うさぎの楽園「休暇村 大久野島」に泊まる広島旅行

寒くなり、温泉でほっこりしたくなる季節。一年の疲れを温泉で流し、そして、疲れた心を癒す「うさぎセラピー」をするために、目指した先は瀬戸内海に浮かぶ「大久野島」。しまなみ海道をウォーキングしたり、急に予定を変更したり…。2009年を締めくくる、1泊2日、いや、2泊3日の広島旅行記。

  
1日目 (2009年12月28日)
[プロローグ] 温泉とうさぎセラピーが楽しめる「大久野島」

今年は、ちょっと早めの27日に仕事納め。

寒くなる今日この頃。こんな季節になると、やたらと温泉に入りたくなる。そして、1年間の仕事で荒んでしまった心を癒さなければならない。温泉もあって、すさんだ心を癒せる島、それがまさしく、瀬戸内海に浮かぶ「うさぎの楽園 大久野島」

「大久野島」には野生のうさぎが数百匹放し飼いにされており、うさぎに遊んでもらうことができる。これぞまさしく、「うさぎセラピー」

往復のアクセスは、冬休みの貧乏人の味方、おなじみ「青春18きっぷ」。そして、宿は「じゃらん」で「休暇村 大久野島」を予約。今回利用したプランは、色々な特典が付いた「今日からあなたも 兎人(うさんちゅ)プラン」。お値段は、1泊2食付 1人8400円。今回はじゃらんポイントを使ったので、7600円になった。

出発3日間前に予約が完了し、1泊2日の旅のはじまり、はじまり〜♪

いきなりハプニング・・・

大阪(8:15頃)→姫路(9:30頃) 【新快速】

6時半に起床して、少し早めに家を出る。

しかし…、今年最後の旅なのに、早速ハプニングが発生。貨物列車の車両故障とやらで、一向に電車が来ないのだ。電車がやってきても、満員御礼状態。

そんなわけで、約35分遅れの新快速電車に何とかのり、一路西へ目指す。なんとも、幸先の悪いスタートだ。

予定より27分遅れで、姫路に9:30頃着。

18きっぷでひたすら西を目指す

姫路(9:39)→播州赤穂(10:10) 【普通】
播州赤穂(10:40)→赤穂(13:43) 【普通】

姫路で9:39発の赤穂行き普通電車に乗り換える。相生で山陽本線の電車に乗り換えた方が早く着くが、18きっぷのシーズンは混雑してることが多い。それよりは、空いている赤穂線経由にした方がゆったり旅を楽しめるので、そのまま播州赤穂まで乗り通す(10:10着)。

駅前を少しウロウロした後、10:40発の三原行き普通電車に乗る。そして、発車するやいなや、かなり早めの昼ごはん。朝ごはんが早かったのと、夜はバイキングなので、早めに食べておこうというわけだ。それにしても、早ずぎる…。

赤穂線は一部区間だが、風光明媚な海沿いを通る。特に、日生付近の海の車窓はオススメだ。

赤穂線の中でも日生付近の車窓はオススメ

赤穂線の中でも日生付近の車窓はオススメ

赤穂から約3時間ひたすら乗りっぱなし。尾道大橋が見えると、見覚えのある尾道の風情ある街なみが車窓にうつる。

この橋が見えると、見覚えのある尾道の街が見える

この橋が見えると、見覚えのある尾道の街が見える

尾道〜竹原間ではしまなみ海道の橋も見える

尾道〜竹原間ではしまなみ海道の橋も見える

お尻が痛くなる頃、ようやく三原に到着する(13:43着)。

三原駅

三原駅

ずっと電車に揺られていたが、ここでの休憩時間はたったの10分。再び、13:53発の呉線の普通電車に揺られ、ようやく大久野島の最寄り駅である、忠海に到着。朝の電車の遅れのせいで、予定より2時間ほど遅れての到着になってしまった(14:15着)。

忠海駅

忠海駅

忠海から船で大久野島へ

忠海→忠海港 【徒歩】
忠海港(14:30)→大久野島(14:42) 【フェリー】大三島フェリー

忠海は大久野島の最寄駅といえど、「島」という名前が付いているからには、船に乗らなければならない。駅から忠海港まで歩く。港は近く、歩いても5分ちょっとぐらいだ。

忠海港

忠海港

休暇村の小型船と大三島のフェリーが共同運航しているが、今回乗船したのは、14:30発のフェリー。天気がとってもよく、デッキに出ると、とっても気持ちがいい〜♪

忠海から見た大久野島(すぐ近くに見えている)

忠海から見た大久野島(すぐ近くに見えている)

忠海を出航して、たったの12分で大久野島に上陸(14:42着)。

うさぎ達が待つ「大久野島」はすぐソコ

うさぎ達が待つ「大久野島」はすぐソコ

「休暇村 大久野島」にチェックイン

船を下りると、無料送迎バスがスタンバイしており、吸い込まれるように乗り込む。大久野島は一般車の乗り入れが禁止されていて、走っている車は休暇村の業務用車両のみなのだ。

港から休暇村本館までは、送迎バスで5分もかからない。バスを下り、フロントでチェックイン手続きをする。最近の休暇村は、一流ホテルのような堅苦しさもなく、一方で安いビジネスホテルのような雰囲気もなく、清潔感というか、無駄のない洗練された過不足のない接客に好感を持てる。

休暇村「大久野島」玄関前

休暇村「大久野島」玄関前

今回利用したプランは、「今日からあなたも 兎人(うさんちゅ)プラン」。そんなわけで、当然のことながら、ウサギにまつわる特典が付いてくる。その特典の一つが「うさぎのごはんあげ放題」。宿泊期間中、何度でも利用できる「ウサギのごはん券」を受け取る。

そして、プランと関係なく、うさんちゅグッズをもらえる「ECO贔屓(ひいき)宣言」を利用。フェイスタオルと歯ブラシを持参すると、いくつかのうさんちゅグッズの中から好きなモノを1人1つもらえるのだ。色々と迷った挙句、夫婦で色違いのうさぎの箸置きをゲット!

「うさぎのごはんあげ放題券」と「うさぎの箸置き」

「うさぎのごはんあげ放題券」と「うさぎの箸置き」

さらに、宿泊プラン自体にも、うさんちゅグッズをもらえる特典があるのだ。

「何がもらえるのかなぁ〜?」と期待していると、フロントのお兄さんがさらっと出してきたのは、何の可愛げもない「兎人」とプリントされた黒いクリアファイル。使い道が微妙でちょっとガックリ…。

可愛げのない「兎人」クリアファイル

可愛げのない「兎人」クリアファイル

休暇村によっては、部屋まで案内してくれることもあるが、ここではガキを渡され、部屋までの案内はない。部屋に入ると、お決まりのお茶と和菓子。お腹が減っていたので、つい食べてしまう。夕飯に備えて、お腹を減らしておかないと…。

お決まりの茶菓子

お決まりの茶菓子

部屋は10畳の和室で2人では広すぎるぐらい。豪華さはないが、シンプルで清潔感いっぱいの部屋だ。アウトバスだが、ウォシュレット付きのトイレは付いている。最近の休暇村はエコ志向なようで、電気ポットの電源は抜いてある。

清潔感あふれる広々とした和室

清潔感あふれる広々とした和室

ちょっと微妙な「大久野島ビジターセンター」

部屋で一息ついた後は、周辺散策へ。休暇村本館から歩いて2〜3分のところには、2つの施設がある。1つは入館料無料の「大久野島ビジターセンター」、もう1つは有料の「大久野島毒ガス資料館」。

両施設をゆっくりみたいが、明日29日からは年末年始で休み。さらに、両施設共に、16時で閉館。そうなると、あと1時間弱しかなく、両施設を見るのは難しそう…。そんなわけで、以前ちょっとだけ見たことがある「大久野島毒ガス資料館」はパスして、はじめての「大久野島ビジターセンター」へ。

期待して入った「大久野島ビジターセンター」は、大久野島の文化や歴史を展示する環境省が作った施設。展示内容はそれほど多くなく、内容もちょっと微妙かなぁ…。最近、国が作ったと思われるビジターセンターを各地で見るが、せっかくの建物なのに、もったいない使い方をしているところが多いような気がする。

穏やかな瀬戸内の海を見ながらの「うさぎセラピー」

16時を過ぎ、両施設共に閉館してしまった。となれば、あとはうさぎに遊んでもらうしかない。フロントで「うさぎのごはんあげ放題カード」を見せて、うさぎのごはん(定価100円)を2袋もらう。

うさぎのごはん(定価100円)

うさぎのごはん(定価100円)

うさぎのごはんが入った袋をジャラジャラ鳴らすだけで、うさぎ達はえさがもらえると思って、駆け寄ってくる。それがかなりかわいい。しかし、大久野島のうさぎは触れられるのがとっても嫌いらしく、駆け寄ってきたので、触ろうとすると、機敏に「回れ右!」をして、去っていく。なかなか現金な奴らだ!

手のひらにエサを出すと、駆け寄ってくる

手のひらにエサを出すと、駆け寄ってくる

二足立ちするうさぎ

二足立ちするうさぎ

お手のうさぎバージョン♪

お手のうさぎバージョン♪

口がモグモグ動くのがかわいい♪

口がモグモグ動くのがかわいい♪

どアップ!

どアップ!

海を眺めながら、うさぎとしばし戯れる。瀬戸内の海はとっても穏やかでほっこりする♪

第一桟橋(朝夕のみ使われる桟橋)

第一桟橋(朝夕のみ使われる桟橋)

海のすぐ向こうはしまなみ海道の一つ「大三島」

海のすぐ向こうはしまなみ海道の一つ「大三島」

奥に見えるのは、忠海側

奥に見えるのは、忠海側

暗い歴史を持つ「地図から消された島」

16時半少し前。もうすぐ夕暮れ時だ。大久野島の中心部には少し小高い山があり、頂上には、瀬戸内海が見渡せる「ひょっこり展望台」がある。「ひょっこり」の名前の由来は、大久野島のすぐ傍にある小島が「ひょっこりひょうたん島」のモデルになった島だからだとか…。

夕食前の運動に、展望台を目指して、舗装されたアスファルトの道を登り始める。10分ほど坂を登ると、「南部砲台跡」があり、なんとも重々しい雰囲気を醸し出したコンクリート造りの建造物が見えてくる。

重々しい雰囲気の「南部砲台跡」

重々しい雰囲気の「南部砲台跡」

大三島へ中継する電力鉄塔がそびえたつ

大三島へ中継する電力鉄塔がそびえたつ

ちなみに、今は瀬戸内海に浮かぶとってものどかな大久野島だが、過去には暗い時代があったのだ。通称「地図から消された島」、これが過去の大久野島の別名だ。

戦時中には毒ガス工場が建設され、化学兵器が製造されていた。そういった経緯もあり、砲台跡や発電所跡など、様々な戦争遺跡が島内には残されている。それらの詳しい内容を毒ガス資料館で知ることができる。

夕暮れ色に染まる瀬戸の島々

南部砲台跡からさらに歩くこと15分、ようやく展望台に到着。意外と急な上り坂でちょっと息が切れ気味…。しかし、天気はよく、目の前には青々として瀬戸内海が広がり、とっても気持ちがいい。

展望台からの眺めはサイコーだ!

展望台からの眺めはサイコーだ!

こんな山の上(といっても、標高90メートル)にもうさぎ達がウロウロしている。どうも、大久野島のうさぎ達は、それぞれでテリトリーがあるようで、島内のあちこちで生息しているらしい…。

こんな山の上にもうさぎ達が…

こんな山の上にもうさぎ達が…

うさぎと戯れているうちに、あっという間に夕暮れの時刻。ついさっきまで青々しかった海は、次第に夕暮れ色に染まってくる。見とれてしまう美しさだ。

瀬戸の夕暮れはとってもキレイ♪

瀬戸の夕暮れはとってもキレイ♪

無色透明のラジウム温泉でほっこり♪

帰りは行きと反対側の西側から山を下りる。下っている途中で夕日はどんどん沈んでいき、山の後ろに隠れかけている。それと共に、周辺がどんどん暗くなってきたので、ちょっと焦り気味で下った。

山を下っていると、休暇村本館が見える

山を下っていると、休暇村本館が見える

瀬戸の島々に沈んでいく夕日

瀬戸の島々に沈んでいく夕日

17時過ぎ、部屋に戻り、冷えたからだを温めるために、大浴場へ。「休暇村 大久野島」には、男女各2つの浴場がある。一つは大きめの浴場、もう一つは少しこじんまりした浴場だ。

今回は、大きい方の浴場へ。大きいといっても、それほど大きくはないが、宿泊収容人数もそれほど多くないので、入った時には僕以外に数人程度、最後には貸切状態になっていた。

泉質は無色透明のラジウム温泉。掛け流しではなく、循環式のようだ。無色透明なところもあって、温泉らしくない温泉といった感じだが、十分に温まることができた。

海の幸いっぱい「瀬戸内こだわりバイキング」

いよいよ、お楽しみの夕食バイキング。以前訪れた時はバイキング方式でなかったので、ちょっと楽しみだ。食事会場は、1Fにあるレストラン。部屋番号を伝え、テーブル席に案内してもらう。入口に近い席は、フロントからの外気が入って、ちょっと寒い…。

1Fロビー前にある「レストラン 愛らんど」

1Fロビー前にある「レストラン 愛らんど」

海の幸中心のバイキングは、前評判どおり、なかなか良かった。今まで、五色台・伊良湖・陸中宮古などの夕食バイキングを体験したが、ここの休暇村のバイキングが一番いいかもしれない。

メニューは、かなり豊富。ホタテ・かつおのカルパッチョ・うざく・さわらの笹包み・タコの柔らか煮・太刀魚の串刺しフライ・タコチリ・サラダなどなど。そして、タコやハマチなどのお刺身とっても新鮮で美味。

これらのメニューは、作り置きなので、ちょっと冷め気味だが、オープンキッチンではフレンドリーに話しかけてくれるコックさんが目の前で調理してくれる。なんといっても、熱々の牡蠣フライは絶品モノ。広島産という牡蠣は、全く生臭くなく、すっきりとした味わい。以前、東予の休暇村で食べたカキフライは生臭かったが、ここのは大丈夫。味としては、厚岸で食べた牡蠣にはちょっと負けるが、それに匹敵するクオリティだった。

海の幸メニューがいっぱい♪

海の幸メニューがいっぱい♪

「タコの柔らか煮」は絶品!

「タコの柔らか煮」は絶品!

お刺身は新鮮でコリコリしている

お刺身は新鮮でコリコリしている

ちなみに、尾道ラーメンもあったが、味はびっくりするほど、微妙だった…。これは、おいしいものをたっぷり食べるためにも、強くオススメしない。

さてさて、デザートの方は、ほどほどに充実。ゆずもち・抹茶わらびもちなどの和デザートから、チーズケーキ・バナーヌなどの洋デザートにアイスクリームも揃う。ケーキは冷凍モノ(?)っぽい感じだが、それなりにおいしい。

和洋デザートが揃う

和洋デザートが揃う

抹茶アイスはなぜかよくのび〜る

抹茶アイスはなぜかよくのび〜る

ちょっとかわいそうな「海ほたる観察会」

食後は、20時からの「海ほたる観察会」に参加する。

1Fのホールのような場所で開催される観察会では、海岸で捕ってきた海ほたるに電気で刺激を与え、光るところをみせてくれる。キレイだけど、電気ショックを与えられる海ほたるは、ちょっとかわいそう…。

観察会が終わった後は、バイキングでいっぱい食べたにもかかわらず、売店でアイスを購入。ぶどうの手作りジェラードは330円とちょっと値が張ったが、とってもおいしかった。

食後のデザート

食後のデザート

部屋から外を眺めると、暗闇の中でうさぎ達がちょこちょこ動いていた。「明日もいっぱいうさぎに遊んでもらうぞ!」とワクワクしながら、眠りについた。


[旅行記に出てくる地域近辺の宿かも?]