楽しかったゴールデンウィークを終えると、なんとなく暗い気分になる。ジメジメした梅雨を迎える憂鬱な気分ももちろんあるが、7月の三連休や夏休みまで、全く夏休みがないのだ。
そんなダルいシーズンの中休みとして、何とかと言い訳を作って、旅に出たくなるもの。その言い訳は結婚記念日。そんなわけで、毎年恒例の結婚記念日旅行に出ることにした。
とはいえ、ゴールデンウィークで散財してしまったので、粛々した旅行でなければならない。そこで登場するのが、テレビCMや新聞広告でもおなじみの『湯快リゾート』。オールシーズン1泊2食付7800円がウリだ。
どうせ行くなら、もっとも時間がかかりそうなところがいい。そこで、今回は「じゃらん」を経由して、1泊2食7800円で南紀勝浦の「越之湯」を予約。その後、「越之湯」に直接電話をして、往復送迎バス(往復1人3000円)を予約した。
数日前にバスの案内や宿のパンフレットが送付されてきて、旅行当日を迎えた。
新大阪(9:00)→越之湯(14:00頃) 【バス】湯快リゾート送迎バス
自宅を出発し、送迎バスの集合場所であるJR新大阪駅へ向かう。
新大阪駅正面口の階段下には、湯快リゾートの看板を持った係員が誘導を行っており、迷うことなく、バスが停車している集合場所の駐車場に到着。ちなみに、この駐車場はゴールデンウィークに乗車した新日本海フェリーの舞鶴港行きシャトルバス乗り場と同じだ。
各地の湯快リゾートもここから出ているので、間違いないように乗車する。
集合場所のJR新大阪駅
正面口前のバス乗り場
今回乗車するバスは、MKタクシーでおなじみのMKグループの「MK観光バス」。座席は指定制。しかし、今回の便はガラガラなので、空いている後ろ半分は自由席になっており、フリーで移動できる。今回は、窮屈な前の方ではなく、一番後ろの列を陣取る。
ガラガラの車内
新大阪を出発したバスは、大阪市内から高速道路に入り、一路南下していく。
最初の休憩スポットは「紀ノ川サービスエリア」。新大阪を出発してから1時間半を過ぎていた。トイレを済ませた後、売店をブラブラしてみる。
紀ノ川サービスエリアで休憩
紀ノ川サービスエリアから、さらに1時間半。途中で停車した道の駅でお昼ご飯を調達。勝浦まではかなり距離があるため、途中で昼食ポイントはなく、バスの車内でのお昼ごはんになる。
お昼ごはんに買ったのは、南紀名物の「めはり寿司」(2個入250円)と「さんま寿司」(1本450円)。そして、熊野古道プリントのお茶(150円)。お寿司の味は、とっても美味。もっと食べたいところだが、夜のバイキングに備え、控えめにしておく。
道の駅「ちかつゆ」
「めはり寿司」(2個入250円)
「さんま寿司」(1本450円)
熊野古道プリントのお茶(150円)
とても気さくな運転手さん、見所スポットではマイクで観光案内をしてくれる。こんなサービス満点のMK観光バスだが、来月からは別のバス会社に変更となってしまうそうだ。
車窓には優雅な佇まいの熊野川が続く。
静かだが、男らしさを感じさせる「熊野川」
新大阪を出発してから約5時間弱、14時前にようやく「越之湯」に到着する。
カウンターでチェックインを済ませ、部屋のカギを渡される。湯快リゾートは、部屋の清掃さえ終わっていれば、いつでもチェックインできるシステムだ。
湯快リゾート「越之湯」
今回割り当てられた部屋は、「浜の棟」の302号室だ。ちなみに、「波の棟」「浜の棟」「海の棟」、そしてフロントのある「花の棟」で構成される。
部屋までの案内は無い。部屋に入ると、布団は既に敷かれている。これも低料金を実現する湯快リゾートのシステム。
部屋には既に布団が敷いてある
茶菓子やお茶も充実♪
部屋は決して新しいとはいえず、むしろ年季が入っているが、一定の清潔感が保たれている。湯快リゾートは、経営難に陥った旅館を買い取ることで拡大展開を続けている。事前にネットで調べたところによると、この「越之湯」は天皇陛下も泊まったことがある由緒ある老舗旅館だったようだ。
昭和を感じさせる薄汚れたソファ
エアコンは付いているけど・・・
National印の古そうなリモコン
部屋の窓からは、勝浦のメジャー旅館である「ホテル浦島」や「ホテル中の島」を望むことができる。
窓の外は、すぐ海♪
「ホテル浦島」や「ホテル中の島」が見える
部屋でホッと一息した後は、館内散策へ。
湯快リゾート定番のジャンカラ(カラオケコーナー)のほか、マンガコーナーやマッサージコーナーも揃っている。今回は利用しなかったが、カラオケコーナーは9:00〜19:00までなら無料だ。
昼間は無料の「ジャンカラ」(カラオケBOX)
畳敷きのマンガコーナー
マッサージ機の利用も無料♪
老朽化した老舗旅館といえど、フロントがある「花の棟」を中心としたパブリックスペースは、リニューアルしているようだ。
キレイな絨毯が敷かれ、リニューアルされたエリア
リニューアルされていない年季の入ったエリア
館内散策も一通り終わったので、周辺散策へ。
出発前にリサーチしたところによれば、紀伊勝浦駅まで歩いて10分程度。駅周辺まで歩いていくことにする。
小さなトンネルを抜けると、勝浦の市街地だ!
勝浦漁協の卸売市場
駅に向かう途中には、足湯があったり、小さなひっそりとした商店街がある。観光客が少ない平日のせいかもしれないが、とっても静かな街だ。
海岸沿いにある無料の足湯コーナー
ひっそりした商店街
JR紀伊勝浦駅
駅周辺にもたいした店があるわけでなく、海辺の方へ向かって、ブラブラしてみる。観光桟橋からは、「ホテル浦島」や「ホテル中の島」へ向かう連絡船がひっきりなしに出発していく。
駅から歩いていける観光桟橋
「ホテル浦島」といえば、あこがれの宿。「船でいく旅館」と「海を見渡せる洞窟風呂」がウリで、一時的はかなり人気が高く、お値段も高かった記憶がある。
しかしながら…、最近ではかなり宿泊単価も低くなっており、読売旅行のバスツアーでも格安価格てで登場している。さらに、ネットの情報を見ていると、老朽化が進み、食事のクオリティも決して高くないようだ。
とはいえ、いつか一度は泊まってみたい気になる宿の一つだ。
カメラの望遠機能を駆使して撮影した「ホテル浦島」
さてさて、今立っているところから「ホテル浦島」を眺めてみると、どうみても陸続きになっているように見えるのだ。「ホテル浦島」といえば、「船でしかいけない宿」のイメージ。つまり、島に立地する旅館のイメージなのだ。
「もしや!?」と思って、観光案内地図を眺めてみると・・・
やっぱり陸続きだった。地図上では道がないように見えるが、きっと隠れロードがあるんじゃないだろうか?
実は陸続きだった「ホテル浦島」
しばらく海を眺めながら、ほっこり。しかし、時刻はすでに16時過ぎ。夕食までに風呂に入っておきたかったので、ぶらぶら寄り道しながら、宿へ戻る。
宿に戻ると、玄関前に足湯を発見。宿泊客はもちろん無料、さらに足拭き用タオルも無料だ。
玄関前にある足湯
タオルも無料で使える
お風呂もなかなかの充実ぶり。大浴場はもちろんのこと、ジャングル風呂や露天風呂もある。泉質もなかなかいい湯なのか、かなりきつい臭いの温泉だ。あえていうならば、北海道の川湯温泉に似た臭い。
パンフレットによると、「天然温泉掛け流し(ただし、加温あり・一部循環)」のようで、塩素の臭いがあまりしないゆえに、温泉の香りが楽しめるのかもしれない。
いよいよ、夕食バイキング♪
今日は混雑しているのか、二部制(17:30〜19:00/19:15〜21:00)になっている。ゆっくりとお風呂に入りたかったので、チェックイン時に19:15で予約しておいた。
予約時刻の15分ほど前に、バイキングレストラン「四季彩」へ向かう。完全入替制になっているため、入口のロビーは待っている人がいっぱいだった。
バイキングレストラン「四季彩」(昼間に撮影)
ようやく時間になり、ペコペコのお腹を携え、海が見える窓側のテーブルを確保。しかし、夜の海は真っ暗。「ホテル浦島」と「ホテル中の島」ぐらいしか見えない。
皿をいっぱい載せると手狭な2人席テーブル
対岸の「ホテル浦島」と「ホテル中の島」
これまでいくつかの湯快リゾートに宿泊した経験から得た教訓は、「料理に期待するべからず!」だ。
メニューは、サラダ・カレー・てんぷら・エビチリと、和洋中ミックスな何でもありバイキングだ。お寿司や刺身もあるが、特に勝浦らしいメニューとして、カツオのタタキとマグロの刺身もあった。
さて、お味の方はといえば、期待していなかったこともあり、まずまずといったところ。しかし、今まで宿泊した湯快リゾートの中では比較的良いように感じた。
揚げたてアツアツのてんぷら
勝浦らしいメニュー(カツオのタタキやマグロ)もある
デザートは、チョコケーキやおはぎもあるが、ほぼ間違いなく冷凍の業務用っぽい。しかし、時間限定で登場する「わらびもち」はなかなかおいしかった。
デザートは業務用のオンパレード
黒蜜ときなこをかけて食べる「わらびもち」はオススメ
お腹いっぱいになった後は、マンガコーナーの畳の上でゴロゴロ。
最近マイブームになりつつある坂本龍馬を描いた「おーい龍馬」に夢中になり、ちょっと夜更かしした後、眠りについた。
畳敷きのマンガコーナー
TAOYA那智勝浦
(649-5336 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町湯川1108)いにしえより人々を魅了した風光明媚な海と、
那智勝浦ならではのまぐろ料理など海の幸をご堪能ください。