サイトコンセプト

2000年3月 ホームページ閉鎖。
そして、2006年 ホームページ再開。

大学卒業後、ずっと閉鎖していたホームページ。しかし、何にかられたのか、再び開いてみることにしました。
そして、サイトの名前を新たに「Trips」と名づけました。

この由来ですが、「Trip」=「旅」に関するコンテンツがたくさん集めていきたいという想いから複数形を意味する「s」をつけたものです。

大学生活最後に執った卒業旅行記のエピローグには、このように記しています。

いよいよ4月から社会人となります。以前、高校を卒業して就職した友人が「お金よりも時間が大事」と言っていました。それだけ贅沢な時間の使い方ができなくなるということでしょう。これからは、飛行機を中心とした旅のスタイルへと変化し、また、海外へ行く機会も増えることだと思います。そういった意味では、今後の自分の旅のスタイルがどのように変化していくかが楽しみです。

そんな言葉に反して、「1〜2ヶ月1度は必ず旅に出る」「休暇もきちんと取る」、そんなとっても恵まれた社会人になってしまいました。(^o^)

学生時代から不変である旅の信条こそがこのサイトのコンセプトです。そのコンセプトをいくつか紹介します。


(1)近くの海外よりも遠くの日本

世間のみなさんは何故か海外旅行が大好きです。
海外旅行も悪くはないと思いますが、日本にも魅力的な見所が山のようにあります。さらに、日本には四季がある。それは、1つの見所をとっても、4倍の楽しみがあるということです。
近くの海外である韓国ならば、飛行機で2時間程度でいけます。そんななか、何十時間もかけて、フェリーで北海道や沖縄へ行くのは最高の贅沢だと考えています。時間がなかなか取りにくい社会人の宿命を背負いつつも、そんな旅でこのサイトを埋め尽くしていきたいです。
ちなみに、仕事の関係で2012年にとうとう海外進出しましたが、プライベートではいまだ一度も海外の地を踏んでいません。


フェリーは夕焼けをみる特等席

(2)クルマは使わない

クルマを使った旅、それはとっても便利な旅です。効率的に多くの観光地を周ることができ、旅の時間を自分が思うがままに使えます。
しかし、それは結果的に旅の印象は希薄にしてしまうものです。今までの経験からして、クルマで旅をした記憶はそうでないものと比較すると、必ずといっていいほど印象に残っていないものです。
エアコンをガンガン効かせたクルマで観光地に着くたびにクルマを停めて、さらっと見物をして、すぐに立ち去る。それは「点と点の旅」に過ぎないもので、その土地の雰囲気や気候を感じることはできません。 「田舎のバス停で1日数本のバスをひたすら待つ」「バスが無いから数キロの道のりを歩く」、そんな不自由な旅の方が数百倍、数千倍と印象に残るものです。もちろん、クルマと違って綿密なる計画が必要で、時刻表をめくり、パズルのように行程を組み立てる必要がある。つまり、旅が始まる前から、楽しみがいっぱい溢れているわけです。
このサイトのテーマである「列車・バス・船で巡る」というフレーズには、移動も旅の一つの要素であり、決して「点と点の旅」ではなく、「点と点を結ぶ線を形成する旅」にしたいという想いを盛り込んでいます。
ちなみに、クルマというのは自家用車やレンタカーを指しており、自分の想うがままに動いてくれないバスは例外と考えています。
ついでにいうならば、管理人はペーパードライバーだったりします。


日本の果てにあるバス停

(3)足で土を踏み、体で風を感じる

旅先の地において、その土地を全身で感じることが旅の醍醐味です。
そういった前提で語るならば、公共交通機関で旅する者はクルマで旅する者よりも一枚上手なのではないでしょうか?
クルマの旅は、どうしても自然やその土地の人々とふれあう機会が少なく、疎遠になりがちです。そこで問題です。
「公共交通機関で旅する者よりも旅の醍醐味を知っている人はどんな人か?」
その答えは、チャリダーや徒歩旅の人たちです。彼らは生身を以って、全身で旅を味わっているのです。 残念ながら、管理人には、その悟りを開くことはまだできていません。せいぜいレンタサイクルを楽しむ程度です。いつか悟ってみたいものです。


バスに乗らず、無意味に歩くのも悪くない

(4)ツアー旅行はイヤだ

どうしても足が無く、旅先で定期観光バスを使わざるを得ないことがあります。
一方、路線バスで観光地を巡るとき、時刻表をめくり、調べることはてんこもりです。必然的に地理を理解する必要もあり、地図とのにらめっこになります。
それと比較して、定期観光バスは勝手に連れていってくれます。タイムスケジュールに沿って、バスを降り、ぶらっと観光した後に土産屋に突っ走り、そしてまたバスに乗る。その繰り返しです。観光時間も決して多くはありません。後に残るモノも少ないまま、消化不良を感じて旅を終えます。
ツアー旅行となれば、なおさらです。出発から帰着まで旅全体が消化不良になりかねない。無論、とりあえずおいしいモノを食って、観光をした気分になりたい人には問題ないのかもしれませんが…。


時刻表を片手にローカル列車に揺られる

(5)無意味なボッーとした時間を過ごす

観光地のベンチの上でサンダルを脱いで、アグラをかいて、ボッーとする。旅の至福のひとときです。
クルマでやってくる人は、観るものを観た後は次のポイントへさっさと去っていきます。ツアー客は集合時間にせかされながら、観るものを観た後土産物売り場へ直行します。
そんな旅を完全否定するわけでないですが、1日数本、数時間後まで来ないバスを待ちながら、ボッーとするのも悪くないんじゃないでしょうか?


時間を気にせず、浜辺を歩くだけでも幸せなひととき

(6)駅前をウロウロする

駅は、その街の顔であり、玄関でもあります。その街の特徴をあらわし、最もその土地の生活を感じとることができる場所かもしれません。旅で日本各地の街を訪れるとき、その街の顔に挨拶をして、その周りをブラブラするようにしています。待合室で待つおばあちゃん達の会話から耳にする方言、その街の特産品、素朴な中学生達の会話、そんな風にイロイロなものを感じ取れる場所です。
先に「クルマは使わない」と書きましたが、クルマは街から街へ移動するときに、その街の顔を無視して通り過ぎてしまうのです。道は必ずしも、街の中心に位置する顔に沿って走っているわけではありません。それ故に、こう書いたわけです。


旅は駅で始まり、駅を通り、駅で終わる

このサイトでは、「公共交通機関を使って、こんな旅ができるんだ!」というのを伝えていきたいと思っています。

僕が旅に出る時は、必ずインターネット上の様々な人たちが残してくれたブログや旅行記の情報を活用させてもらっています。「情報をもらう」だけでなく、その恩返しとして、「他のサイトにないような情報、そして、より細かい情報を伝えてお返しをしたい」と考えています。

おかげさまで「Trips」誕生からもうすぐ丸3年。当初は少なかったアクセス数。しかし、アクセスログを見ていると、最近では1日平均 60〜80Visitor、120〜180ページビューまで増えました。大変うれしいことに、再び訪れて頂いている方も少なくないようで、世の中の旅人たちに多少なりとも貢献できるようになったのかなと感じています。

こんなコンセプトを一文で凝縮したサイト名「Trips 列車・バス・船で巡る日本全国ぶらり旅 〜自家用車に頼らない、公共交通機関を使った旅の提案〜」、共感いただける方に是非ご覧いただきたいと思います。

2013年1月