると、歩道がない。そもそも歩行者が禁止されているのかどうか分からないが、仮に渡れたとしても、あまりにもキケンな感じだ。

そんなわけで、どうしたものかと悩んでいると、「音戸渡船」の看板を発見。橋の真下に渡し船があり、橋の向こう側へたどりつくことができるのだ。

「音戸渡船」の看板

「音戸渡船」の看板

このまま「音戸大橋上」のバス停まで戻って、バスで山を下ってもよいのだが、橋の真下にある「音戸渡船」の乗り場へ出る遊歩道(階段)があるので、帰りはこのルートをチョイスする。

橋は山の上の標高の高いところに架かっているが、健脚ならば10分もかからず、下りきることができる。

少し急な階段(遊歩道)を下る

少し急な階段(遊歩道)を下る

格安の渡し船「音戸渡船」

遊歩道を下りきったところにあるのが、音戸渡船の船乗り場。音戸渡船は、風光明媚な本州と倉橋島を挟む音戸の瀬戸をまたぐ渡し船だ。

船着き場は無人で、桟橋の上に立っていると、対岸から迎えに来てくれるシステムになっているようだ。しばし、桟橋に立ってみるが、一向に船はやってこず。急ぐ旅でもないので、桟橋のボロいベンチに座って、ほっこりしてみる。

本州側の「音戸渡船」乗り場

本州側の「音戸渡船」乗り場

しばらくして、待っていることに気づいてもらえたのか、小さな船が対岸からやってくる。見た目やサイズは、大阪の安治川の渡し船と同じような感じだ。乗客は僕1人だけ。貸し切り状態で船着き場を出港する。

狭い海峡の音戸の瀬戸は大小様々な船が行き交い、見ていてもあきない。左右に音戸大橋と第二音戸大橋を眺めながら、わずか3〜4分の船旅は終了し、倉橋島側の船着き場に到着する。

下船時に料金を支払うが、なんと格安の70円。ただ、大阪の安治川の渡し船は無料なので、それよりは高いけど・・・。

大小さまざまな船が行き交う

大小さまざまな船が行き交う

小さな船の上から橋を見上げる。

小さな船の上から橋を見上げる。

倉橋島側の渡船乗り場

倉橋島側の渡船乗り場

倉橋島散策♪

倉橋島に上陸したが、次はどうしたものかと悩む・・・。つまり、今回は適当というか、ほとんど計画もせずに旅に出ているのだ。これも、奥さん抜きの一人旅ならではの気楽さだ。仮に、行程がいまいちだったり、乗り継ぎなどで失敗しても、特に責められることもないわけで・・・。

そこで、駅でもらったパンフレットを眺めていると、すぐ近くに、おんど観光文化館「うずしお」や清盛塚などの観光スポットがあることが判明。渡船乗り場から音戸大橋をくぐり、数分で到着。

音戸大橋の真下にある清盛塚だが、平清盛の供養のために作られたものらしいが、歴史はあまり興味がないので、「ふ〜ん・・・」と思う程度だった。

海にせり出したところに建てられた「清盛塚」

海にせり出したところに建てられた「清盛塚」

清盛塚の正面にあるのが、おんど観光文化館「うずしお」。一階はお土産物屋さん、二階は無料のちょっとした展示コーナー、その上はレストランだ。たいして観光するポイントはないが、建物の前の駐車場で朝市が開催されており、地元産のレモンを購入。5個ぐらい入って100円とお買い得。大阪であれば、200〜300円はする。

おんど観光文化館「うずしお」

おんど観光文化館「うずしお」

バスで「音戸大橋」を渡る

音戸(10:48)→総監部前(11:06頃) 【バス】広電バス

渡船乗り場まで歩いて戻り、乗り場の目の前にある「音戸バス停」を10:48に出発する呉駅行きのバスに乗車。

バスは、ほどなくループ橋を登っていき、倉橋島から本土へ向かうために、音戸大橋を渡る。徒歩では渡ることはできなかったが、バスで念願の音戸大橋を渡る目標も達成できた。

音戸大橋を渡るバスの車内から・・・

音戸大橋を渡るバスの車内から・・・

さて、呉駅へ戻るバスに乗車したものの、その後の行程はその名のとおりノープラン。大和ミュージアムに行くという選択肢もあるが、すでにずいぶん昔に訪問済だ。バスに揺られながら、駅でもらったパンフレットを見つつ、しばしプラニングタイム♪

そこで、なんだか面白そうなパンフレットを発見。瀬戸内シーラインの「呉湾おさんぽクルーズ」だ。呉港から江田島(小用港)を往復するクルーズ。グルーズといっても、普通のフェリーで小用港で下船せずに、そのまま行って戻ってくるだけという、ある意味、暇人向けのプランだ。

小用港で下船できない代わりに、通常は往復780円のところ、500円になる特別プラン。日曜日の一部の便ではボランティアガイドによる観光案内があるそうだが、今日は土曜日なので残念。かなり歩き疲れたので、ほっこりと船旅気分を味わうためにも、このプランを採用することにした。

呉駅まで乗車して、呉港へ向かってもいいが、船の出港時刻をみると、かなりギリギリそうなので、手前の総監部前バス停で下車。ちなみに、後から気づいたのだが、清盛塚の目の前にあるバス停からも呉駅へ向かう別系統のバスが出ていたようで、それに気づいていたら、もう少し余裕があったかもしれない。

海上自衛隊の総監部

海上自衛隊の総監部

江田島まで「呉湾おさんぽクルーズ」

呉港(11:30)→小用港(11:50) 【フェリー】瀬戸内シーライン
小用港(11:55)→呉港(12:15) 【フェリー】瀬戸内シーライン

バスを降りて、足早に歩き、なんとか出港10分前に呉港へ到着。窓口で急いで「呉湾おさんぽクルーズ」のチケット(500円)を購入。窓口のおにいさんに「今日はボランティアガイドは乗船しないですが、いいですか?」と念押しされる。

呉港

呉港

「呉湾おさんぽクルーズ」のチケット(500円)

「呉湾おさんぽクルーズ」のチケット(500円)

急いで乗り場へ向かい、呉港11:30発の小用行きフェリーに乗船する。瀬戸内航路によくあるタイプのフェリーで、居住スペースは1フロアのみで、屋外デッキもないようだ。

瀬戸内シーライン 呉〜江田島航路

瀬戸内シーライン 呉〜江田島航路

造船の街なのか、ドックの大きなクレーンが見渡せる

造船の街なのか、ドックの大きなクレーンが見渡せる

小用まではわずか20分程度の船旅。小用港に到着。今回のおさんぽクルーズのチケットでは、船に留まったままで、一切下船はできない。その結果、僕以外の乗客は一斉に下船し、僕一人が船内に取り残される。

快適な貸し切り状態はわずか5分だけ。下船が完了すると、小用から呉へ向かう乗客がすぐに乗船してくる。

初めて見る江田島だが、今回は下船はおあずけ

初めて見る江田島だが、今回は下船はおあずけ

5分だけの貸し切り状態

5分だけの貸し切り状態

こうして、往復乗りっぱなしのわずか45分のミニクルーズを終え、呉港で下船。

無料なのに見応えがある「海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館」

正午を過ぎ、朝も早かったせいか、お腹が減ってきた。このままランチタイムといってもいいが、付近であまりよさげな店もない。

今回、呉を訪問して、音戸の瀬戸以外に行ってみたかったもう一つの観光スポットが「海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館」だ。メジャーどころの大和ミュージアムは、2006年に訪問済(タコづくし!「休暇村 大久野島」旅行記参照)。

その訪問した翌年にオープンしたのが「てつのくじら館」だ。個人的に自衛隊とか海軍といった類にはあまり興味がないのだが、観光スポットとして一度訪れてみたかった場所だ。呉港から歩いて数分のところにあるので、ランチ前に訪問してみる。

「海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館」

「海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館」

この史料館は、自衛隊の広報施設にもなっているようで、入館料は無料。入口付近から違和感を感じた。というのも、意外なことに、日本人ではなく、隣国の観光客も多いことだ。尖閣やら竹島やら、ややこしい問題がある中、彼らはどういう想いで訪れているのだろうか・・・?

無料だったり、広報施設だったりで、ほとんど期待していなかったが、この史料館はなかなかすごい。建物が潜水艦を模したものだなと外観から見ていたときは思っていたが、実はかつて動いていた本物の潜水艦を持ってきて展示しているのだ。

潜水艦での自衛官の一日の暮らしや食事などを紹介しており、非常に興味深く見学する。また、実際の潜水艦なので、隊員のベットなども展示されているが、これがまた相当狭いのだ。ちなみに、実際に寝てみることもできるようで、若い女の子連れが狭いベットに体を突っ込んで記念撮影していた。

船内には複雑な配管が並ぶ

船内には複雑な配管が並ぶ

狭いベットでは記念撮影もできる

狭いベットでは記念撮影もできる

船内のいくつかのスポットでは、案内係のおじさんが説明をしてくれるのだが、なぜか威圧的というか、学校の先生風でちょっと怖い・・・。現役の隊員さんかOBの方なんだろうか・・・。

とにもかくにも、予想外にも大満足で「てつのくじら館」を後にした。

ランチは呉グルメ「海軍カレー」♪

予想以上に見応えがあった「てつのくじら館」で時間を費やしたので、もうお腹はペコペコ。早速、ランチスポット探しにうつる。

手には呉グルメマップ的なパンフレットがあるのだが、どうもこの類のパンフレットからランチスポットを探すのは苦手だ。そもそも地図を見ながら歩くのもイヤだし、イザ行ってみると、なんとも入りにくそうな店だったりするからだ。特に、今回のような一人旅の場合はなおさらだ。

おまけに、こういったグルメマップで見つけた店は、「おいしい」という高いハードルが設けられてしまうからか、イザ行ってみると、「ん〜、なんだか期待しすぎたなぁ〜」となってしまう。それよりは、適当に歩いて見つけた店がおいしかったりすると、なんだかテンションが上がるものだ。

そんな期待を抱きつつ、線路を超えて、JRよりも北側の商店街などがあるエリアへ移動する。いくつかの店を物色するが、なかなかいい店がなく、30分ほど歩きまわっているところで、なんだかよさげなお店を発見。

本通り沿いにある「元祖海軍カレー てつのくじら」。選んだ理由は、とりあえず呉グルメと呼ばれるものを味わいたかったのと、入りやすそうな雰囲気だ。店内はガラガラで、手前のカウンター席ではなく、奥のテーブル席に通してもらう。

ちょっと変わったモノを食べたいので、「くじらカツカレーセット」(820円)を注文。まずは、ミニサラダとスープ(という名の味噌汁)が登場。そして、セットについてくるというパック入りの牛乳も出てくる。

まず、味噌汁・牛乳・ミニサラダ(食べてしまった後)が登場

まず、味噌汁・牛乳・ミニサラダ(食べてしまった後)が登場

そして、いよいよメインのくじらカツカレー。くじらカツは初めて。親や同じ歳の奥さんは給食で出たというが、記憶のある限り、食べた記憶はない。親の世代ならわかるが、奥さんは年齢詐称してるんじゃないだろーか?

正直、くじらカツの味は可もなく不可もなくだが、カレーは野菜がゴロゴロ入っていて、なんだか家庭的なやさしい味。個人的にはかなり気に入った。ボリュームも満点でお腹いっぱい。お値段もお手頃価格で、大満足でお店を後にした。

メインの「くじらカツカレー」

メインの「くじらカツカレー」

気になっていた「入船山記念館」

お腹もいっぱいになって、ちょっと歩いてみたくなったので、入船山記念館(旧呉鎮守府指令長官官舎)まで歩いてみることにする。というのも、呉を紹介するガイドブックには必ず登場する観光スポットで気になったからだ。

入船山というからには、山の上にあると想像していたが、実際は山というほどもない小高い丘(坂道の上)にあった。入館して見学したいところだが、あいにく時間がないので、門のところで引き返し、呉駅へ向かう。

入船山記念館の入口

入船山記念館の入口

「瀬戸内マリんビュー」で呉から広島へ

呉(15:27)→広島(16:07) 【快速】瀬戸内マリンビュー

24時間シンデレラの旅も、後は家路につくのみ。コインロッカーから荷物を出し、呉駅の改札口を通る。

15:14発の広島駅へ向かう電車に乗る予定だったが、ちょうどホームにその電車の通過を待っているリゾートトレイン「瀬戸内マリンビュー」が停車していた。15:14発はロングシートの普通の車両で面白味がないので、呉15:19発の快速「瀬戸内マリンビュー」に乗車する。

いわゆる最近流行っている観光列車の類のもので、2両編成。1両は指定席、残り1両は自由席だ。指定席の方はかなり凝った車内の造りになっているが、自由席は内装こそ少し変わっているが、座席は一般的なクロスシートとロングシートが混ざっている。

今回は事前に指定席を確保していないので、自由席のロングシートに座る。車内は混雑していることもあり、あまり観光気分といった感じではない。およそ50分弱で広島駅に到着(16:07着)。

観光列車「瀬戸内マリンビュー」

観光列車「瀬戸内マリンビュー」

「山陽道昼特急広島8号」で広島から大阪へ

広島駅新幹線口(16:45)→大阪駅JR高速BT(21:55) 【バス】山陽道昼特急広島8号

広島から大阪へは、JR高速バスで一直線で帰る予定だ。バスの出発時刻まで40分弱しかない。奥さんへの土産を買おうと広島駅構内をウロウロしてみるが、工事中のためか、ほとんどのお店が閉まっている状態で、なかなかいいモノが見つからない。あきらめて、途中休憩のサービスエリアで調達することにする。

帰りのバスは、広島駅新幹線口16:45発のJRバス「山陽道昼特急広島8号」だ。バスの出る新幹線口はちょうど工事中のようで、バス乗り場も仮設のせいか、バス停がポツンとあるような感じで、雨が降ろうものなら、大変そうだ。

広島駅新幹線口

広島駅新幹線口

出発間際にやってきたバスは、二階建てのダブルデッカー車。今回は二階席の後ろから2列目の窓側を座席指定しておいた。料金はネット割が適用されて、4950円となかなか格安。

座席は3列独立シートでフットレストも付いている。途中のバス停で多少の乗客を乗せたが、座席は3割が埋まる程度。1階席は乗客がいないため、閉鎖となっていた。

3列独立シートの「山陽道昼特急広島8号」

3列独立シートの「山陽道昼特急広島8号」

バスは快調に進み、福山サービスエリアで休憩タイム。この先、大阪に到着するまでにもう一箇所ほどトイレ休憩があるが、既に店は閉まっているため、ここで夕食を確保した方がいいとの案内が入る。

マクドもあるサービスエリアだが、さすがに臭いのきついハンバーガーを持って、バス車内に戻るわけにもいかないので、残り少なくなっていた「カツサンド寿司」を購入する。そして、奥さんへのお土産に、塩レモンとはっさく大福(家に帰ってたべたが、これが絶品!)も調達し、バスへ戻る。

土産物や飲食店が充実した「福山サービスエリア」

土産物や飲食店が充実した「福山サービスエリア」

サービスエリアに停車中の「山陽道昼特急広島8号」

サービスエリアに停車中の「山陽道昼特急広島8号」

「カツサンド寿司」(906円)

「カツサンド寿司」(906円)

後は、まどろみつつ、バス旅を満喫。スマホをいじったり、ウトウトしたりするうちに、気が付けば、バスは大阪市内に入っていた。そして、ほぼ定刻の21:55に大阪駅高速バスターミナルに到着。

こうして、24時間の気楽なシンデレラ一人旅(男だけど・・・)は幕を閉じた。

(終わり)


[旅行記に出てくる地域近辺の宿かも?]