1.正しいおみやげの選び方

(1) 本来の「おみやげ」の意とは?

年に幾度か旅に出ますが、おみやげを買うのは年に1度あるかないかです。
旅行の回数が多いこともさることながら、「おみやげを買うぐらいならば、次の旅行への軍資金に回したい」という思いがないわけでもありません。しかし、それ以上に「魅力的なおみやげがない」 「あまりにも買うのがバカバカしいおみやげが多すぎる」ことが理由に挙げられます。

おみやげを貰った時、ぶっちゃけ言ってしまうならば、「スーパーやコンビニのお菓子と大差がない」 「この内容でも結構高いんだろうな」 「よくあるお菓子じゃん」と心の奥底で思ったことはありませんか?

全く別の地域を旅行した二人から、「××○○クッキー」という中身は全く同じなのに、パッケージの地名部分の印刷だけが違うお菓子をもらったという経験もあります。その他にも、果実の特産地でよく発売されているお土産でよくある、地名すら入っていない「○○キャンディー」の場合、北海道で見たモノと全く同じものが青森や長野で並んでいることもあります。こういうお菓子は、全国のどこか一箇所の工場でまとめて製造を行い、パッケージの印刷だけを変えて、各地域に出荷しているのでしょう。

さらに、もう一例を挙げてみましょう。関西から関東にある某テーマパークへ行ったときの話です。キャラクターの絵が入ったお菓子の箱を手に取り、裏面をみると、「製造元 兵庫県神戸市○○…」と印刷されているではありませんか。つまり、関西で製造され、関東へ出荷されたモノをわざわざ関西へ持ち帰るという、世にもアホな話があり得るのです。

「おみやげ」の意を国語辞典で引いてみると、「旅行先や外出先から家などへ持って帰るその土地の産物」とあります。現実を見てみると、本来の意を満たすおみやげは意外と少ないものです。

(2) 「正統派おみやげ」の見分け方

そこで、本来の意を満たす「正統派おみやげ」の見分け方はどうすればいいのでしょうか? 完全に見分けることはできませんが、おおよそ次の手法で管理人は判断しています。

  • パッケージを手に持ち、表面、側面、裏面を見回す
  • 「製造元」というキーワードを探す
  • 「製造元」がその土地と何のゆかりも縁もない地名であれば「ニセモノおみやげ」、
    その土地のものであれば、「正統派おみやげ」

すごく簡単ですね。ところが、「製造元」というキーワードがないケースも多々あるのです。

(3) 要注意キーワード「発売元」

ここで騙されやすいのが「発売元」というキーワードです。極端な話をすると、沖縄で製造されたモノが北海道の商社に卸され、店頭に並べられた場合、「発売元:北海道○○市」と印刷されて販売されます。つまり、一見すると北海道で製造されたモノのように思えますが、実は沖縄で製造されたモノなのです。あくまで「発売元」というのは、製造をしている会社ではなく、販売をしている会社ということになります。

「ニセモノおみやげ」に多いパターンが「製造元」や「原材料」の印刷されたシールをパッケージの上から貼っているモノです。こういったものは、一箇所の工場で大量生産を行って、各観光地の商社などに出荷している疑いがあるわけです。その商社などで「販売元:○○県××市」といったシールを貼るだけで、その土地のおみやげのように思えてしまいますよね?

もちろん、「発売元」だけ印刷されているモノがすべて「ニセモノおみやげ」というわけではありません。例えば、お店に併設された工場や店頭実演コーナーで製造されているものであっても、「製造元」=「発売元」ということで、「発売元」しか印刷しない会社もあります。会社によって、千差万別です。

これまでの経験のほか、勘に頼る部分もあり、100%見分けるのは、なかなか難しいかもしれません。しかし、この手法でおみやげ選びをしてみると、意外と「正統派おみやげ」と確信できるモノの少なさに驚くかもしれません。

もし、おみやげを買う機会があれば、一度実践で試してみてください。