今日は、山口旅行最終日。
下関から大阪まで、山陽本線を普通電車でひたすら旅する、青春18きっぷ鈍行旅。とはいえ、今日中に大阪へ着けばいいわけだから、時刻表で逆算すると、5時間ほどのロスタイムがある。つまり、この5時間が観光に充てられる時間だ。
下関駅を8時過ぎに出る普通電車に乗る予定だったが、ホテルで朝食のコンビニパンをゆっくり食べていたら、乗り遅れてしまった。
というわけで、駅周辺散策。駅から10分ほどのところにある「下関港国際ターミナル」へ行ってみる。折りしも、韓国からのフェリーが到着したところのようで、出国ゲートからどんどん日本語圏ではない団体が出てくる。トイレに行っても、言葉がなんのことやら…。まるで、外国に来たような感じ。ターミナルの前には、ハングルで団体名が書かれた観光バスが並ぶ。ちなみに、下関から見ると、フェリー1晩で行ける韓国は、はるかに時間と金のかかる北海道よりも近いのだ。
下関港国際ターミナル
関釜を結ぶ「はまゆう」
下関(9:00)→新山口(10:06) 【普通】
新山口(10:10)→岩国(12:20) 【普通】
下関駅9時ちょうどの新山口行き普通電車で鈍行旅がスタート。新山口で乗換え、ひたすら山陽路を東へ進む。
時刻表を駆使して割り出した、観光に寄り道できるロスタイムは5時間。宮島、尾道、倉敷などなど複数の候補地から選んだのは、岩国。僕は数年前に訪れたことがあったが、奥さんは初めて。そんなわけで、岩国に下車し、一旦鈍行の旅は休憩。
岩国駅
岩国→錦帯橋 【バス】岩国市交通局
錦帯橋→岩国 【バス】岩国市交通局
駅構内の観光案内所で土日限定の「錦帯橋周遊券」(1150円)を購入。往復バス+錦帯橋通行料+岩国城ロープウェイ往復+岩国城入城券がセットになっていて、とてもお買い得。駅コインロッカーに荷物を預けて、バスに乗車。バスは頻発しており、街中を走るせいか、地元の人もかなり多い。
錦帯橋のバス停で下車。そして、目の前が錦帯橋。木造5連のアーチ型橋だが、今の橋は平成16年に架け替えられた。ちょうど前回訪れたのが、その「平成の大架け替え」が行われている真っ最中だった。この錦帯橋だが、商売くさっているというのか、往復300円が必要だ。金を払ってまで橋を渡りたくない人は、ちょっと離れたところに無料のコンクリート橋も架かっている。
キレイな木造5連アーチの「錦帯橋」
「錦帯橋」を下から眺める
バス乗り場付近には土産物屋や旅館が集まる
空を映す「錦川」
お腹が虫が鳴いたので、お昼ご飯探し。目当ての店があったが、潰れてしまった模様。周辺には他にも潰れた店があり、不況を感じる。やっぱり、これも今話題の地域格差の影響だろうか?
お店に入って食べるのもいいが、せっかくなので、名物「岩国寿司」(500円)をテイクアウトして、錦川沿いのベンチで錦帯橋を見ながら食べる。ちょっと量は少ないかなという感じだが、味はまずまず。ギュっとご飯を押し込んだ、押し寿司だ。散りばめているパセリがアクセントになっている。
岩国寿司(500円)
食後はロープウェイで岩国城へ。これもセット券に含まれている。地域格差といいつつも、ロープウェイは満員盛況。まるで、通勤電車状態。ポツポツと雨がある中、3分ほどで標高約170メートルの城山へ。
ロープウェイ乗り場
満員盛況のロープウェイは音声ガイドのみ
展望台からの錦川と錦帯橋の眺めはとてもよい。遠くには瀬戸内海を眺めることもできる。残念なのは、天気だけ…。
錦川と錦帯橋
遠くには瀬戸内海のしまなみが…
ロープウェイ乗り場から坂道を登ること10分、岩国城に到着。昔から残存する「本物」の城ではない。城跡にコンクリートで造られた、ニセモノの城だ。つい1ヶ月前に「国宝 彦根城」に訪れたばかりの奥さんは「彦根城のすごさが分かった」と一言。確かに、ホンモノ(国宝)の城は違う。ホンモノの城に共通して言えることは、すべて木造で造られ、階段も極めて急だ。
コンクリート造りの「岩国城」
再び、ロープウェイに乗り、山を下りる。帰りもロープウェイは盛況のようで、臨時便だった。麓のロープウェイ乗り場付近は公園になっており、付近はウロウロと散策していると、神社を発見。神社の名前は「吉香神社」。今年二度目の初詣をしておく。
ここの神社は、ちょっと商売上手。お賽銭箱の上に、1回100円のおみくじが置いてある。こうされると、ついお賽銭を100円入れて、おみくじを引いてしまう。所詮おみくじなんて、タダの紙。ほとんど原価はかかっていない。こうすることで、お賽銭の単価が上がるのではないかと…。神社の人がここまで考えているか分からないけど、ちょっと感心!
ちなみに、奥さんは大吉、僕は小吉だった・・・がっくり。
吉香神社
付近には、にゃんこが多い
セット券のおかげで、十分に錦帯橋を満喫し、バスで岩国駅へ戻る。
岩国(15:39)→三原(17:30) 【快速】シティライナー
三原(17:37)→尾道(17:50) 【普通】
尾道(18:59)→姫路(21:48) 【普通】
姫路(21:57)→大阪(22:58) 【新快速】
岩国15:39発の普通電車で再び鈍行電車の旅へ。宮島、広島を通り、三原で乗換え、そして尾道で下車(17:50着)。ちょうど晩御飯の時間なので、夕食は尾道ラーメンに決定。いつも訪れる人気店「朱華園」まで行く時間はないので、駅の近くにある初めてお店に入ってみる。
尾道ラーメンに加えて、サラダ・唐揚げ・餃子がセットになった日替わりセット(700円)を注文。ボリュームは満点で大満足だったが、肝心のラーメンは…。確かに普通においしいのだが、尾道までやってきて食べる味ではなかった。腹いせに駅前のショッピングセンターでおやつのパンを買い込んで、再び電車に乗る。
尾道駅
後はひたすら電車の乗るのみ。岡山へ近づくにつれて、電車は大混雑。18きっぷ族と思われる、中年ぐらいの団体が非常に多い。おまけに、女子高生に匹敵するぐらい、酒を飲んで大声ではしゃぎ、マナーが悪い。情けない話だ。もはや、若者のための青春18きっぷではなく、中年のための青春18きっぷ。特に最近の若者、とりわけ女の子は高速バスを使う傾向が強いようにも思える。
下関を出発して、寄り道も含め、約14時間。ようやく大阪へ帰還。
何かと素通りになりがちな山口県だが、魅力的な観光地も少なくない。次回の山口旅行では、萩や角島大橋などにぜひ訪れてみたい。
(終わり)