旅の最終日、そして、3日間有効のSUNQパスも今日が最終日。
今回の宿泊プランは朝食付き。このホテルの朝食は、熊本の郷土料理も並び、なかなか評判らしい。そんなわけで、ワクワクしながら、2Fにある朝食会場「ガーデンカフェ」へ。
朝食会場は2Fのガーデンカフェ
お腹いっぱい食べれるバイキング方式で、熊本の郷土料理だけでなく、九州の郷土料理が並ぶ。だご汁・辛子レンコン・いきなり団子・田楽・さつま揚げなど、どれもおいしそうだ。また、郷土料理だけでなく、かぼちゃコロッケ・揚げパン・グラタンといった、こってりメニューも並ぶ。
定価は1100円だそうで、別料金を払ってでも、食べてみる価値のある朝食だ。今日は、ゆっくり出発なので、まったりと朝食を楽しむ。
オススメは、いきなり団子と辛子レンコン
朝食を食べた後、チェックアウトを済ませる。大きな荷物をフロントで預かってもらい、熊本城まで散策。
実は、熊本城の城下までやってきたのは、今回の旅で2度目。
前回は2002年の大みそかに訪れた。その頃、全日空が1日飛行機乗り放題1万円という企画をやっており、翌日の元旦は、熊本→伊丹→那覇→伊丹を日帰りでこなす日程だった。そのため、早朝の便に乗る必要があり、大みそかの熊本城カウントダウンは泣く泣く断念したのだ。
「今度こそリベンジで熊本城を制覇するぞ!」と思ったが、今日の目的地である島原を目指すバスの時間を考えると、時間的に厳しい。そんなわけで、今回も城には入らず、目の前で泣く泣く引き返すことになった。
今回も熊本城を目の前にして引き返す
熊本城からホテルへ引き返す途中で偶然見つけた「桜の小路」。土産物屋やレストランが集まった、最近の城下町観光地にありがちな観光スポット。
残念なのは、9時のオープン前だったため、お店が開店準備で入れなかったこと。城も入れなかったので、熊本は再び訪れる理由ができた。
オープン前でガラガラの「桜の小路」
ここにもやっぱり「くまモン」
熊本交通センター(10:17)→熊本港(10:48) 【バス】熊本港シャトルバス(産交バス)
ホテルで荷物をピックアップした後は、熊本交通センターへ。九州一の発着本数を誇る交通センターは、約30ちかくの乗り場を持つ巨大バスターミナルだ。
熊本交通センター
約30近い乗り場がある
たくさんの乗り場に少し迷いつつ、10:17発の熊本港シャトルバスに乗車する。途中の熊本駅でも数人の乗客を乗せたものの、ガラガラのバスは田園風景や住宅街を駆け抜ける。バスの座席がちょっと変わっていて、路線バスのくせに、サロン風に向かい合わせになっているのが面白い。
変わった座席配置のバス
田園風景をバスは走る
熊本港へ到着した「熊本港シャトルバス」
熊本港(11:10)→島原外港(11:40) 【フェリー】熊本フェリー「オーシャンアロー」
港へやってきたということで、次に乗るのはもちろん船。ここ熊本港から島原港へ向かう熊本フェリー「オーシャンアロー」に乗船するのだ。
この3日間お世話になった、九州のバス乗り放題きっぷ「SUNQパス」の役目はここで終わり。
と、思いきや、実は万能な「SUNQパス」で、この「オーシャンアロー」にも乗船できてしまうのだ。乗り継ぎ時間は約20分と短い。急いで、乗船窓口で「SUNQパス」を提示し、乗船券を受け取る。ホント、素晴らしいパスだ。
熊本港
「SUNQパス」を提示して、乗船券を受け取る
「オーシャンアロー」の冠についている「高速カーフェリー」という名のとおり、双胴型の大きな船体は、車も乗せられるにもかかわらず航海速力30ノットを誇る。熊本〜島原間を従来のフェリーの約半分、30分で結ぶ。
熊本港に停泊する「オーシャンアロー」
船内は、イス席・ソファ席など、様々な席があり、デザインも凝っている。乗船してすぐは選び放題だった座席だが、出発間際には、ほぼ満席状態になる盛況ぶり。
オシャレなイス席
窓際のカウンタータイプの席
寝転がれる(?)ソファ席
オーシャンフロー3便は、熊本港を11:10に出航。高速船ながら、広いデッキに出れるようになっている。追走してくるカモメ(ウミネコ?)にかっぱえびぜんをあげる子供たちもいる。
熊本港を出てすぐ、ゆく先を見やれば、すでに島原が見えている。熊本と長崎はJRで考えると、すごく遠い印象があるが、海を飛び越えれば、すぐ近くなのだ。
広々としたデッキ
すぐ近くに島原は見えている
追走するカモメ(ウミネコ?)
乗船時間は30分ほど。ほどなく、雲仙岳が迫ってきて、島原外港へ到着(11:40着)。
堂々とした雲仙岳が迫ってくる
島原外港
島原外港(12:05)→島原(12:15) 【バス】島鉄バス
これから向かう先は、島原城。外港からは少し距離があるので、3分遅れでやってきた、12:02発の島鉄バスで、最寄り駅の島原駅へ移動する。
島原駅
駅から歩くこと、5分少し、島原城が見えてくる。時間はちょうどお昼どき。城は後回しにして、商店街へ。お昼ご飯を求めて、街中を歩く。しかし、見事な閑散ぶりだ。いわゆる、地方の廃れた商店街といった感じ。
商店街入り口アーケード
閑散とした商店街
ガイドブックや観光パンフレットを見てみると、島原は城だけではなく、「鯉の泳ぐまち」がウリのようだ。確かに清らかな川に鯉が泳いでいるわけだが、非常に狭い一部エリアのみ。奥さんがボソッとつぶやく、「これだけ・・・?」。
「鯉が泳ぐまち」がウリの島原
清らかな水路に鯉が泳いでいる
鯉が泳ぐ水路から少し歩くと、古風な一軒家「四明荘」がある。説明を見ると、国の記念物に指定されている建物だそうで、立派な庭園が併設されている。
市が管理していて、入場無料みたいなので、中に入ってみる。女性のスタッフの方が出迎えてくれて、お茶を出してくれる。縁側に座り、庭園を眺めながら、お茶で一服。こういった旅人へのおもてなしは、何気なく嬉しいものだ。
古風な一軒家「四明荘」
縁側で庭園を眺めながら一服♪
話を聞いてみると、2軒となりの「しまばら湧水館」で「かんざらし」の手作り体験が無料でできるそうだ。「かんざらし」とは、島原に伝わる白玉団子のようなデザート。
奥さんが目を輝かしたので行ってみる。しかし、先客がいるようで、30分待ちだとか・・・。
昼食や観光の時間、空港へ向かうバスの時刻を考えると、時間的に厳しい。そんなわけで、今回は泣く泣く諦めることにする。
「しまばら湧水館」
鯉のまちというだけに、島原は水がキレイなのだ。町中に湧き水のスポットがあり、喉を潤すことができる。
街中に湧き水スポットがある
街中をプラプラとしたものの、「これだ!」といったランチスポットもないので、島原城を目指す。少しきつい坂道をヒーヒー言いながら登り切る。
島原城へ続く上り坂
天守閣の前に売店併設の食堂を発見。ここで、少し遅い昼食タイムとする。
あまり期待せずに入った食堂だったが、そこで見つけたヘンテコな名前のメニュー、それは「六兵衛」。一見すると、うどんだ。しかし、よく見ると麺が白くない。島原の郷土料理だそうで、サツマイモ粉をつなぎの長イモで麺にしたものだとか。
サツマイモを使っているだけに少し甘く、麺はうどんと比べてポロポロとちぎれていく。不思議な食べ物だった。
天守閣前の食堂
島原名物「六兵衛」(500円)
入城料(520円)を払って、天守閣へ入る。場所柄、キリシタン関連の展示物が多い。そして、天守閣の一番上まで登ると、目の前には海、そして、後ろには雲仙岳かそびえたっている。
目の前には海
そして、後ろには雄大な雲仙岳
昼食がかなりヘルシーだったせいか、お腹が減ってきたので、「とら巻き」(300円)を買う。餡をカステラ生地で巻いてあり、さらにザラメ砂糖が付いたものだ。奥さんと半分こにして、ガッツリ食べる。きっとすごいカロリーなんだろうな・・・。
売店で買った「とら巻」(300円)
入城券で、「観光復興記念館」「西望記念館」も入ることができるが、今回は残念ながら、時間切れなので、見学はぼ素通り状態の駆け足で見学。
「観光復興記念館」
空港へ向かうバスの時刻が迫ってきたので、お城を後にして、駅へ向かう。
島原城を後にする
島原(15:33)→長崎空港(17:18) 【バス】島鉄バス (空港線特急)
島原15:33発の空港線特急バスで長崎空港へ。一昨日、佐世保を出発して始まった、SUNQパスの旅。このバスが最終ランナーだ。
空港バスだけに、観光バスタイプの車両だが、長時間乗車なのにトイレなし、さらに普通の路線バス並みに停留所に停車する。バスは眺めのよい海沿い道を走り、約2時間弱で長崎空港へ到着(17:18着)。
ここで3日間にわたる「SUNQパスの旅」は終了だ。
長崎空港に到着
大阪到着後の夕食となると、かなり遅くなってしまうため、長崎空港で済ませることにする。
空港の食事というのは、どの空港でもいまいちなものだ。そんな中から一番マシそうかなと選んだのが、長崎ちゃんぽんの「牡丹」。ノーマルな「長崎ちゃんぽん」(1000円)を注文。ちなみに、往路の飛行機でもらったJALのクーポン冊子を提示したので、50円引きの950円。
さて、お味の方は・・・いたってのノーマルなちゃんぽんでした。
空港内にある「牡丹」の長崎ちゃんぽん(1000→950円)
JALのクーポンBook
ところで、このJALのクーポン冊子だが、割引を受けると、スタンプを1つ押してもらえる。そして、スタンプを3つ集めて、空港内のBlue Sky(売店)で買い物をすると、もれなく長崎グルメがもらえちゃうのだ。
今回は、佐世保のビックマン・草千里の昼食・牡丹で割引を受けたので、3つのスタンプが集まっている。そんなわけで、抽選の条件を満たすため、Blue Skyで「長崎サブレ」(3枚入り105円)と「ポテトチップス博多明太子味」を購入。
「長崎サブレ」(3枚入り105円)
「ポテトチップス博多明太子味」
そして、抽選結果は・・・?
ナント、A賞からD賞まである中で、一番高そうな「びわゼリー」が当たったのだ。5個入りのびわゼリーは、1300円相当のものだ。
ナント、「びわゼリー」をゲット♪
小さなビワの実がまるごと入ったゼリー
長崎空港(19:15)→伊丹空港(20:30) 【飛行機】JAL2378便
ぴわゼリーをゲットして、大満足。ウキウキしながら、展望デッキへ。長崎空港の展望デッキは無料だ。
長崎空港の展望デッキ
夕焼けがキレイだ♪
後は、大阪へ帰るだけ。旅の終わりは、いつも憂鬱だ。長崎空港19:15発の日本航空JAL2378便に乗り、日常へ舞い戻り、5日間に渡る北部九州旅行は幕を閉じた。
伊丹空港に到着したJAL2378便
今回の旅の目的の一つ、それは以前からずっと気になっていた「SUNQパス」でバス旅をすること。
この度(旅)、ようやく念願をかなえることができました。都市部の均一料金はさておき、田舎のバスは、どんどん料金表の値段が上がっていきます。そんな中、このパスは自由きままにバスに乗れちゃうということで、本当に魔法のようなパスでした。
ところで、仮にSUNQパスを使っていなければ・・・ということで、計算してみました。
(本旅行記執筆時 2013/8現在の運賃をもとにしています)
SUNQパス利用日 | バス会社・名称 | 区間 | 運賃 |
1日目 | させぼ号 | 佐世保BC ⇒ 高速基山 | 1950円 |
とよのくに号 | 高速基山⇒大分トキハ前 | 3100円 | |
大分交通 | 大分トキハ前⇒高崎山 | 400円 | |
大分交通 | 高崎山⇒別府北浜 | 230円 | |
亀の井バス | 別府北浜⇒鉄輪 | 330円 | |
亀の井バス | 鉄輪⇒別府駅 | 330円 | |
2日目 | 九州横断バス | 別府駅前 ⇒ 阿蘇山西駅 | 3450円 |
九州横断バス | 阿蘇山西駅 ⇒ 草千里 | 140円 | |
九州産交バス | 阿蘇山西駅 ⇒ 阿蘇駅 | 540円 | |
やまびこ号 | 阿蘇駅 ⇒ 熊本交通センター | 1220円 | |
3日目 | 熊本港シャトルバス | 熊本交通センター ⇒ 熊本港 | 480円 |
熊本フェリー「オーシャンアロー」 | 熊本港 ⇒ 島原外港 | 800円 | |
島鉄バス | 島原外港 ⇒ 島原駅 | 170円 | |
島鉄バス(空港線特急) | 島原駅 ⇒ 長崎空港 | 1700円 | |
合計 | 14840円 |
今回乗車したバスの数は、合計14本。そして、仮にパスを購入していなかった場合の運賃は、14840円。発売額が8000円なので、約7000円は得したことになります。ただ、1.85倍と2倍には届かず。
以前利用した、伊勢志摩の「まわりゃんせ」の約4倍(「まわりゃんせ」でめぐる伊勢志摩旅行記参照)と比較すると、いまいちな結果。率直な感想としては、「意外と乗れなかったな・・・」といったところです。
次に、今回の2つ目の目的である、HIS傘下になったハウステンボスへの再訪。今まで幾度も訪れたハウステンホスですが、今回の再訪では、嬉しさと悲しさの両方を感じました。
嬉しさといえば、以前と比べてだいぶん活気に満ちていたこと。以前は本物のゴーストタウンでしたが、だいぶんにぎやかになったように感じました。
一方、悲しさといえば、当初のハウステンボスらしさがどんどん失われていたことです。少なくとも、オランダというコンセプトはことごとく駆逐され、俗的なものがどんどん流れこみ、雑多、雑然という言葉が合うような気がします。
総合して言えば、「悲しさ > 嬉しさ」です。あくまでも個人的な好みによるものですが、今後はハウステンボスへ行くことは無くなる、もしくは、少なくなるかと思います。その理由は、個人的にハウステンボスに求めていたものが消え去ってしまったからでしょう。
ちょっとマイナスな話ばっかりになってしまいましたが、ハウステンボスに代わるお気に入りスポットを見つけるべく、次の旅に出たいと思います。
(終わり)