高速バスで行く東京ディズニーリゾート節約旅行記

大自然もいいけど、たまには人の手によって造られた夢の世界にも行きたくなるもの。往路は夜行バス、復路は昼間の高速バスで移動。そして、ビジネスホテルに3連泊。今回の旅は、大阪から1人35000円で、ディズニーリゾートを丸々3日間満喫した、4泊5日の節約旅行記。

  
1日目 (2009年11月20日)
[プロローグ(1)] ぼったくりのディズニーリゾート

未だになぜ行くことになったのか定かではない・・・。

気がつくと、旅行出発の当日を迎えていた今回の旅。

「なぜ旅に出ることになったのか?」

よーく考えて見れば、1週間ちょっと前に、駅の旅行センターでもらったディズニーリゾートのパンフレットが原因かもしれない。会社の行き帰りや街中でカフェする時の暇つぶしに、旅行会社のパンフレットは常にカバンに入れているのだ。

別にどこへ行くとはなしに、旅行のパンフレットを眺めていることが多いのだが、偶然目にとまった「ディズニーリゾート」がきっと気になったに違いない。

どうせディズニーに行くならば、奮発してディズニーオフィシャルホテルに泊まりたくなるものだ。しかし…、次の旅のターゲットとなる秋の三連休ツアーの代金を見れば、たった2泊3日で1人12万円。なんたる法外な金額、奮発するにしても、限度があるではないか!

まさしく、ぼったくりだ!

[プロローグ(2)] いかにディズニーに安くいくか?(交通アクセス編)

あまりの高さに手が届かないと思えば、なおさら行きたくなるのが、人情というもの。具体的に行くというわけでなくとも、とりあえず安くいく方法を探りたくなるのが、管理人の性。

あれこれ考えていると、いろいろな妙案が…。

3連休といえば、ビジネス路線となる東京〜大阪間の航空運賃は比較的安くなる。1日前まで購入が可能なJALの「特割1」を利用すれば、片道12000円程度だ。そして、復路は西日本JRバス(JR関東バス)が運行している、昼行高速バス「東海道昼特急」または「中央道昼特急」を使えば、片道5000円程度。つまり、往復で約17000円程度。往復新幹線と比較すれば、およそ9000円も節約できるのだ。

往復の交通手段が決まれば、後はホテルだ。ディズニーランドオフィシャルホテルはもちろん、パートナーホテルやグットネイバーホテルは、折りしも三連休だけあって、どこのホテルも1泊朝食付で2〜4万円。3泊すれば、10万円コース。まったく、話にならない。

少し足を延ばして、夏頃に出張で宿泊した幕張付近を探してみたが、幕張・千葉のホテルは既に満室。仮にあっても、1人1泊最低1万円。

う〜ん・・・、悩んでしまうが、ここでヘコたれるわけにはいかない。旅には必ず節約の解決策があるのだ!

そして導き出した結論が、京葉線の八丁堀駅周辺エリアのホテル。ディズニーリゾートの最寄駅舞浜から電車で12〜14分程度。駅から徒歩5〜15分圏内はまさしくビジネス街のため、土休日は安く提供していホテルが多いのだ。

そんなエリアから選んだホテルは「京王プレッソイン茅場町」。1泊目は「楽天トラベル」から『夢眠【ム〜ミン】プラン2009』で予約。1泊ダブル朝食付 2人で9450円。500円のQUOカード付き。三連休の初日にしては、なかなかお買い得だ。そして、2泊目と3泊目は「じゃらん」から連泊プランで予約。さらに安くなり、1泊ダブル朝食付 2人で6000円だ。

つまり、2人で3泊朝食付で21450円。オフィシャルホテルならば、1人の1泊分だ…。

[プロローグ(3)] ディズニーを侮ることなかれ!(入場券ゲット編)

往復の足とホテルの予約は、もう完璧。残るは、ディズニーリゾートの入場券のみ。

「なぜ、入場券?」と思った人は、ディズニーリゾートをなめている証拠。侮ることなかれ!

秋の三連休やゴールデンウィークなどの混雑日には、当日券の販売が休止され、入場制限がかかる場合もあるのだ。運が悪ければ、朝行ったのに、入れたのは昼過ぎや夕方なんてこともあるそうな。

そこで、登場するのが「入場予約券」。ローソンなどのコンビニ、JRのみどりの窓口、旅行会社などで購入できる、日にち指定の入場券だ。ただ、あくまで予約券なので、入場は保証されているものの、予約券をパスポートに交換してもらうため、当日は窓口に並ぶ必要がある。

ディズニーといえば、平日でも大混雑であることは有名なお話。自分のことはさておき、「君たち、学校はどうしんだ!」 「おぃおぃ、会社に行かなくていいのか!」と突っ込みたくなるぐらいに、平日でも人だらけ。そんなわけだから、予約券をパスポートに交換してもらうだけでも、もう大変!

そこで、必殺技が登場するのだ!

全国の一部のディズニーストアでは、そのまま入場できるパスポート券を販売している。つまり、ディズニーストアで事前に購入すれば、当日はそのまま入場ゲートへ直行できるのだ!

幸い、大阪にもパスポートが購入できるディズニーストアが数店舗がある。そこで、旅行出発前の日曜日に、梅田のHEPの中にあるディズニーストアへ。

今回は交通費を出してせっかくいくのだから、3日間連続入場できる「3デーマジックパスポート」(12900円)を奮発する。1日目と2日目はディズニーランドまたはディズニーシーのどちらに入場するかを購入時に指定する必要がある。3日目は指定しなくとも、ランドとシーを自由に行き来することができる。

しかし・・・、さすがはディズニー、侮ることなかれ

チケットカウンターの前には、三連休の中日となる22日のランド事前販売分が売り止め(売り切れ)との立て札が…。ということで、必然的に、1日目(21日)はランド、2日目(22日)がシー、3日目(23日)は両パーク入場可能な「3デーマジックパスポート」を無事購入した。

[プロローグ(4)] パークイン当日の作戦変更!

ここで、奥さんと急遽作戦会議!

相変わらず、ディズニー人気は半端じゃないようだ。今計画している予定では、1日目(21日)は、早朝に家を出発し、伊丹から羽田入り。つまり、舞浜に到着できるのは、早くて10:30頃、遅ければ11:00前だろう…。

ディズニー攻略本によれば、開園直後にいかにうまくファストパス(アトラクションの優先入場券)をゲットするかが勝負の分かれ目とある。下手をすれば、すべてのアトラクションのファストパスの発券が完了しているという可能性もゼロではない。

そして、気づけば・・・、前日(20日・金曜日)の夜行バスを予約していた…。つまり、金曜の夜に夜行バスで出発し、土・日・月とディズニーを満喫、そして、火曜日の昼行高速バスで帰るという行程となった。

結果的には、往復高速バス+ビジネスホテル3泊+3デーマジックパスポート付きで1人35000円。12900円の3デーマジックパスポートが含まれていることを考えると、世間のツアーパックと比べても、遜色のない価格だ。往路を飛行機から夜行バスにしたことでさらに節約となったが、体が持つんだろうか・・・?

こうして、夢と魔法の国「ディズニーリゾート」への旅の当日を迎えた。

旅のはじまりは、高速夜行バス「中央ドリーム京都82号」

京都駅烏丸口(22:30)→新宿駅新南口(翌朝6:22) 【バス】西日本JRバス「中央ドリーム京都82号」

18時頃に仕事を終わらせ、会社を出る。そして、一旦自宅へ。昨夜の残りのカレーを食べて、お風呂に入る。

いよいよ旅のはじまり。夜行バスの出発地である京都駅へ。

京都駅

京都駅

今回乗車するのは、西日本JRバス(JRバス関東との共同運行)が運行する、京都駅烏丸口22:30発の「中央ドリーム京都82号」。一概に言えないかもしれないが、過酷な運転行程を強いられている中小の格安高速バス会社と比較して、大手(JR系)という点では勤務体系もしっかりしてそうで安心感がある。

お値段も格安高速バスと遜色はなく、トイレ付の独立3列シート、ブランケット&スリッパ付で、京都→新宿が片道8180円。さらに、今回は乗車日の5日以上前に購入したので、「早割5」が適用され、1000円引の7180円。

しかし、割引はこれだけではない。「高速バスネット」から予約したので、「ネット割」が適用され、さらに2%引となり、6890円。

さらにさらに、今回の乗車路線をお気に入り路線として登録しておくと、グループで購入した場合、運賃が最も高額となる1人分の運賃が2%引となり、6750円となる。つまり、夫婦合わせて、6890円+6750円=13940円で東京まで行けてしまうのだ。新大阪→東京の新幹線のぞみ指定席とほぼ同額と考えると、やっぱり安い!

夜行バスのオススメの席は?

「高速バスネット」では、クレジットカード決済すると、座席表の中から好きな席を選択することができる。事前調べたネットの情報によると、後ろに誰もいない席がオススメだとか…。なぜなら、このドリーム号のシートは、目一杯後ろに倒すことができるのだが、後ろに人がいると、なかなか気を遣って、倒しにくいためらしい。

そんな中で、パンフレットの「車両毎に若干異なります」という断り書きを見ながらも、掲載されているシートマップを元に、後ろに座席がない「6A」と「7B」を予約する。奥さんと少し離れてしまうが、どうせ寝てしまうのだから、問題ない。

京都駅のバス乗り場周辺は小さな待合所しかなく、まさしく野ざらし待合所状態。京都駅だけでなく、大阪駅も同じような感じで、最近の高速バスブームに反して、利用軽視の対応だ。乗り場付近は、若者を中心に多くの乗客が集まっている。今回乗車する「ドリーム号」よりも安価な4列シートやトイレなしの「青春ドリーム号」など、次々と東京へ向けてバスが発車していく。

最近では、すっかり18きっぷで乗れる夜行列車ブームは去り、どんどん廃止されていっているが、この光景を見ていると、かつて18きっぷで旅した若者たちはもう存在しない。今の若者は、高速バスを有効活用しているようだ。特に、女性客が目立つのも夜行バスの特長の一つ。最近では、「レディースドリーム」なんていう女性専用車両まで運行されている。

180度近くまで倒れる快適シート

いよいよ、バスがやってくる。僕たちが乗車する「中央ドリーム京都82号」は、東名道ではなく、中央道を経由して、新宿を目指す。好評なようで、今回は2台体制での運行。僕たちは2台目の2号車だ。

荷物をトランクルームに預ける人が多いなか、たいした荷物ではないので、車内に持って入る。

車両はダブルデッカー車で今回指定された席は2階。シートは2列(A席とB席)+1列(C席)の独立型3列シート。B席とC席の間が通路、A席とB席の間は大型時刻表の長辺程度の隙間がある。

僕の席はA席。パンパンに詰め込んだ旅行カバンをA席とB席の間に何とか押し込むが、隣のB席に誰か来ることを考えると、遠慮がちに置かざるを得ないので、ちょっと窮屈。どうせなら、トランクに預けておいた方がよかったかも…?

高速道路を走行するので、シートベルトを締めて、その上がブランケットをかける。フットレストはもちろん、太ももから足首までをサポートするレッグレストも装備している。冷え込む季節だが、フットレストが温かいのポイントが高い。

出発間近に運転手さんがやってきて、「7B席」に座ってる奥さんに、「6A席の方とお知り合いでしたら、前に移ってもらっていいですよ!」と声を掛けてくれる。運転手さんはあらかじめ座席指定表を持っているため、どこに空席があるのか分かるのだ。さらに、「中央ドリーム京都82号」は京都を出発すると、新宿付近まではノンストップで誰も乗ってこないため、気を利かせて声をかけてくれたわけだ。

後ろが通路で誰もいないのを理由に「7B席」を選んだわけだが、その奥さんが「6B席」に移っても、元々「7B席」は奥さんが座る予定だったので、誰も来るはずがない。つまり、結局のところ、後ろに誰もこないわけだ。

そんなわけで、奥さんと並びの席で思いっきり、席をぐいっと後ろに倒す。ちなみに、他の人を見ていると、やはり後ろの人に気を遣っているのか、ほとんどの人は申し訳程度に倒すだけ。そういう意味では、この席はなかなかお得な席だ。

仮に、1人旅でA席に座り、B席に他人が座った状態で、周りの人が全員フルリクライニングすると、脱出不能となり、途中休憩はおろか、トイレにもいけないだろう。そういう意味では、1人旅ならば、C席がオススメ。

夢の世界へ

京都駅を少し遅れて出発したバスは、京都市内を通り抜け、京都東インターから名神高速道路へ入る。夜行バスならではの気を利かした運転のようで、発進と停車が非常に緩やかだ。

高速道路に入ると、カーテンは閉められてるものの、高速道路の明かりが隙間から進入してきて、ちょっとまぶしい。そして、気づけば、ウトウト・・・。

養老インターで下車可能な休憩。かなりの乗客が下車していたようだったが、夢うつつで降りず…。そして、夢の世界「ディズニー」を夢見て、再び眠りについた。


[旅行記に出てくる地域近辺の宿かも?]