「おとも de 種子島」20キロウォーク旅行記

貯まったJALのマイレージでなんとなく種子島へ。思わぬ展開から20キロウォークをやる羽目に…。そんなロケットの島「種子島」への3泊4日の旅行記。

  
1日目 (2006年10月06日)
勢い de おとも de 種子島へ

夏休みから2ヶ月。秋といえば、行楽、そして旅行。さらには、仕事で積もりゆくストレス。こんな悶々とした気分から旅ははじまった。

そのストレスを見透かしたように、クレジットカードで貯めたポイントでJALマイレージ(2万マイル)をゲット。そこで、JALの「おとも de マイル」を使って旅に出ることにした。「おとも de マイル」とは、まず「10000マイル」でマイルを消費する本人が国内線往復(任意区間)できる。さらに、同行者は「区間に応じた設定運賃」で国内線往復ができる。

「区間に応じた設定運賃」は搭乗距離により、数段階(18600円・20600円・24600円)に分かれていて、今回は20600円で利用できる区間をJALホームページで探してみた。

そこで、目に付いたのが「種子島」。伊丹から20600円で往復できる区間で一番搭乗距離が長い。なんと言っても、離島という響きに心が引き寄せられる。何があるんだか良く分からないが、勢いづいて、これだけの理由で予約を済ませる。

苦労した宿探し

伊丹からはJAC(日本エアコミューター)の1日1往復のみ。伊丹からは午後発、種子島からは午前発しかない。ゆっくりと観光するため、余裕を持った3泊の行程とした。

早速、じゃらんを始めとする宿泊予約サイトで宿探し。

あまり観光地化していないのだろうか? ネットで調べてみたが、ネット予約できる宿は数少ない。そして、ようやく見つけた南種子町の民宿(1泊2食付6300円)をとりあえず予約する。夫婦2人で3泊となると、37800円。建物も決してキレイとは言えない。そんな宿で4万円弱は…。

そういうわけで、googleを駆使して、種子島のあらゆる宿を徹底調査。その結果、南種子町の市街地から2キロ離れた場所に位置する「わたり温泉館」を見つけ、予約変更した。こちらは宿泊予約サイトには登録していないようで、公式サイトで電話番号を調べ、直接予約した。1泊1室 素泊まり6300円。夫婦2人で3泊しても、18900円。食事は付いていないが、どうにでもなる。前述の民宿の半額だ。

こうして、なんだか勢いだけで種子島旅行当日を迎えた。

ちょっと不安なボンバルディアQ400

伊丹空港(14:05)→種子島空港(15:25) 【飛行機】 JAC2457便

有休を取った金曜日。いつもの慌しさとは対照的に遅めの起床。そして、伊丹空港へ向かい、少し早めのチェックインを済ませる。そして、ちょうどお昼時だったので、空港内にある「MACOU'S BAGEL GAFE」で昼食。

平日昼間の伊丹空港はひっそりとしている

平日昼間の伊丹空港はひっそりとしている

セキュリティゲートを通過し、1日1往復しかない日本エアコミューター(JAC) 2457便が待つ、23番ゲートへ。機材は、ボンバルディアQ400、定員70名程度の小型プロペラ機。国内生産機であるYS-11の代替機として、低騒音・低燃費・ジェット機に近いスピードなどをウリにして登場した機体である。

しかし・・・、収束気味とは言え、昨年あたりからトラブル続きで新聞を賑わせていた機体だけあって、ちょっと身構えて搭乗する。

ちょっと危険な(?)ボンバルディアQ400(伊丹空港)

ちょっと危険な(?)ボンバルディアQ400(伊丹空港)

そんな心配をよそに、無事にテイクオフ。天候良好。神戸空港上空を通過し、四国南岸を眺めながらのフライト。ウリの低騒音であるが、窓側の席ではそれほど効果を感じられなかったが、通路側は確かに静かだ。シートは軽量化のせいか、かなりペラペラ。小型機材を使う区間にしては搭乗時間が長い「伊丹〜種子島」では若干の疲れを感じた。

鉄砲伝来の地「種子島」に到着!

日頃の行いがいいのか(?)、全くトラブルなく、1時間20分ほどで種子島空港に到着。くわえて、やはり日頃の行いがいいのか(?)、真っ青の雲ひとつない青空♪

この種子島空港は2006年3月に移転された新しい空港だ。以前は8キロ離れた、市街地に近い場所にあったらしいが、小型ジェット機に対応した滑走路を持つ空港にリニューアルされた。新空港は山の中にあり、レンタカーを使わない観光客から見ると、かなり不便な空港だ。

こじんまりとした「種子島空港」

こじんまりとした「種子島空港」

休む間もなく今度は鹿児島へ向かう便になる

休む間もなく今度は鹿児島へ向かう便になる

バス旅に優しくない種子島

種子島空港(16:00)→Aコープ前(16:39) 【バス】 大和バス(空港リムジン)

種子島内では、2社のバス会社が運行している。「種子島・屋久島交通」と「大和バス」。

事前にネットでバスの時刻を調べてみたが、とりあえず情報が無い。ようやく見つけた情報は、個人が運営している私設サイトの時刻表だった。それによれば、宿がある河内へ向かう「種子島・屋久島交通」のバスは、約2時間の待ち合わせ。

その待ち合わせを覚悟していたはずだったが、空港のバス停を見てみると、10分後に「大和バス」が宿の2キロ手前の南種子町の市街地まで向かうことが分かる。空港で待ちぼうけしていても仕方が無いので、飛び乗ってしまう。最悪、2キロぐらいならば、歩けばいいだけだから…。

名称こそ「空港リムジンバス」と呼んでいるようだが、コミュニティバスに近い小型バスでアナウンスは無し。後々分かるのだが、種子島のバスはアナウンスが無い。だから、降りたいバス停を自分で判断して降車ボタンを押すか、乗車時に運転手に降りたいバス停を伝えておく必要がある。

さらに、この2社はあまり仲がよろしくないのか、同じ場所にあるバス停であっても、バス停名が異なる。たとえば、一方の会社が「Aコープ前」と名づけたバス停が、もう一方の会社が「南種子営業所」といった感じになる。こんなバス停がいくつかある。

種子島は観光客に優しくない島かもしれない。特に、レンタカーではなく、(このサイトのポリシーでもある)バスを使う旅人には優しくない。もう少し優しくなって欲しいものだ。

南種子の市街地から宿まで2キロウォーク

南種子市街地(17:10)→わたり温泉館(17:40) 【徒歩】

南種子町の市街地にあるAコープ前バス停で下車。街を少し散策した後、Aコープで晩御飯の買出し。カップうどん、お惣菜、安売りされていた地元産さつまいも、そして地元産焼酎「南泉」も買い込む。

南種子の市街地(店もいくつかあり、それなりの街だ)

南種子の市街地(店もいくつかあり、それなりの街だ)

買出しを終えた後は、今夜の宿のある河内まで2キロほど歩くことにする。舗装された道とは言え、急カーブの続く下り坂の山道。歩道もなく、決して歩くのに適した道とはいえなかった。

いつになれば着くのか不安になった頃、ようやく今宵の宿「わたり温泉館」を発見。

緑に囲まれた「わたり温泉館」

周りは、田んぼ、山、田んぼ、山…。事前リサーチの予想を裏切らず、周辺に店の影は全くなし。唯一、自動販売機が1台(コカコーラonly)あるだけ。

部屋から見た風景は一面たんぼ

部屋から見た風景は一面たんぼ

入り口のプレハブで受付(チェックイン)を済ませ、部屋に案内される。ホテルでもなく、旅館でもない。部屋の構成は、台所・和室・バス・洗面所・トイレ。まさしくウィークリーマンション。

「わたり温泉館」全景

「わたり温泉館」全景

まさしくウィークリーマンションの玄関

まさしくウィークリーマンションの玄関

台所には、ミニナベ・包丁・まな板・冷蔵庫・電子レンジ・ガスコンロが完備されており、自炊もバッチリ。炊飯器はプレハブの受付で滞在中の貸し出しをしてくれる。ついでに、部屋でゴキブリさんと出会ってしまう。これもサービス?(T_T)。多少の問題はあるにせよ、築年数が新しい上に手入れもかなり行き届いているのが分かり、全体的に清潔感がある。

今日からでも生活できる台所

今日からでも生活できる台所

そして、お風呂が一番のポイント。蛇口をひねると、水道水ではなく、温泉が出る。ユニットバスで風情はないとはいえ、部屋で温泉を楽しめるのはポイントが高い。泉質はヌルヌルしている。

蛇口から温泉で出てくるお風呂

蛇口から温泉で出てくるお風呂

お風呂に入った後、Aコープで買ってきたカップうどん&お惣菜で夕食。おやつには、同じくAコープで安売りされていた地元産さつまいも。

晩御飯

晩御飯

窓を開けると、さわやかな風が吹き込んでくる。焼酎でほろ酔い気分になりながら、心地良い時間を過ごした後、眠りについた。

今宵の宿情報

わたり温泉館

(鹿児島県 南種子町)

今回泊まった部屋:  和室 (素泊まり)
今回の宿泊費(1人あたり):  3000〜3499円 
・Trips管理人 評価: 3.5  (管理人提供宿泊レポート)



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