眼下に長崎の街並みを眺め、気持ちよく目覚める。今日の天気は、やや曇り。しかし、雨が降ることはなさそうだ。
稲佐山方面を望む
朝食は、昨日の夕食と同じ、地下の宴会場。バイキング形式だ。メニューに明太子があるところが九州らしい。煮物やさつま揚げなど、手作り感のあるメニューが並ぶ。
バス酔いしやすい奥さん、駅まで送ってもらう送迎バスに乗ることを考え、大好きなクロワッサンを1個だけにしておく。ちなみに、とっても美味なクロワッサンだったらしい。
手作り感のある朝食バイキング
にっしょうかん新館梅松鶴(9:00)→長崎駅 【バス】ホテル送迎バス
長崎駅前→築町 【路面電車】長崎電気軌道
築町→大浦天主堂下 【路面電車】長崎電気軌道
快適なホテルに別れを告げ、名残惜しみつつ、9:00の送迎バスで長崎駅まで送ってもらう。このホテルは、是非とも再び訪れたい。
山を下り、長崎駅到着
今日のメインイベントは、昼からの軍艦島クルーズ。そこで、午前中は、長崎市内を観光する。
路面電車に乗り、昨日訪れたグラバー園近くの大浦天主堂下電停へ向かう。長崎駅前から行く場合、途中の築町電停で乗り換えるが、長崎スマートカードを使えば、乗り継ぎ券をもらわなくても、自動的に通しで100円になる。便利なカードだ。
グラバー園は昨日入園済みなので、電停からグラバー園にかけての坂道に並ぶお土産物屋さん街をブラブラする。
電停からグラバー園に続く風情ある坂道
どんなご利益があるのか分からない「カステラ神社」
「赤い糸」のロケ地になったガラス細工のお店
港には、大きな客船が来ていた
長崎といえば、カステラ。カステラの有名なブラントといえば「文明堂」や「福砂屋」などがある。もちろん、どちらのブランドもおいしいのだが、最近では大阪や京都のデパートにいけば、いつでも買えてしまう。
せっかく長崎に来たのならば、長崎に来ないと買えないカステラを買いたいところ。そこで、長崎に来た時にいつも訪れるのが、大浦天主堂下電停近くにある「長崎堂」(デパートなどに同名のブランドもあるが、別モノ!)。
中学時代に長崎を訪れた際に、偶然立ち寄ったお店で、長崎へ来る度に立ち寄っている。長崎カステラ特有の砂糖のざらめが美味。
長崎天主堂下にある「長崎堂」
少しケチって、入場料の必要な大浦天主堂の中へは入らず階段下から眺めただけで、中国歴史博物館「孔子廟」へ歩いて向かう。ここはケチらず、入館料600円を払って、入館する。
めちゃくちゃ派手な赤、赤、赤…。中国特有のギトギトしい色づかいに新鮮さと珍しさを感じる。
真っ赤な装飾の中国歴史博物館「孔子廟」
建物の奥には中国に関する博物館
奥には中国に関する博物館があるのだが、ぶっちゃけ展示物の価値がよく分からない…。中国の興味のある人ならともかく、一般人には博物館の展示よりは、この特有の雰囲気を楽しむのがオススメ。
博物館を後にして、オランダ坂を散策。ここオランダ坂は、長崎さを一番感じれる観光スポットの一つかもしれない。周辺には、女子大や高校もあり、こんな素敵な場所に学校があるなんて、ちょっと羨ましい!
長崎らしさを感じる「オランダ坂」
周りに住宅も多く、オランダ坂は生活に溶け込んでいる
すぐ隣には「活水女子大学」がある
オランダ坂の途中には、「東山手十二番館」と呼ばれる、元領事館の建物があり、無料で入れる。長崎の街を見渡せることもでき、ここでちょっと休憩。
オランダ坂の途中にある「東山手十二番館」
異国情緒が漂う洋館
オランダ坂を下り、少し歩いて、長崎中華街へ。大浦天主堂から中華街まで普通に歩くと、ちょっと距離があるのだが、色々な名所や観光スポットを見ながら歩いているので、苦痛にならない。
このあたりから奥さんにちょっと異変が…。ちょっと気持ち悪くなったらしく、・・・(以下省略)。原因は、どうやら昨夜のバイキングの料理で出た、何かのオイスターソース炒め。数年前から大好物のカキなのに、どうもアレルギーが出てしまうのだ。今回はソースなので大丈夫と油断したようだけど、ダメだったようで…。
というわけで、せっかくの中華街だけど、何も食べず、見学のみ。どっちにしても、朝のバイキングでお腹いっぱい食べたので、あまりお腹が空いてなかった。
長崎中華街
こじんまりしていて、神戸の中華街と似ている感じ?
中華街からさらに歩き、「出島」へ。鎖国時代に唯一の外国交流の拠点となった出島。実際に出島があった場所に、当時の出島が再現されている。入場料500円だが、昨日購入した「長崎観光さんきゅうパスポート」の入場できる3施設のうち、1施設分が残っていたので、パスポートで入場。
これで、パスポートを使い切った。1000円のパスポート代金に対して、「長崎ペンギン博物館」(500円)+出島(500円)+グラバー園(600円)を使ったので、600円も得した計算だ。
出島の中にあるミニチュア出島
川に囲まれた出島
当時の建物も再現されている
かなりみごたえのある内容だが、クルーズの出航時刻が迫ってきていたので、急いで長崎港ターミナルへ向かう。ちょっと残念…。
山の上にあるのが「にっしょうかん」(長崎港へ行く途中で)
長崎港ターミナル(13:30)→長崎港ターミナル(15:20) 【遊覧船】軍艦島クルーズ
いよいよ、本日のメインデッシュ「軍艦島クルーズ」。軍艦島の本名は、端島。かつて海底炭鉱の島として栄えた島だ。鉄筋コンクリートの高層アパートなどが立ち並ぶ様子から、当時の繁栄が相当なものであったことが偲ばれる。
現在では、炭鉱は閉鎖、そして無人島となり、廃墟化してしまった。しかし、その圧倒的な容姿から最近では産業遺産として注目され、さらには、観光に生かすべく進められている。
今回は、そんな軍艦島を船から見学しようというクルーズに参加するのだ。1日2便運航されるが、15名以上の予約が入らないと運航しない。そこで、前日の夕方に電話したところ、午前便は集客中だが、午後便は運航が決定しているとのことで、予約しておいた。
お値段は、3300円。長崎港ターミナルのやまさ海運窓口で名前を伝え、乗船券を購入する。そして、奥さんは体調がおもわしくないので、港の売店で僕だけおにぎりを買って腹ごしらえ。
長崎港ターミナル
売店で買ったおにぎり
いよいよ出港。13:30発の198名乗りの遊覧船「マルベージャ1」に乗船する。
今回お世話になる「マルベージャ1」
出航してしばらくは、長崎港めぐり。海の上から長崎の街を360度見渡すと、稲佐山、三菱ドックの工場、停泊中の大型客船など、見所いっぱいた。
長崎港を出航!
稲佐山もバッチリ見える
停泊中の大型客船、一度は乗ってみたい
三菱ドックの工場
長崎港の出口となるのが、女神大橋。遊覧船は、この大きな橋の下をくぐり抜けていく。
長崎港のシンボル「女神大橋」をくぐる
女神大橋をくぐりぬけたあたりから、波が少し高くなり、船が揺れる。船はグングン進み、右側にマリア像や伊王島など、見所が続く。
教会がある伊王島
建設中の伊王島大橋
右手に高島を見て、しばらく進むと、いよいよ軍艦島の登場だ!
いよいよ軍艦島へ
軍艦島を一目みた印象としては、まさしく海に浮かぶ要塞。海の上にどーんとそびえたつ様子は、確かに軍艦のようだ。
船内放送では、軍艦島に関する解説があったが、最も栄えた頃には、この小さな島に相当数の人が住み、人口密度はすごかったそうだ。
まさしく廃墟だ
大久野島の毒ガス工場跡を思い出させる
当時の街並みを想像してしまう
こんな島をみれば、是非上陸してみたいところが、建物崩壊の危険性があるため、上陸は禁止されている。
しかしながら、産業遺産として、さらには、観光資源として見直しがされており、近々上陸できるように整備されているようだ。この日もブルトーザーに乗った作業員がせっせと働いていた。上陸できるようになつたら、再び訪れてみたい。
※僕たちが旅をした約1か月後の2009年4月22日より、上陸が解禁された
110分の遊覧を終え、出港した長崎港ターミナルへ戻ってきた。
今回の旅のメインディッシュである「軍艦島クルーズ」も終わったので、後は帰るのみ。長崎港ターミナルから長崎駅前まで歩いたが、意外と近かった。
空港に行くには少し早かったので、駅から坂道を5分ほど上ったところにある「日本二十六聖人殉教地跡」へ。
「日本二十六聖人殉教地跡とは何ぞや?」を知るために、記念館に入ろうとしたが、あいにく閉館間際。どんなものなのか、興味深いものがあったが、またの機会に訪れることにする。
日本二十六聖人殉教地跡
ここから山の上を見上げると、にっしょうかんが見えていた
長崎駅前(17:10)→長崎空港(17:54) 【バス】空港リムジンバス
長崎空港(19:20)→伊丹空港(20:25) 【飛行機】JAL 2378便
長崎駅前17:10発の空港リムジンバスで長崎空港へ。どの旅でもそうなのだが、帰路の空港へ向かう瞬間、旅の終わりを感じ、とても寂しい気分となる。
長崎空港は幾度が利用しているが、いつも乗継時間が少なく、ドタバタしているので、ゆっくり見たことがない。今回は展望デッキやお土産物屋さんをじっくりと見て回る。
長崎空港特製「巨大ちゃんぽん」
長崎空港の展望デッキ
夕暮れの空港は幻想的だ!
僕たちを乗せた、長崎空港19:20発のJAL2378便は伊丹空港に向けて離陸し、一路大阪を目指す。今回の旅、前半は天候に恵まれなかったものの、ハウステンボスをはじめ長崎市内や軍艦島を楽しめ、とても充実した旅だった。
伊丹空港に到着したJAL2378便
(終わり)