本日の天気は良好。窓から外を眺めると、風がかなりきついようだ。
朝食会場は、夕食と同じく、1階の食堂だ。メニューは和朝食。ごはん・たまご・漬物・かまぼこ・豆腐・味噌汁・焼き魚だ。希望者には納豆もつけてもらえる。また、たまごは希望により、目玉焼きに交換してもらえる。
和朝食
ちなみに、朝食を付けていない人にも簡単な軽食が付いてくる。メニューは、小さなパン二つと飲み物。飲み物は、ホットコーヒーもしくは冷蔵庫に入っている牛乳・コーヒー牛乳・ジュース・缶コーヒーなどから1つだけ選べる。
このホテルがすごいのはここからだ。朝食付メニューの宿泊客は、この軽食も楽しむことができる。そんなわけで、冷蔵庫からビン入りのコーヒー牛乳を取り出して、ゴクリと飲む。パンはお腹がいっぱいなので、お持ち帰りにする。コンビニやスーパーで売っている大袋のパンを小さなビニール袋に小分けしてあるので、食堂で食べることもできるし、部屋へ持ち帰ることもできるのだ。
8:35に出航する高松行フェリーに乗船するため、早めにチェックアウトする。
1泊2食付で1人6800円。昨日の焼酎もサービス満点の量だったので、いくらかと思いきや、たったの450円。湯快リゾート以下の料金、そして、居酒屋より安いお酒代。
さらに、出発の時には小豆島の名産品から1品お土産をもらえる。今回選んだのは、島せんぺい。島のお醤油屋さんが作った揚げせんべい。そして、みかんを2つサービスしてもらった。
部屋のレベルに若干問題はあるものの、かなりオトク感のあるホテルだった。小豆島には多くのリゾートホテルもあるが、ちょっとした時、島へ訪れて泊まるには全く問題のない宿だ。このホテルの系列で「マルセ」という食堂もやっているようだ。ドラマ「ラブレターの最終回が放映される春頃に再び訪れ、お昼ご飯でも食べてみたい。
今回お世話になった「ホテルニューポート」
土庄港(8:35)→高松港(9:35) 【フェリー】四国フェリー
ホテルの目の前が土庄港ターミナルだ。徒歩30秒。
徒歩30秒の土庄港ターミナル
出航を待つ高松行フェリー
ターミナルの自動券売機で乗船券を購入する。土庄〜高松は670円。
定刻8:35に土庄港を出航する。高松行の四国フェリーは大混雑。ソファが並ぶ広い客室は満席。法事に行くおじいさん、買い物にいくおばあさん、遊びにいく中高生などなど、客層はいろいろ。
小豆島の人たちが高松へいく感覚は、関西圏の人が梅田やなんばへ買い物に行くのと同じ感覚なのかもしれない。確かに、フェリーなら1時間、高速船ならたったの30分。関西圏の通勤時間と比較しても、平均もしくは短いぐらいだ。
土庄港を後にする
瀬戸内海の島々がキレイだ
雲ひとつない晴天の航海
小豆島を出た時は晴天だった天気だが、高松に到着するとすっかりどんより雲。たいした距離を移動したわけでないのに、すごい天候の変わりようだ。約1時間ほどで高松港に到着(9:35着)。
どんより雲の高松港
高松港(10:00)→男木島(10:40) 【フェリー】雄雌島海運
今回の旅のテーマは、TBS系ドラマ「ラブレター」のロケ地めぐり。昨日はエンジェルロードを楽しんだが、今日もロケ地めぐりは続く。目指すは「男木島」。
高松から北へ7.5キロ、フェリーで40分。周囲4.7キロ、人口は200〜300人程度の小さな島だ。この島にある「男木島灯台」は美波と海司にとって重要な場所であり、ドラマ上では小豆島の設定で登場する。
土庄港からのフェリーを降り、10時発の男木島行の雄雌島海運のフェリーに乗りかえる。乗船券は、往復1000円だ。途中、男木島に対して女木島と呼ばれる島に寄港。通称鬼が島とも呼ばれ、島には鬼が島伝説があるようで、鬼が住む洞窟が観光施設としてある。
小さな客室でほっこりしているうちに、男木島に到着(10:40着)。
小さなフェリー「めおん2」
フェリーを降りると、下船客は方々へ散らばり、気がつけば港は僕たちだけになっていた。天気は再びよくなったものの、強い風が吹き付け、とっても寒い。
僕たちだけになった港
男木島港→男木島灯台 【徒歩】
事前にネットで印刷してきた地図を片手に、男木島灯台を目指す。港からは2キロほど離れている。小さな島にはタクシーやバスはないので、歩きしかない。
海沿いの細いアスファルトを歩きはじめる。過疎化が進んでいるのだろうか、人はおろか、車もほとんど見かけない。まるで、誰もいない無人島ではないかとおもうほどの静けさがあり、少し薄気味悪いものさえ感じる。
畑にはさまれた道を歩く
瀬戸内海の海は特有の温かさを感じる
まもなく灯台かと思ったところに、看板を発見。どうやら、右の山道へ進むと、「ジイの穴」や「タンク岩」といった観光スポットがあるようだ。そんなわけで、ちょっと冒険心がくすぐったのか、山道を突き進むことにする。
冒険心をくすぐる看板
入り口は歩きやすそうな遊歩道に見えたが…
落ち葉で埋め尽くされた山道
落ち葉で滑落してしまいそうな細い道を歩くこと、20分少し。「ジイの穴」と「展望台」へ向かう分岐点。あと100メートルほどで展望台へたどり着けるのだが、あいにく奥さんの足の痛みがかなり悪化。大事をとって、今回は諦め、灯台の方を目指すことにする。
気になるところだが、再び春にでも訪れよう。
今回は、ジイの穴は断念
ここからの眺めもなかなかよい
奥さんの足がどんどん悪するばかりなので、道の脇にあった木の棒を杖がわりにゲット!
しかし、ここからが長かった…。ひたすら足に負担のかかる下り坂が続く…。幸いなことに、「ジイの穴」への分岐点までは崖っぷちの獣道だったが、分岐点以降はキレイに整備された遊歩道で歩きやすかった。
杖がわりに活躍した木
整備された遊歩道(下り坂)がつづく
次の見所スポットは「タンク岩」。天然記念物に指定されているという柱状節理というらしいが、単なる岩にしか見えなかった。タンクの由来は、戦車(=タンク)に見えるかららしい。
期待はずれのタンク岩
さらに下っていくと、道の脇に水仙(すいせん)がキレイに咲いている。まだ満開というわけでないが、もう少しすると、この遊歩道の両脇がスイセンで彩られるようだ。
後で観光案内を見て分かるのだが、この水仙郷を一つの観光スポットとして盛り上げようしているようだ。
淡路島の水仙郷にちょっと似ている
まだ満開ではないが、それなりにキレイ
そして、ようやく男木島灯台に到着。気がつけば、12:30過ぎ。つまり、脇道にそれてから、1時間ちょっとさまよったのだ。時間はロスしたが、水仙に出会えたのは収穫だった。次回訪れるときは、歩きやすい灯台側から入る方がよさそうだ。
ようやく男木島灯台に到着!
分かりやすい案内図も灯台側にはある
男木島灯台→男木島港 【徒歩】
灯台は強い木枯らしが吹き荒れ、瀬戸内海とは思えない寒さ。暖をとるため、早速灯台に隣接している灯台資料館に駆け込む。ここで、フェリーを降りてから初めて人に遭遇。どうやら灯台資料館の係員のおじさんのようだ。こんな日に訪れる人は誰もいないのか、電気が消されていたようで、館内の電気を付けてくれた。
男木島灯台資料館
館内は学校の教室程度の展示スペースがあり、スリッパにはきかえて入る。暖房は効いていなかったけど、外にいるよりははるかに暖かい。
御影石造りの灯台は全国でも珍しく、この灯台の歴史や機能に関する展示がこじんまりとまとめられている。さらに、灯台守をテーマにした映画「喜びも悲しみ幾歳月」のロケ地にもなったそうだが、残念ながら昭和32年の映画ということなので、全然分からなかった。
館内の展示物
いよいよ、灯台へ。ここがまさしく、美波と海司が語り合った灯台だ。二人が座っていた石の塀は立ち入り禁止スペースとなっていたので、砂浜から写真でパシャり。ドラマの設定では、この近くにエンジェルロードがあることになっている。
予定では、ここでまったりする予定だったけど、帰りのフェリーの時刻が迫っており、おまけに、信じられない寒さに負け、早々離れることにする。暖かくなった春ごろにお弁当を持って、ゆっくりと訪れてみたい。
二人が語り合った石塀(灯台の手前)
塀に上れそうだったけど、立ち入り禁止なのでガマン!
灯台の前は砂浜だ
帰りは、山道の遊歩道を通らず、普通のアスファルトの道を…。後で分かるのだが、行きに、看板に誘われて遊歩道に入ったポイントまで灯台から5分もかからなかった。つまり、たった5分の道をわざわざ1時間以上かけて歩いたのだ。
灯台から30分ほどで港へ戻ってくる。時間があれば、気になるカフェ兼食堂「円(まどか)」でゆっくりコーヒーでもと思っていたが、あいにく時間が中途半端。温かいお茶を自販機で買って、待合室でしばし待つ。
のどかな畑が続く道
男木島港から町並みをみる
男木島(14:00)→高松港(14:40) 【フェリー】雄雌島海運
男木島港14:00発のフェリーで再び高松へ戻る。お腹が減ってきたので、温かい船内で少し遅めのお昼ご飯。朝食でもらった小さなパンとお土産にもらったあげせんべい。この後、高松でさぬきうどんを食べる予定だったので、控えめに済ませる。
男木島を離れる船内より…
デッキから見える瀬戸内海はどんより〜
暖かい船内のソファでくつろぐ
そして、約40分ほどで高松港に到着(14:40着)。
高松港
高松といえば、やっぱり讃岐うどん。そんなわけで、讃岐うどん屋さんを求めて、商店街へ。
新しいお店を開拓しようと思うのだが、結局は行ったことがある「うどん市場」というお店へ。僕は、肉うどん(380円)+から揚げ(40円)。奥さんは、ぶっかけうどん(210円)+ちくわ天(90円)。二人合わせても、700円ちょっと。
あまりにも寒かったので、ひやあつというのを頼んでみる。冷たいうどんに熱いだしをかけるというものだ。温かいうどんは、どうしてもコシがなくなりがち。かといって、寒い冬に冷たいうどんは体が冷え切る。そんなときにオススメなのが、ひやあつ。
ここのうどんは、値段も安く、おいしく大満足。
商店街の中にある「うどん市場」
食後後は美波と海司が高松デートをした商店街をぶらぶら。デパートやお店を見てまわる。
高松(16:39)→岡山(17:33) 【快速】マリンライナー48号
目的のさぬきうどんも食べたので、ここからは、大阪を目指して、青春18きっぷの鈍行旅だ。
高松16:39の快速「マリンライナー48号」に乗車。初めはガラガラの車内だったが、発車直前になると、満席に…。瀬戸大橋が出来たことによって、高松と岡山に人の大動脈ができるいることを感じさせる。
都会の雰囲気の高松駅
高松駅の住人「親切な青鬼くん」
電車の中ではすっかり熟睡。気がつけば、岡山に到着(17:33着)。
岡山(17:40)→北長瀬(17:44) 【普通】
北長瀬(17:48)→岡山(17:54) 【普通】
岡山〜姫路間が18きっぷの旅では、難関区間なのだ。なぜならば、18きっぷシーズンになると、この区間の乗客は圧倒的に増え、座席争奪戦が繰り広げられる。さらには、争奪戦に負けると、1時間以上の立ちっぱなしという罰ゲームがあるのだ。
その争奪戦から回避するために、ふと思いついた作戦。それは、一つ前の駅に戻れば、いいのだ。岡山は中国地方の一大都市。となれば、乗る客が多ければ、降りる客も多いのだ。今回は普通乗車券ではなく、フリーパスの青春18きっぷを持っているので、キセルにもならない。
みどりの窓口においてある時刻表で急いで調べ、岡山17:40発の普通電車で、一つ前の北長瀬を目指す。たった4分で到着。
急いで、反対側のホームへ移動。ここで急いでしまったのが間違いのもとだった…。ナント乗ってしまった、北長瀬17:48発の普通電車は姫路までの直通電車ではなく、岡山止まりの電車だったのだ。本当は、さらに6分後の北長瀬17:54発の普通電車に乗らなくてはいけなかったのだ。
岡山(18:18)→播州赤穂(19:27) 【普通】
そんなわけで、単に岡山〜北長瀬を往復しただけで、再び作戦の練り直し。
結局、最終的な結論としては、ちょっと時間がかかるけど、赤穂線経由で帰ることにした。山陽本線で姫路へ向かう電車と比較すると、空いている傾向があるのだ。
新しく高架駅となった駅ビルのお土産物売り場をウロウロした後、岡山18:18発の播州赤穂行に乗り込む。
作戦どおり、余裕で座ることができ、熟睡しているうちに、播州赤穂に到着(19:27着)。
播州赤穂(21:00)→大阪(22:38) 【新快速】
そろそろお腹のムシも鳴る時刻。夕ご飯は播州赤穂ですませることにする。駅前にあるお店といえば、「すき家」と「かっぱ寿司」ぐらいしかない。牛丼か寿司か迷った挙句、今回は昨夜引き続いて、海の幸にしてみる。そういうわけで、「かっぱ寿司」へ。
よく見かけるものの、「かっぱ寿司」は初めて。不況のせいか、105円回転寿司は大盛況なようで、40分待ちの末、ようやく夕飯にありつく。
初めての「かっぱ寿司」。いつもの回転寿司屋とちょっと違ったメニューが新鮮でなかなか良かった。
駅前にある「かっぱ寿司」
播州赤穂駅
播州赤穂21:00発の新快速電車に乗り込む。この旅最後の電車だ。赤穂を出発した時はガラガラ。ゆったりした車内で今回の旅を振り返り、この旅を閉じた。
旅から帰った翌日(12日)の夜のこと。NHKで午後8時からやっている「鶴瓶の家族に乾杯」という番組を見ていると、ナント昨日いったばかりの小豆島が…。
さらに、鶴瓶が訪ねた食堂「マルセ」。それは、まさしく今回宿泊した「ホテルニューポート」の姉妹旅館兼食堂。
そして、登場したおばちゃん、それはまさしく「ホテルニューポート」で見たおばちゃんだった。「マルセ」と「ニューポート」の二つの宿を切り盛りしているそうだ。一昨日、昨日の話にもかかわらず、すごく懐かしく感じるひとときだった。
次回は「ラブレター」が最終回を迎える春に再び訪れてみたい・・・
(終わり)