小さな天使さんは早起きで、6時過ぎに起床。その後は寝ることもなく、ご機嫌さんで体をバタバタさせている。そして、奥さんか授乳をはじめてしばらくすると、「ブリぃ〜」とけたたましい音が…。
どうやら今日も快便のようだ。
今日の天気も良好なようで、窓の外にはキレイな日本庭園が見えている。
緑がキレイな日本庭園
今回は朝食バイキング付プランなので、このまま朝食へ向かいところだが、娘さんはなかなか寝てくれない。そんなわけで、ベビーカーに乗せて、客室廊下を走らせてみると・・・。
見事に成功。小さな天使は、スヤスヤと夢り世界へ…。ちなみに、このグランドプリンスホテル京都の客室棟は、円状の建物になっているので、廊下をぐるっと一周できるのだ。
建物が円状になっている
小さな天使が寝ているうちに・・・ということで、ベビーカーに乗せたまま、朝食会場へ。
朝食会場は、昨夜のベリーストロベリーバイキングと同じく、1Fの「ポンドカフェ」だ。案内された席は、会場の端の方のテーブルで、ベビーカーを置くゆったりとしたスペースもある。加えて、子連れ客を固めてくれているようなので、周囲にあまり気をつかわなくて済む。
料理はビュッフェ形式。ベビーカーに寝かせたまま、二人で料理を取りにいくわけにはいかないので、夫婦交互に取りに行く。これも子連れならではの不便になったところだ。
ロビーとつながったオープンな雰囲気の「ポンドカフェ」
料理は和洋そろったラインナップ。揚げパン、ナス揚げ煮、煮魚、焼き魚、ハッシュポテトなど、様々なメニューが並ぶ。
和洋様々なメニューが揃う
シェフがオープンキッチンで焼いてくれるオムレツには、好きな具材を入れてもらえる。僕たちは、チーズとベーコンオーダーしたが、とっても美味しかった。
あと、京都ならではというところで、豆腐や聖護院かぶらのそぼろ煮などの和食もきちんと揃っている。
オープンキッチンで焼いてもらったオムレツ
いかにも京都なメニュー「聖護院かぶらのそぼろ煮」(右側)
色々あるメニューの中でも、個人的に一押しなのが、京風の朝カレー。和風だしのカレーに、揚げ湯葉とネギをトッピングして食べるのだが、これがたまらなくうまかった。
揚げ湯葉とネギをトッピングする朝カレー
パンも充実しており、デニッシュ系だけでも、シンプルなクロワッサン、チョコクロワッサン、クリームが入ったクロワッサン、ナッツが載ったデニュシュの4種類もある。
クロワッサンやデニッシュも充実
食後はコーヒー。レストラン内でもゆっくり味わうことができるが、ペーパーカップに入れて部屋に持ち帰ることもできる。1杯目はレストランで飲み、2杯目はテイクアウトで部屋へ持ち帰った。
コーヒーは部屋に持ち帰ることができる
お味はなかなか美味だけど、総合的な評価をすると、京都センチュリーホテルにある「ラジョウ」の朝食ブッフェの方が個人的な評価しては高い。
この旅行の数週間前のことである。昨年子どもが生まれてから、ほとんど外食やお出かけをすることもなく、夫婦そろってストレスは最高潮。そんな中、朝方はある程度安定して寝てくれるようになった娘。
そんなところで思いついたのが、「勢いで朝食ブッフェに行っちゃえ!」作戦だ。二時間ぐらいは継続して寝てくれるので、おっぱいとオシメを変えてすぐに朝食ブッフェに向かえば、ある程度堪能できるかもしれないと、決行してみたのだ。
結果は・・・、ほぼ成功。食事を終えることには目を覚ましてしまった娘だが、それまではゆっくりとブッフェを楽しむことができたのだ。ちなみに、「ラジョウ」の朝食ブッフェは、宿泊予約サイトの朝食ランキングの高評価どおり、なかなか美味。入れ放題のいくらをたっぷりと乗せたイクラ丼、そして、フォワグラ。
なんといっても、デザートが充実しているのだ。夕食と違い、朝食は多少は冷凍モノが混じっているような気もしたが、どれもクオリティが高かった。
部屋に戻って、おっぱいを飲ませたりしているうちに、チェックアウトの11時になる。赤ちゃんと一緒だと、大人の都合でキビキビと進められないので、大変だ。
チェックイン時の手荷物預かりサービスの反対で、チェックアウト時にフロントで荷物を預けておくと、14時以降に京都駅のウェルカムカウンターで受け取れるサービスがあるので、荷物を預ける。もちろん、無料。
ちなみに、18時までに受け取る必要があるので、要注意!
開放感のあるロビー
緑がいっぱいの中庭
身軽になったところで、ベビーカーを押しながら、ホテルを出発。遠くの観光地に来ているわけでなく、京都なので、特に時間を気にしないでブラブラすればよい。
まずは、せっかくなので、宝ヶ池へ。少しわかりにくいが、ホテルの敷地の片隅に宝ヶ池に向かう遊歩道の入り口がある。バリアフリーではなく、ベビーカーを持ち上げ、階段を慎重に下りる。
宝ヶ池までは、ゆっくり歩いても5分ちょっと。宝ヶ池は自然にできた池ではなく、人工池だ。池を一周する遊歩道が整備されており、観光スポットというよりは、市民の憩いの場になっている。
宝ヶ池へ向かう遊歩道
ちなみに、宝ヶ池を訪れたのは初めてではなく、僕にとってはとっても馴染みのある場所。実は、冬になると、高校の体育の授業でよく走らされた場所であり、懐かしい場所なのだ。
京都でも北はとっても寒く、小雪が舞う中、友達と走った記憶がよみがえる。今から約20年前のことだ。その当時は、奥さんと出会うことも、そして、娘ができることも、想像さえしていなかった。今こうして、家族三人で歩いているのが、とっても不思議な気分だ。
穏やかな時間が流れる宝ヶ池
ちょっと肌寒いけど、池を一周する遊歩道に備えられたベンチに座り、水鳥を見ながら、まったりとした時間を過ごす。ちなみに、水鳥を娘に見せてあげたかったけど、あいにく夢の中・・・。
池を一周する遊歩道
水鳥が遊んでいる
まったりとした時間を過ごした後は、国際会館駅へ・・・という行程が普通だが、久しぶりにお出かけしたせいか、僕たち夫婦のいつもの旅のテンションがよみがえってくる。
そこで、僕たち夫婦が取った行動は、「北山駅まで一駅歩いてお散歩♪」だ。
宝ヶ池は少し標高の高いところにあり、歩道の付いた道を転がるようにして、ベビーカーを押していけば、それほど苦になる距離ではない。おまけに、陽射しが少しでてきて、ポカポカしてきたので、ちょうどよい。
宝ヶ池の駐車場入り口
広い歩道の付いた道をテクテクと下っていく
途中には、京の夏の風物詩である五山の送り火の一つ「妙法」の点火台の横を通る。
入れないが、この奥が妙法だ!
山を下りきると、北山通りに出る。ここから地下鉄に乗ることもできるのだが、少し歩いて調子が出てきたので、ベビーカーを押しながら京の街をさらに南下していく。
ノートルダム女子大や洛北高校の横を通り、たどりついたのは、下鴨神社。娘の成長を祈願しようと思ったが、ベビーカーはたっぷりの砂利道に足をすくわれ、進むことができない。
ということで、今回はお参りを断念し、鳥居の手前から娘のすこやかな成長をお祈りしておく。
下鴨神社の鳥居(数か所に鳥居があるうちの一つ)
京の街をベビーカーを押しながら、さらに南下。
出町柳駅でトイレをすませた後にたどりついたのは、出町柳駅からほど近い「満月」の本店。ホテルを出発してから、約2時間弱歩いたことになる。
学生時代から通学や買い物で縁がある京都だが、この「満月」を知ったのは最近のこと。以前から新聞広告で気になっていた「ノジュール」で紹介されていた阿闍梨餅で初めて知った。
そこで、数か月前に何気なしに期待せずに買ってみると、これがなんとも美味。餅というほどには粘りのない生地の中に上品なアンコ。ここ本店はいつ来ても繁盛しており、お客さんでいっぱい。そして、この阿闍梨餅を食べてから知ったが、京都を訪れた観光客にとっては、かなりメジャーなお土産だそうだ。お値段は、1個105円。今回は4つ購入する。
「満月」の阿闍梨餅
買ってすぐは、ほんのり温かい♪
さらに、本店限定の最中(1個168円)も購入。同じく本店限定の「満月」(1個250円)はすでに売り切れていたが、以前食べた感想でいうと、値段の割には・・・(以下省略)。
「満月」の最中
外はパリッパリッ、中の粒あんはとっても上品♪
ホテルからずっと南下してきたが、ここで方向を西へ変えて歩く。鴨川を渡り、たどりついた先は、京都御所。
水面がキラキラしている鴨川
広々とした京都御所は、人がとっても少なく、ゆったりとした時間が流れている。所々にベンチもあり、市民の憩いの場にもなっている。ただ、砂利道でベビーカーが押しづらいのがちょっと難点。
広々とした京都御所
ホテルを出発してからずっと寝っぱなしだった小さな姫も、ぼちぼちグズグズ言い出す。授乳室を地図で探してみるが、御所の中にはないようで、オムツ替え台完備のトイレがあるらしい堺町休憩所を目指す。
授乳室がないので、奥さんはトイレの個室にこもり、便座に座って、授乳する。まだまだ赤ちゃんなので、おっぱいを飲むまでに時間がかかったり、飲むこと自体にも時間がかかる。なので、トイレの外のベンチで、ぼっーとした時間を20分ほど過ごす。
御所の一角では、梅の木が花を咲かせており、たくさんの人が写真撮影をしている。
キレイな梅の木
花も咲かせていた
時刻は15時半。ホテルを出てからずっと歩きつづけていて、昼食はまだ摂っていない。
朝食バイキングをてんこもり食べたので、ガッツリと食べるほどお腹は空いていない。少しだけ何か食べたいなということで、御所の敷地内にある食堂へ。
御所内にある食堂
注文したのは、「たぬきうどん」(580円)。注文してから、あらためて「たぬきうどんって何だっけ?」と思いつつ、運ばれてきた料理を見て、ビックリ。ナント、きつねうどんの上に、生姜とネギが入ったあんかけがたっぷり乗ったものなのだ。
これが予想外に美味。「お腹が減っていないので、何も食べない」と言っていた奥さん、僕のうどんを少し食べておいしかったので、結局は半分ちかく奪われてしまった。
生姜とネギのあんかけがおいしい「たぬきうどん」
ちなみに、東京の「たぬきうどん」は、天かすが乗ったうどんだそうで、地域によって中身が異なるのが面白い。
今出川→京都 【普通】京都市営地下鉄
お腹がいっぱいになった後は、今出川から地下鉄で京都駅へ。
京都駅から京都タワーを望む
最近頻繁にお世話になっている伊勢丹7階の赤ちゃんルームで奥さんが授乳している間に、僕は八条口にあるプリンスホテルウェルカムカウンターでチェックアウト時に預けた荷物を回収。
ゆっくりと夕飯でも食べて帰ろうかという雰囲気だったが、姫がまたまたぐずりだす。そんなわけで、早目に家へ帰ることに・・・。
こうして、かなり近場だけど、生後5カ月の赤ちゃんと一緒の初の泊まりがけ旅行は無事に終わり、楽しい思い出いっぱいをお土産にミニ旅を終えた。
普段は泊まることがない近場の京都への旅行。何ともない行先ですが、生後5カ月の赤ちゃんを連れての旅行は、いつもよりハードルがかなり高い旅行でした。
率直な感想をいえば、「久しぶりの旅行でとっても楽しかった」という一方で、ホテルのレストランでぐずったり、夜中に泣き出したりと、なかなか落ち着かないところもあり、「やっぱり家にいる方がゆったりできるかな?」とも感じる旅行でした。
そして、今回の旅行を終えて思ったのは、イオンのように赤ちゃん連れに優しい設備を備えている施設がある一方、まだまだ不便な施設も少なくないということです。さて、今回の旅に懲りて、次の旅は当面やめておくのか、それとも、再び家族三人で旅に出るのか、それは少し考えてみようと思います。
(終わり)