朝食は、ホテル1Fロビーの軽食コーナーで。どこのビジネスホテルでもありがちなパンとドリンクの軽食メニューであるが、ここのホテルはちょっと変わっている。単なるパンではなく、地元で人気(らしい)パン屋「ミッシュ」の焼きたてパン。
数種類のパンの中でオススメはコーンパン。もちもちした食感のパンはサイコー。メロンパンやクロワッサンもとてもおいしかった。ドリンク類は紙コップ式自動販売機が押し放題、飲み放題。自動販売機は、ジュースやコーヒーだけでなく、コーンスープもある。その他、サラダやゆで卵もついており、この朝食で考えると、コストパフォーマンスは抜群によい。もちろん宿泊料金に含まれている。
地元で人気の朝食パン
福山(7:46)→尾道(8:06) 【JR普通】
尾道港(8:43)→瀬戸田(9:22) 【高速船】瀬戸田運航
今日も天候良好。まさしく、サイクリング日和。JRの普通電車で福山からしまなみ海道の起点となる尾道へ移動する。
しまなみ海道は、尾道〜今治のいくつかの島々を橋で結んでいる。本来ならば、広島県側の起点となる尾道からサイクリングしたいところ。しかし、1日で愛媛県側へ抜けるのは、サイクリングにいまいち気が進まない奥さんの意見もあって却下。以前、尾道から途中の生口島(瀬戸田)までサイクリングした時のしんどさが、トラウマになっているようだ。
今回は前回の続き、つまり後編ということにして、瀬戸田から今治を目指す。そこで、尾道から瀬戸田までワープしないといけないが、直通でいけるバスがない。ならばということで登場するのが、海路。尾道〜瀬戸田間は瀬戸田運航という会社が高速船を運航している。
駅前の桟橋を8:43に出る高速船で瀬戸田を目指す。高速船は小さな船でお世辞ににもキレイとはいいがたく、乗り心地もよくない。しかし、これからの戦いに備えて、船内で夫婦そろって爆睡…
尾道港
瀬戸田運航の高速船
瀬戸田港に到着。港からサイクリングステーション「瀬戸田町観光案内所」を目指す。観光案内所は耕山寺の近くにあり、港から徒歩10分程度。
瀬戸田港
サイクリングステーション「瀬戸田観光案内所」
しまなみ海道沿いには、いくつものサイクリングステーションがあり、とこでもレンタサイクルすることができる。料金は1日500円。便利なことに、自転車は尾道から今治間のどのサイクリングステーションでも乗り捨てすることができ、その場合は保証金1000円が返ってこないため、実質乗り捨て料金は1000円、レンタル料含め1500円ということになる。
メインとなる尾道や今治のサイクリングステーションならともかく、途中地点のサイクリングステーションは自転車台数がそれほど多くないとウェブに記載されていたので、不安だったが、朝も早かったのか自転車はたくさんあり、好きな自転車を選ぶことができた。
カラフルな自転車
事前にウェブで調べたところ、愛媛県側今治のサイクリングステーションは「サンライズ糸山」しかない。困ったことに「サンライズ糸山」で自転車を返却した後の今治駅までの交通アクセスがすこぶる悪いのだ。しかし、観光案内所のおばちゃんに今治で返却する予定だと伝えると、一枚の紙をくれた。その紙によると、JR今治駅・今治市役所・今治港でも自転車を返却(乗り捨て)できるとのこと。今宵の宿は今治港周辺で予約していたので、今日は今治港を目指すことにする。
追い風に勢いを付け、海岸沿いを快調に走る。天気も良好、景色も良好。整備された歩道(自転車兼用)がついており、非常に走りやすい。
天気も良好、景色も良好♪
迷わないようにこんな案内もある
出発から20分弱で、サイクリングステーション「サンセットビーチ」に到着するが、まだ走り出して間もなく、疲れも全くないので、通過。
サンセットビーチ
さらに、10分弱走ると、多々羅大橋が見えてくる。ここからが少し難関。橋はここだけに限らず、だいたい標高が高いところに架けられている。つまり、橋を渡る前には必ず上り坂があるのだ。しかし、しまなみ海道の各橋は自転車や歩行者を前提として、自転車・徒歩専用道が用意されており、自転車を降りて押さなくてもいい程度の勾配になっている。だけど、日頃から運動していないと、自転車を押すハメになるかも???
多々羅大橋 自転車・歩行者専用道入口
専用道はなだらかな勾配
そして、多々羅大橋がよく見渡せる休憩所のベンチでちょっと一休み。そして、写真撮影。
休憩所で橋の写真撮影
いよいよ、橋の付け根に到着。徒歩は無料だが、自転車は100円。料金所の無人収納箱にお賽銭のごとく入れる。無機質な音声案内が金を払えとしつこいアナウンスするのが、ちょっとうっとうしい。
多々羅大橋料金所
自転車は100円
天気もいいし、追い風。橋をとっても気持ちよく渡りぬける。多々羅大橋中央部には、「多々羅鳴き龍」というのがあって、その場所で手を叩くと、音が反響してとても面白い。
「多々羅鳴き龍」の説明看板
下から見上げたこの部分で音が反響する
多々羅大橋を渡りぬけてたどりついたのは、大三島。ちょうど瀬戸田を出発して約1時間。橋を渡ってすぐのところにある、道の駅「多々羅しまなみ公園」で休憩。
どこにでもある道の駅らしく、お土産コーナーや食堂のほかに、地域の農産物の直売コーナーがある。果物、とりわけレモンやミカンなどのかんきつ類が大阪ではみかけない安さ。買い込んで返りたいけど、まだまだサイリングのみちのりは長い。そんなわけで我慢して、代わりに自家製みかんジャムを1つだけ買った。
ここからの多々羅大橋の風景も格別。海沿いのベンチに座って、しばらくまったりタイム♪
道の駅「多々羅しまなみ公園」
ここからの多々羅大橋の風景も格別
30分休憩した後、再び自転車にまたがる。ここまでかなり休憩したり、立ち止まったり、ゆったりペースで進んできたので、ちょっとスピードアップ。大三島内も車道の横には自転車・歩行者道があり、それなりに走りやすい。ただ、歩行者も少なくなく、ちょっと気を遣いながらの走行となる。
平坦な道が続く大三島
15分ほど走ると、次の島「伯方島」へ渡る「大三島橋」の入口に到着。この地点から今治までは、33キロメートル。瀬戸田からこの地点までが約15キロメートルなので、全行程では約50キロメートル弱、そして約3分の1を走破したことになる。
「大三島橋」の入口となる瀬戸港
大三島と次の伯方島を結ぶ「大三島橋」は多々羅大橋と比べると、とっても小さなかわいい橋。調べたわけではないので、よく分からないが、この橋はしまなみ海道開通以前から存在していたのでは…。橋まで上がっていく自転車・歩行者専用道路の舗装が非常に汚い上に、勾配もちょっときつめ。今回渡った橋の中で、一番しんどい橋だった。この橋の通行料は、ちょっと安めの50円。
※後日調べたところ、しまなみ海道で一番最初にかかった橋だそうな(1979年製)
ミニサイズの「大三島橋」
自転車・歩行者道は結構広い(右側)
「大三島橋」の料金所
大三島橋を渡りきって、10分少し走り、道の駅「伯方S・Cパーク」(マリンオアシスはかた)に到着。ちょうどお昼どきなので、マリンオアシスはかたの中にある食堂で、ガイドブックにも載っていた、名物「塩ラーメン」(700円)を食べる。
もやし、ワカメ、かまぼこ、珍味っぽいホタテ、ネギが載った塩ラーメン。お味の方は、おいしいことはおいしいんだけど、単なる塩ラーメンかな…。スープはゴクゴクと飲み干せるあっさり味だった。
マリンオアシス はかた
食堂で食べた、名物「塩ラーメン」(700円)
期待満々の塩ラーメンは不発!?に終わったので、食後のデザートに、食堂の横にあったソフトクリームコーナーで塩ソフト(200円)。「阿波・讃岐を巡るロケ地めぐりと麺づくし旅行記」で大活躍した「四国で得するパスポート」を利用したので、250円が50円引。ここでも大活躍だ。
お味の方は、ほのかに塩っぽい味がする。でも、何も言われずに食べたら、単なるおいしいソフトクリームって思ってしまうかも???
塩ソフトクリーム(定価250円)
伯方島のサイクリング区間は非常に短く、たったの3キロ。非常に走りやすいので、マリンオアシス伯方から3分程度走れば、次の大島へ渡る「伯方・大島大橋」の入口に差し掛かっていた。伯方・大島大橋も大三島橋と同様にそれほど大きな橋でないため、通行料は50円。ソフトクリームを食べて体が冷え切ってしまったため、上着を着て、先へ進む。
「伯方・大島大橋」の入口
「伯方・大島大橋」
いよいよ、しまなみ海道最後の島である「大島」へ上陸。この島が瀬戸田〜今治間の最大の難関。走行距離が長いのも大変であるが、ちょっとした峠を越えなければならない。途中で自転車を押しつつも、何とか上り坂を登りきれば、後は最後の橋である「来島海峡大橋」まで下り坂をひたすら転がり落ちるだけ…。
写真では分かりにくいが、そこそこの勾配
四国も見渡せる来島海峡大橋入口にある、道の駅「吉海いきいき館」に到着。伯方・大島大橋からおよそ45分かかった。ここ「吉海いきいき館」は、『「バースデイきっぷ」で行くJR四国グリーン車旅行記』で訪れた時は大雨だったが、今回は晴天。まさしくリベンジ成功だ!
道の駅「吉海いきいき館」
大島の峠を越えてきたご褒美に、イチゴ大福(110円)を買って、堤防で海を眺めながら食べる。めちゃくちゃ小さなイチゴ大福は、まるでイチゴサイズ。ちょっと高いなと思いながら食べてみるが、白あんがとても美味。そして、中身のほとんどがイチゴであることがむしろおいしく感じる。奥さん曰く、「いちごと白あんのハーモニー♪」。
ちっちゃいけど、おいしい「イチゴ大福」(110円)
こんな景色を眺めながら食べるおやつはサイコー!
道の駅「吉海いきいき館」を出発。しまなみ海道の最後の橋、そして、最長である「来島海峡大橋」の入口へ。
「来島海峡大橋」の入口
橋の上まで緩やかな上り坂が続く
「来島海峡大橋」はしまなみ海道で一番長いだけあって、通行料金も高めの200円。
ここに来て、サイクリングをしている人がかなり増えてくる。今治側の「サンライズ糸山」までクルマでやってきて、来島海峡大橋を往復するプチチャリダーだ。プチチャリダーは貧弱なのか、電動自転車だったり、大したことのない坂道を歩いて押している人もいる。
一見すると、平らに見える橋だが、微妙に反り返っているせいか、意外と上り下りの勾配がある。しかし、晴天の中のサイクリングはサイコーだ。
途中にある料金所
来島海峡大橋の通行料金は200円
一見すると平坦だが、微妙に勾配がある
眺めよし!
そして、いよいよ今治側、つまり四国に上陸。瀬戸田を出発して、およそ5時間30分弱。愛媛側のサイクリングターミナル「サンライズ糸山」に到着。
「来島海峡大橋」を眺めることができる「サンライズ糸山」は、サイクリングターミナルのほかに、宿泊設備もあり、1泊2食付6000円ぐらいから宿泊することができる。当初の計画では、「サンライズ糸山」に宿泊することも考えていたが、ギリギリまでキャンセル待ちをねらったものの、満室で予約ができなかった。
代わりに、今回は今治市内の安いビジネスホテルを予約したので、もう一息今治市内まで頑張らなくてはいけない。お土産物屋さんや橋をロビーでじっくり眺め、40分ほどの休憩の後、再びペダルを漕ぎ出す。
サイクリングターミナル「サンライズ糸山」
自転車もお疲れ様!あと一息!
「サンライズ糸山」を出発した後は、しばらくひたすら下り坂が続く。もともと若干標高が高いところにあるためだ。そして、坂を下りきると、後はひたすら街中の道を進むだけ。これまでと違い、普通の市街地を走るわけなので、クルマも多く、歩道も段差が多いので、ちょっと走りにくい。
「サンライズ糸山」を出発してから35分ほどで今治駅に到着。自転車は今治市内であれば、今治駅・今治港・市役所など、どこにでも返却することができる。ちなみに、ホテルの最寄の返却所は今治「港」。今治港の返却は終日(つまり、今回の場合は24時まで?)可能なので、もう少しウロウロしてから返すことにする。
今治駅
街中を自転車で回りながら、「夜まで自転車をフル活用するぞ!」と意気込んでいたものの、日が暮れると急激に冷え込んできた。サイクリングどころではなくなったので、ホテルに近い今治港へ返却に向かう。
返却方法はというと、自転車を駐輪場っぽいところに置く。そして、カギを観光案内所に返却するという流れだ。また、観光案内所の営業時間外は無人返却ポストに返却する。ちなみに、駐輪場っぽいところには「乗り捨てポイント」という看板があるものの、レンタサイクルではなさそうな自転車が場所を占拠していたので、自転車を駐輪するのが大変だった。
今治港レンタサイクル乗り捨てポイント
約50キロメートルを走破した割には、追い風や天気にも恵まれたので、それほど疲れず…。でも、ちょっと足はガクガク。サイクリング前日は、「しんどいから雨降ってくれぇ〜」と小学生のようなことを考えていた奥さんも完走で大満足のよう。
今回のサイクリングのタイムログをまとめてみた。
地名 | 時刻 | 備考 |
瀬戸田観光案内所 | 9:36出発 | |
瀬戸田港 | 9:42〜9:44 | 約2分休憩 |
サンセットビーチ | 9:59通過 | |
多々羅大橋入口 | 10:07通過 | |
多々羅しまなみ公園 | 10:37〜11:07 | 約30分休憩 |
瀬戸港(大三島橋入口) | 11:20通過 | (残り33キロ) |
道の駅「マリンオアシスはかた」 | 11:47〜12:39 | 約52分休憩 |
伯方・大島大橋 | 12:42〜12:52通過 | |
道の駅「よしうみいきいき館」 | 13:40〜14:27 | 約47分休憩 |
来島海峡大橋 | 14:30〜15:00通過 | |
今治市サイクリングターミナル「サンライズ糸山」 | 15:04〜15:45 | 約41分休憩 |
今治駅 | 16:20到着 |
こう見てみると、全行程で約7時間弱に対して、休憩が約3時間弱。つまり、休憩を除けば、約50キロを4時間で走ったことになるので、平均時速12.5キロぐらい。休憩を含めれば、早歩きぐらいのペースだ。
しかし、天気も良く、のんびりゆったりしまなみ海道を満喫することができた。
自転車を返却した今治港からほど近いところにある「ホテルポートサイド今治」が今夜の宿。今回は「じゃらん」経由で予約。実質シングルルームのセミダブルプランで1泊1室朝食付6000円(2人で)と格安。
場所は少し分かりづらく、今治港から商店街を通り、途中の道を曲がるのだが、土地勘が無いとなかなか一発では行きにくいところ。建物は5階建で外装はそれほどキレイではない。しかし、中に入ってみると、リニューアルされているようでそれなりにキレイ。部屋には20インチの液晶テレビも完備。
ホテルポートサイド今治の外観(茶色の建物)
こじんまりとした室内
チェックインをして、荷物を部屋に置いた後は、夕食処を求めて、市内歩き。ホテルから商店街のアーケードを5分ぐらい歩けば、、今治の中心街(と思われる)今治大丸もあり、周辺にも店は多い。
今治は鳥が有名なようで、市内には鳥料理屋さんも少なくなく、鳥料理屋さんを特集したパンフレットもある。今日は、サイクリングも完走したことだし、祝杯ということで、居酒屋へ。今回、夕食処に選んだのは、今治大丸からさらに今治駅の方へ歩いたところにある「ろばた焼 磯海楽」。なんとなく入りにくい入口扉。勇気を出して開けてみる。通された席はカウンター席。店内はガヤガヤしていて、ちょっと落ち着かない。
店員だが、愛想がいいおばちゃん、悪いおばちゃん、不慣れなおばちゃんが入り乱れる中、名物の鳥シリーズを注文。ヤキトリ、鳥皮、せんざんぎ(唐揚げ)、えびと野菜のかきあげ。そして、鯛釜飯(900円と、この時は思っていた…)。
鳥はもちろんおいしいが、釜飯は好きな具材が選べたので、鯛をチョイス。どの具材を選んでも同じ値段(だと、この時は思っていた…)。釜飯は、インスタントコンロが登場し、目の前で炊き上げてくれるのだ。おまけに、みそ汁付き。待ちわびて出来上がった釜飯はとっても美味♪
そして、お勘定をして店から出てから気づいた。奥さん曰く、「なんかちょっと高くない?」。確かに、6300円はちょっと高い気がする。しかし、こういう居酒屋は概してレシートはなく、最後に値段を告げられるだけ。合っているのか、どうかは怪しいもの…。
奥さんが食べたものを思い出して、計算してみたところ、付け出しが400円として、1000円ぐらい合わないのだとか…。そこで、気づいた。900円と思い込んで注文した鯛釜飯だが、実は釜飯部分が900円であって、具材部分は時価(もしくは別オプション料金)なのだと…。つまり、鯛の部分が1000円と推測すると、鯛釜飯は1900円。そりゃおいしいわけだ。みそ汁も付いているのも納得できるし、他のメニューと比べると、おトク感があるのも納得できた。
しかし、すべては推測。奥さん曰く、「今後はレシートがある明瞭会計の店がいい」と…。
ろばた焼 磯海楽
ホテルへ戻っていると、ポツポツと雨が降り出してきた。今日はサイクリング日和に恵まれたが、明日は天気予報によると、雨。ちょっと憂鬱な気分で眠りについた。
ホテルポートサイド今治
(794-0036 愛媛県今治市通町1?4?7)今治港より徒歩5分。今治城も徒歩圏内。今治名物の焼鳥や来島海峡育ちの魚を味わえるお店が近い。辰之口公園に面し、静かな立地でビジネスにも最適★お部屋への自転車の持ち込みはプランを参照下さい。