奥さんのお腹もだいぶん大きくなってきた。お医者さんの話によると、臨月に入ると、旅行を控えなければいけないそうだ。そうとなれば、ぼちぼち旅に出れるのも最後になりそうだ。
つい先日、世界遺産に認定された「富士山」。流行りものはあまり好きではないが、クラブツーリズムや阪急交通社のバスツアー広告の写真がずっと気になっていた。それは、日本平や清水(三保の松原)から撮影した富士の絶景だ。
そして、それと同じぐらい気になっていたのが、大井川鉄道のSL列車。以前から知識としては知っている大井川鉄道だが、今まで一度も訪れたことはない。その理由は明白、運賃がなかなか高いからだ。「列車に乗るだけで、こんな値段か!」とも思うが、しばらく旅に出れないことを考えれば、ちょっと奮発してもいいだろう。
旅立つ決心をしたのは、出発日の数日前。この週末は折しも、帰省ラッシュの真っただ中であることは言うまでもない。ここで新幹線という選択肢はあまりにも愚か。ましてや、高速バスは大渋滞に巻き込まれるので選択の余地もない。そんなわけで選んだのが、妊婦が同行するにもかかわらず、18きっぷの旅。
乗り継ぎの具合にもよるが、大阪から静岡を目指す場合、実は乗り換え回数はそれほど多くないのだ。そして、今年の夏は猛暑。意外と家にいるよりも、涼しい列車の中で涼んでいる方が心地よい。
次に、宿探しだ。いろいろな宿泊予約サイトで検索してみるが、静岡市内で空室があるホテルは1〜2軒。それも、オンボロホテルなのに、ぼったくり価格。
そんな中、「楽天トラベル」で偶然見つけたのが、「西焼津セントラルホテル」。こんなお盆の時期なのに、1泊ツイン朝食付 5980円/室。ちなみに、二人の合計料金だ。おまけに、これまでならば、セミダブルの狭さを我慢できたが、奥さんのお腹が大きい今は、ツインがありがたい。
こうして、青春18きっぷで行くマタニティ旅行が幕を開けた。
大阪(6:21)→米原(8:06) 【快速】
米原(8:25)→豊橋(10:23) 【新快速】
豊橋(10:41)→浜松(11:15) 【普通】
浜松(11:29)→静岡(12:41) 【普通】
旅行当日、天気は良好。今日も連日のように暑い一日になりそうだ。早起きをして、18きっぷ片手に駅へ向かい、米原行の快速電車に乗り込む。
その後、米原・豊橋・浜松と、3回の乗り継ぎを経て、静岡へ。ちょうど帰省の時期だが、新幹線とは違い、全区間で無事に席を確保できた。妊婦同伴だけに心配していたが、杞憂に終わってよかった。
ほとんど寝ていたので、あっという間についた感があるが、浜松〜静岡間のロングシートだけは、ちょっときつかった・・・。
静岡駅
次の日本平行きのバスまでは、約40分ほど。パッと食べれるランチスポットということで、駅構内のマクド(静岡ではきっとマック)へ。
店に入る前に、スマホのマクドアプリでクーポンをチェック。いくつかのクーポンを見てみると、「ダブルビーフサルサバーガーセット」(クーポン価格600円)が一番よさそうだ。夫婦そろって「これに決定!」としようとしたところで、「地域限定クーポン」の文字が…。ナント、関西地区限定のクーポンのようだ。
マクドは、新商品を販売する前に、一部の地域でパイロット販売することがある。「もしや、静岡は別の地域限定メニューがあるのでは?」と思い、アプリの「お住まいの都道府県」を「静岡県」に変更してみる。
すると、不思議や、不思議・・・。なんと、同じ商品のクーポンがさっきよりも50円安い550円で登場したのだ。それも不思議なことに、地域限定クーポンではなく、全国で使えるクーポンとして・・・。どうやら、地域で価格を変える二重価格戦略はクーポンにまで浸透しているようだ。
カフェインがダメな奥さんはミルク
静岡駅北口(13:23)→日本平ロープウェイ(14:02) 【バス】しずてつジャストライン
空から降り注ぐ容赦ない太陽の光、地面に照り付ける反射熱で、意識もうろうとしながら、バスを待つ。そして、静岡駅13:23発の日本平ロープウェイ行きのバスに乗車。クーラーでキンキンに冷えた車内はとっても快適。
途中、東静岡駅を経由し、山をどんどん登り、終点の日本平ロープウェイに到着(14:02着)。
日本平ロープウェイに到着したバス
天気は良好。さぞかし、素晴らしい富士山を見れると思いきや・・・。
まったく見えん。むしろ、モヤっとしていて、眼下の久能山の前に広がる海面すらうっすらとしか見えないのだ。そして、携帯メールを見ると、静岡に住む友人からメッセージが…。
「夏は湿度が高くて、富士山は見えない」んだとか・・・。それ、早く言えよ。旅行出発前に見た、某K社とか、某H社のバスツアーの富士山の写真は、夏場は幻想だったのだ。ちょっと騙された気分。ちなみに、富士山を見るには、冬がよいらしい。
すぐ眼下の海さえ、モヤっていて見えにくい
日本平ロープウェイ(14:35)→ドリームプラザ(15:05) 【バス】しずてつジャストライン
さて、富士山が見えないこの場所で何をするのか。ここからロープウェイで久能山東照宮まで往復するのもアリだが、単なる神社に奥さんは興味がなさそう。周辺をウロウロしてみたが、お土産物屋さんとベンチぐらいしかない。何より、クソ暑くて、屋外には居られない。
当初は、もう少しゆっくりして、静岡駅に戻り、清水へ向かう予定だった。しかし、これ以上、日本平には用はない。幸いなことに、日本平から清水へは1日2便だけバスが出ている。その最終便は14:35発。まさに、まもなく出発しようとしているところ。
渡りに船ということで、ちびまる子ちゃんの街「清水」へ向かうバスに乗り、早々に日本平を去る。
まるちゃんのイラストが描かれたバス
終点は清水駅だが、手前の「エスパルスドリームプラザ」で下車。ちなみに、運賃の支払いはICOCAで。全国の交通マネーの相互運用がはじまったおかげで、旅先でも便利になった。
エスパルスドリームプラザは、「清水すしミュージアム」「ちびまる子ちゃんランド」「観覧車ドリームスカイ」、その他さまざまなお店が集まる、複合商業施設だ。
複合商業施設「エスパルスドリームプラザ」
荷物を無料コインロッカーに預けた後、とりあえず暑いので、カフェタイム。タリーズで、僕は「水出しコーヒー」(380円)、奥さんは「アイスクラッシュ(トロピカルフルーツパンチ)」(380円)をテイクアウトし、外で食べるが、奥さんのカキ氷(アイスクラッシュ)はどんどん溶け出す始末。
本来ならば、ここからも富士山が見えるはずだが、青い空しかみえない・・・。こんなに天気はいいのに・・・。
目の前の海を眺めながらのカフェタイム
タリーズで買ったコーヒーとアイスクラッシュ(というらしい)
飲み物でクールダウンした後は、館内へ。まずはお寿司屋さんかいっぱい並ぶ「すし横丁」へ。有料の「すしミュージアム」なるものもあったが、しょぼそうな感じなので、パス。ただ、無料のゾーンだけでも、レトロな街なみになっていて、おもしろい。
富士山の形をしたお寿司のレプリカ
お寿司屋さんが軒を連ねるレトロな雰囲気の「すし横丁」
次は、一番楽しみにしていた「ちびまる子ちゃんミュージアム」へ。期間限定で原画展も開催されており、せっかくの機会なので、セット券(900円)を購入。ここでも、電子マネーが使えるのだ。
ちなみに、「なぜゆえ、ここでちびまる子ちゃん?」。その答えは、まるちゃんの作者であるさくらももこさんが、ここ清水の出身だからだ。
入口を入ると、まるちゃんが出迎えてくれる
入り口を入って、初めにまず惹かれたのが、まるちゃんの第1話のビデオだ。昔見ていたことを思い出し、ついつい夫婦そろって、真剣に立ち見してしまう。
ちなみに、原画展は撮影NGだが、ちびまる子ちゃんランドは写真撮り放題。さくら家の居間、まるちゃんの部屋、学校など、次々にカメラに収めていく。
学校の教室には、本物の最近の教科書が置いてある。僕たちの時代の教科書と違って、本が大きくなっていたり、字が大きくなっていたり、カラフルな感じになっている。特に「生活科」なんて教科はなかったので、新鮮だった。
さくら家の台所
さくら家の団らん
まりもっこりに見える、まるちゃん
タマちゃんにも迎えられ、学校の教室へ
本物の教科書が置いてある教室
さらに面白いことに、入場時に渡されたスタンプ帳を手に、ランド内のあちこちに隠されたスタンプをクイズ形式で押していくのだが、これがなかなか面白くて、オススメ。ただ、スタンプを集めた後にもらえるご褒美は、キャラクターシール1枚だけで、ちょっとしょぼかった・・・。
次々と流れてくる、まるちゃん関連のBGM。昔見ていたアニメだけに、なんだか懐かしさを感じた、ひとときだった。
まるちゃんランドを出ると、18時すぎ。ぼちぼち夕食の時間だ。
お寿司さんからバイキングレストランまで、館内にはたくさんの飲食店がある。店選びも楽しみの一つだ。「どこにしようかな?」と迷いながら、館内をウロウロしていると、スーパーのお惣菜ならぬ、テイクアウトのお寿司がナント半額になっているのを発見。
人だかりができているなか、僕たちも参戦。そして、「お寿司盛り合わせ」(980→490円)を2パック、「桜エビのかき揚げ丼」(500→250円)を1パック購入。さらに、半額ではなかったが、マグロのぶつ切りの煮物(500円)も購入する。しめて、二人で1730円の夕食だ。
「お寿司盛り合わせ」(980→490円)
「桜エビのかき揚げ丼」(500→250円)
マグロの煮込みは写真で見るより、かなりでかい!
買い出しが完了した後は、すぐそばにあるフリースペースで食べる。僕たち以外にも、同じことをしている人がたくさんいる。さて、お寿司のお味は・・・とっても美味。ネタが超デカくて、本当にウマイ。昔、静岡の友人が「関西の魚はいまいちだ・・・」と言っていた意味が今となってやっとわかった。清水の魚のクオリティは高い。
マグロの煮込みもとっても美味だが、あまりのデカさに全部食べ切れず…。一部をラップに包んで持って帰ることにする。
ネタがでかくて、ホントにウマイ!
購入したものを食べれるフリースペース
ドリームプラザ→清水 【バス】無料シャトルバス
清水→西焼津 【普通】
お腹が満たされた後、館内のお土産物屋さんを少しブラブラ。そして、無料シャトルバスで清水駅へ。
車両トラブルとやらで、少し遅れてやってきた電車で、ホテルの最寄り駅である西焼津へ。今宵の宿は、「西焼津セントラルホテル」。直前 かつ お盆真っただ中にもかかわらず、1泊ツイン朝食付で5980円/室だ。
こんな安いホテルなので、少し不安になりながら、駅からホテルを目指す。西焼津駅前は、本当に住宅街だけで何もない。駅周辺にはコンビニもなく、そんなところを6〜7分歩くと、ホテルへ到着。住宅街と教習所の真ん中の分かりにくい場所にポツンと建つホテル。分かりにくい場所にありながらも、周りが住宅街で高い建物がないので、すぐに見つかる。
不安になりながらたどりついたホテルは、至って普通のビジネスホテル。少し古い感じもするが、清潔感はあり、フロントのスタッフの対応も普通だ。フロント付近には「学生のスポーツ団体が入っているため、アダルト放送は停止している」といった旨の張り紙がされている。ということは、普段はビデオ放送込みで、この値段ってことなのか、それとも、放送が見れないから、この破格の値段なのだろうか?
客室はいたって標準的なツインベット。ありがたいことに冷蔵庫も完備。ユニットバスはびっくりするぐらい狭くて、体を洗うのに、やや苦戦。若干壁が薄く、隣室や廊下の声は聞こえるが、コストパフォーマンスを考えれば、十分だ。
駅と反対方向に6〜7分歩いたところにあるファミマへアイスの買い出しに行った後、眠りについた。
いたって普通なツインルーム
冷蔵庫も完備
ユニットバスは究極の狭さだった・・・
西焼津セントラルホテル
(425-0074 静岡県焼津市柳新屋858)駐車場無料!! ランドリー無料(予約制)!!
大型車(4t)駐車可能※要予約
焼津、藤枝にある企業工事現場へ中間立地な為、通勤に便利!!