東横インは全国どこのホテルでも、おにぎりとみそ汁のちょっとした和朝食が付いている。今回のホテルも例にもれず付いているので、1Fロビーの朝食スペースへ行ってみるが、満席。少し待たされた後、ようやく席を確保する。
メニューは至ってシンプル。おにぎり(数種類)、漬物、みそ汁、お茶、コーヒーのみ。どこのホテルも同じメニューなので、どんなメニューなのかを楽しむことができないのが、東横インの面白くないところ。もう少し地域色を出してくれるとさらに楽しくなるのに…。
シンプルな朝ごはん
ホテル→阿波踊り会館 【徒歩】
チェックアウト後も荷物を預かってもらえるらしいので、フロントで荷物を預け、徳島市内観光へ。まず目指すところは、阿波踊り会館。ホテルから徒歩3分もかからない。
阿波踊り会館の入口で「眉山ロープウェイ」「阿波おどりミュージアム」「阿波おどり公園」のセット券を購入しようとしたが、ちょっと計算してみたところ…
ここでも登場!「四国で得するパスポート」。ガイドのおねえさんに聞いたところ、セット券を購入するよりも、パスポートの割引券を使って、それぞれの施設単体で購入する方が安いそうだ。そのおかけで、正規価格1800円のところ、360円割り引かれ、1440円になった。
阿波踊り会館
まずは、「阿波おどりミュージアム」へ。阿波おどり特有の囃子が流れるミュージアムでは、阿波踊りの歴史や踊り方など様々な情報が展示されている。阿波踊りを体験できるゲームコーナーなんかもある。
阿波踊りミュージアムのゲームコーナー
次は、阿波踊りの実演を観覧できる「阿波おどりホール」へ。毎日のように、会館の専属連が踊りを披露してくれる。単に踊るだけでなく、男女の踊りの違いや今昔の踊りの違いなど、解説を交えながらの講演だ。
そして、最後には観客も一緒にアホォになって踊る。踊りを体験した人には、体験記念証が渡されるほか、踊りのうまい人は表彰される特典付きだ。大混雑する阿波踊りの時期に来なくとも、ちょっとした阿波踊りを体験できる。
阿波踊りホール
阿波踊りを堪能した後は、眉山へ。どの方向から見ても、眉の形をしているということが名前の由来だとか…。さだまさし原作の映画でも有名になった山だ。
阿波踊り会館の5階からロープウェイで約6分の空中散歩で頂上へ到着。ここのロープウェイ少し変わっていて、2連が連なったゴンドラになっている。
2連がつらなったゴンドラ
天候はあまり思わしくないが、徳島港や市内はもちろんのこと、鳴門海峡大橋や淡路島も見えていた。ゆっくりと景色を眺めていたいが、強風で寒すぎる。というわけで、屋上展望台にある食堂でゆったりと景色を眺めることに…。僕はコーヒー、奥さんはぜんざい。ぜんざいは手作りっぽくておいしかったそうな。おまけに、お茶と塩昆布も付いていた。まったりとじかんを忘れて、景色を眺めていた。
遠くにはうっすらと淡路島も見える
頂上の展望コーナー
食堂で奥さんの食べた「ぜんざい」(350円)
頂上には展望コーナーのほかに、神社、よく分からない塔、そして、ナゾの「モラエス館」がある。よく分からない「モラエス館」はロープウェイの乗車券で入館できる。中の展示で分かったのだが、「モラエス」とは徳島にゆかりのあるポルトガルの文人のようだ。建物にしても、展示物にしても、かなり古さを感じさせるものがある。夫婦そろって、いまいち興味が沸かなかったので、早々と退散。
小さなミュージアム「モラエス館」
よく分からないナゾの塔!?
下りのロープウェイは、2連あるうちの僕達が乗ったゴンドラは、二人だけの貸切状態。折りしも強風が吹いていたせいで、かなり揺れて怖かった。「阿波おどり会館」の1Fにある大きなお土産コーナーをゆっくり見たあとは、お昼ご飯へ!
昨夜食べた徳島ラーメンはいまいち感動的な味ではなかったので、リベンジにということで、徳島ラーメンを全国に広げた「いのたに」へ。阿波おどり会館からは徒歩5分程度の場所だ。
徳島ラーメンで有名な「いのたに」
店の門構えは、お世辞にもお洒落ではなく、ベタベタな雰囲気。しかし、店の前の駐車場は満車のようで、お客さんが次から次へと出たり入ったりしている。店内も雑然とした雰囲気で、オールカウンター仕様。お昼のピークを越えた13時過ぎだったので、10分程度の待ち時間で座ることができた。
食券の券売機で事前に支払う方式だ。今回チョイスしたメニューは、肉が増量された「中華そぱ肉入り中盛」(550円)だ。肉がいっぱい入っていても、550円はお安い値段設定。
ようやくありついた期待のラーメンは、背脂は少なめだが、こってりとした濃いしょうゆ味。麺にもコシがあり、汁と合っている。肉は予想以上にたっぷり入っているので、大満足。しかし、残念ながら、タマゴは入っていなかった。どうやら、50円で追加しなければいけなかったらしい…。
総じていえば、昨夜の店より「いのたに」の方がかなりおいしかった。
徳島駅前(14:55)→南海フェリー(15:14) 【バス】徳島市営バス(200円)
徳島港(16:35)→和歌山港(18:45) 【フェリー】南海フェリー「フェリーかつらぎ」 ※約10分遅れ
和歌山港(18:53)→新今宮(19:55) 【特急】南海電鉄「サザン号」
東横インで預かってもらっていた荷物を受け取った後、徳島駅まで歩く。
徳島の中心部を流れる「新町川」
徳島駅
徳島から大阪までのアクセスはいくつかある。明石海峡大橋と鳴門海峡大橋ができるまでは、飛行機を使ったアクセスがあったが、今の選択肢はJRまたは高速バスだ。しかし、JRは高松〜岡山経由となり、時間もコストもかかる。そこで、主流となっているアクセスが高速バスだ。例えば、JR徳島駅〜大阪駅までの場合、片道3600円だ。
ところが、これよりも安く上げられるアクセス手段がある。それが南海フェリーだ。南海フェリーを使う場合、徳島港までのバスアクセス(徳島駅〜徳島港)+南海フェリー(徳島港〜和歌山港)+南海電車(和歌山港〜なんば)で片道3090円になるのだ。さらに、ロッピーで購入すると、クレジットカードのポイントも貯まり、フェリーが200円引き(2000円->1800円)となるので、片道2890円となる。つまり、高速バスより710円も安い。ということで、徳島駅のすぐ近くにあるローソンで割引乗船券を購入。
駅のパン屋さんでおやつを買った後、少し早めの徳島市営バスで徳島駅(14:55発)から南海フェリー乗り場(15:14着)へ移動する。フェリーの出航まで1時間以上あるので、フェリー乗り場付近をウロウロしようと思ったが、どこのフェリー乗り場でもありがちの何もないがらーんとした場所だ。しかたなく、2Fの待合室で出航までの時間を潰すことにする。
南海フェリー 徳島港のりば
今回乗船する「フェリーかつらぎ」
出航時刻(16:35)が近づくにしたがって、待合室の人が増え、少しずつ乗船待ちの行列ができてきたので、その列に加わり並ぶことにする。
乗船開始。どこの船でも一緒だが、2等名物の場所取りゲームのはじまり。できるだけよいポジション(一般的には端の席)を取るため、小走りの場所争奪戦が始まる。何とか適当な場所をとるや否や、奥さんはすみっこに置いてあった枕を取ってきて、睡眠モード。しかたなく、一人で船内をウロウロしてみる。出航してしばらくすると、吹雪に包まれ、あたりは真っ白。
徳島港を出港した「フェリーかつらぎ」
対岸にはオーシャン東九フェリー乗り場が見える
無料サービスで提供されている熱いお茶を飲んだ後、僕も夢の中へ…。気がつけば、あたりは真っ暗、和歌山港へと近づいていた。
ライトアップされたデッキ
和歌山港から大阪へのアプローチは南海電車だ。その南海電車であるが、なんば〜和歌山市間は腐るほどの電車が走っているが、和歌山市〜和歌山港間は短い区間であるものの、フェリー連絡だけのための区間であるため、一日に数本しかない。
数本しかない区間であるがゆえ、フェリーが遅れると致命的。もし、このフェリーに連絡している電車を逃すと、3時間も電車がないのだ。少し遅れ気味のフェリーにいらいらしながら、着岸と同時に連絡通路を通って、駅へ走る。
乗換時間が少なく、さらっとしか見れなかった和歌山港駅は、本当に何もない殺風景な駅。確かにフェリーの方が楽だが、やっぱり高速バスの方が総合的にみると、便利かなといった感想。
殺風景な和歌山港駅ホーム
何とか無事に和歌山港18:53発の特急「サザン」に乗り込み、今回の旅を終えた。
(終わり)